日本水泳連盟の鈴木大地会長(46)が26日、東京五輪招致の秘策を胸に水泳世界選手権の行われているバルセロナに出発した。水連会長としての「初仕事」に臨む鈴木会長だが、競泳陣の激励とともに重要な仕事は招致活動。20年東京五輪実現への作戦を聞かれ「内緒!」と言って旅立った。

 「内緒!」は、88年ソウル五輪男子100メートル背泳ぎ予選後の同会長の言葉。予選3位から逆転する作戦を聞かれ、ぶっきらぼうに言い放った。決勝では得意のバサロ(潜水)スタートの距離を延ばす奇策で、劇的な優勝。日本水泳界16年ぶりの金メダルで、テレビの前の国民を熱くさせた。

 今回は水泳会場の招致ブースで、東京をアピール。8月の陸上世界選手権ではブース設置が認められないため、招致レースの正念場となる。「IOC委員には友だちも多い。頑張ってきます」。緻密な計算と準備、大胆な言動で夢を実現させた25年前。金メダルの感想を答えた「うれしいに決まってます」が、開催地決定の9月7日に再び聞けそうだ。