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4区カリウキ“最後の箱根”で大仕事 <箱根駅伝・往路> ◇2日◇東京・大手町〜箱根・芦ノ湖=5区間107・2キロ◇出場20チーム
成長の足跡をしっかりと刻んだ。箱根の借りは、箱根で返した。序盤に「大砲」を並べた往路重視の山梨学院大。4区のカリウキにとって、3番目でもらうタスキは大誤算。だが冷静だった。ライバルの背中は確実に見える。「最初にオーバーペースはダメ。自分のペースで走れ、と言い聞かせたよ」。敵は他校ではなく「過去の自分」。3キロ地点で駒大を、7キロ手前で中大をジワジワ追い込み、そして抜き去った。カリウキの走りが苦境を打破し、9年ぶり復活ロードと大記録につなげた。 最後の箱根で最高の仕事をした。98年に来日、99年に山梨学院大に入学。ケニア人留学生として周囲の期待は大きかった。だが、過去3年は苦い思い出しかない。4区で8位、2区で9位、昨年は5区で11位。直前を行く選手を追ってはオーバーペースを繰り返した。内気でシャイな性格という。カリウキは結果が出ない自身に苦しんだ。 最上級生の自覚が転機だった。日本語も平仮名、カタカナは読み書きができるまで急速に上達。練習も引っ張った。授業の単位も修得すると、性格まで明るくなった。日本食にもチャレンジ。今では納豆が大好物だ。「カリウキは本当に指導のしがいがある。人間的にもこの1年で一番伸びた」と上田監督。日本人に近づこうとする努力が、箱根で花を咲かせた。 昨年9月、山梨学院大に天然のコースができた。一番喜んだのがカリウキだった。当初、トラックを建設予定だったが、その土地から遺跡が出土。急きょ、建設計画はとん挫した。そこで上田監督は工夫した。周囲に遺跡見学コースをつくり、ランニングコースに変えた。起伏は残ったが箱根の練習には最適だ。今季、チームに故障者が少ないのも、土の天然コースと決して無縁ではなかった。 カリウキのペースは最後まで落ちなかった。好走はルーキーの5区森本にも乗り移った。5時間31分6秒。従来の往路記録を大幅に更新した。「もう箱根で走れないのは寂しいけど、とってもうれしい。駅伝をやって良かった。あとは復路のみんなを応援するよ」。9年ぶり往路Vを果たし、今日3日、8年ぶり総合Vを狙う。ライバル駒大との差は99秒。カリウキのつないだタスキが東京・大手町を目指す。【牧野真治】 ◆デビット・カリウキ 1982年5月23日、ケニア・ニャフルル生まれ。5歳から陸上を始める。98年8月に初来日し、山梨学院大付高3年に編入。99年に山梨学院大商学部に入学し、現在4年生。昨年の関東インカレは5000、1万メートルとも2位。日本インカレ5000メートル優勝。過去の箱根駅伝は1年で4区8位、2年で2区9位、3年で5区11位。4月から九電工に入社する。164センチ、53キロ。 |
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