アメフト部 甲子園連覇へ 白木周作 最後の挑戦
エースUB「ようやくスタートラインに立てた」。関東八連覇を決めた白木は語った。これまで言い続けて来た「一つ一つ戦うだけ」という言葉の裏に、あくまで関東は通過点、甲子園という最高の舞台で最高のパフォーマンスをすることだけを白木は考えていたに違いない。 昨年は甲子園MVP。今年は関東リーディングラッシャーの称号を手にした白木。しかし、白木にとってそんな肩書きなど意味を持たない。自らが率いたチームが甲子園で勝つことこそが白木にとって最高の称号となる。 白木の走りは本当に一瞬だ。素早い走り出しから、QBのハンドオフを受け、ラインへと突っ込む。相手ディフェンスに合わせる隙を与えず、確実にゲインを奪う。一発の爆発力も兼ね備え、UBとしては十二分の役割を果たす。わかっていても白木のランをノーゲインに抑えることは不可能に近い。 最後の挑戦「常にシチュエーションを考えた走りをすることを心がけている」と白木は言う。チームの為に走った結果が関東リーディングラッシャーという結果につながった。 クラッシュボウル決勝・日体大戦では白木に相手の警戒が集中した。タイトに構える相手ディフェンスに白木のランは止められた。しかし、これこそ白木の本望であろう。相手の注意が自分に集中することで法大オフェンスチームはよりいっそう力を発揮できることを白木は確信している。「バックスの能力はみんなほとんど変わらない。みんなを信頼している」(白木)。そして、確信は現実となる。TB伊藤喜(法1)、中島(経4)、長村(法3)、そしてQB桑野(営3)がビックゲインを連発した。そしてこれまで不発だった桑野のパスまでもが猛威を発揮した。オフェンスのバイスキャプテンとして、チームが勝つための走りこそが白木周作の真骨頂なのだ。 「甲子園と言うのは特別な場所。あそこで負けたらこれまでやってきた意味が無い。自分たちの力を信じて4年間の全てを全力でぶつける」。白木の最後の『挑戦』に懸ける気持ちは半端ではない。12月16日、白木率いるバックス陣、そしてエースRB白木周作がフィールドを席巻し、甲子園はオレンジ色に染まる。
(武田 教秀)
Stop The KG!! 〜遥かなるエンドゾーン〜
日体大を下し、関東八連覇を果たしたトマホークス。その原動力となったのが、ディフェンス陣だ。オフェンス陣が本来の力を発揮できず苦しんだ試合もディフェンス陣が踏ん張ることで勝利を重ねてきた。 (高村 篤史) キッカー 後藤大地に死角なし!
「アメフトはあんまり好きじゃないんです。キックが好きなだけなんです」。キッキングチームの柱、K後藤大地(経4)は飄々と語った。 第78回 箱根駅伝 爆走王ラストラン 徳本一善
学生長距離会No.1の徳本一善(社4)。しかし箱根駅伝においては必ずしも華やかな道を歩んできた訳ではない。多くの挫折や屈辱も経験してきた。エースの意地にかけて、そして誰よりも後輩の成長を喜び、チームの為に走ってきた徳本が4年間の集大成として箱根路をかけぬける。
厳しさ茶髪にサングラス。それが法大の頼れるエース・徳本一善のトレードマークだ。初めは何かと非難された。しかし、今ではそんなことを言うものは誰もいない。誰もが彼の実力を認めているのだ。 徳本の4年間を振り返ると、まずその華やかさに目がつく。今年の全日本インカレ・5000m優勝など、数々のタイトルを手にし、学生長距離界に敵無しとまで言われるようになった。しかしその影には、日頃の地道な努力が隠れていた。 彼の辞書に”妥協”という文字は無い。普段の練習にも真剣に取り組んでいる。「高校の時と違って甘えが無くなり、よりストイック(禁欲的)になった」と言う。長距離種目では、精神面が及ぼす影響が大きい。たとえ実力があったとしても、気持ちで負けていれば、勝てる勝負にも勝てないからだ。しかし徳本には、その精神面での強さがある。それだけではない。競技に対する意識の高さ。常に強くなろうとする向上心。それらが、徳本の強さを支えているのだ。 徳本の存在は、法大の長距離陣に大きな影響を与えている。誰もが彼を目指して練習してはいるが、彼のレベルに達する者はいない。強い者には弱い者の気持ちはわからないという甘えもあるのだろう。しかし徳本は力強く語る。「弱いものには強いものの気持ちがわからない。実力のある者は、弱かった時に大変な努力をしてきた。そしてその努力は、自分に甘い人間にはできないことなんだ」。弱くても意識を高く持ち、妥協しない者だけが強くなれる。強くなるだけのことを自らに課さなければならないのだ。徳本はそれを後輩達に体を張って示している。 箱根への想い徳本にとっては、今回の箱根駅伝が学生最後のレースとなる。それゆえ、今回の箱根にかける徳本の熱意は、今までの比ではない。「今年の箱根駅伝では、やれることは全てやって、万全の状態で臨みたい。この4年間にやってきたことを発揮するだけ。」その言葉からは、この4年間自らが築いてきたことへの自信と誇りがうかがえる。今年の箱根路に、徳本の4年間の集大成を見ることができるだろう。それは、素晴らしいものに違いない。 (外山 功) 注目!これが二年生カルテット!
箱根駅伝のカギを握る男達―今年の法大にとって、彼らはなくてはならない存在である。「監督に期待されるようになった」と長嶺が言うように、4人に対する成田監督の期待度も高い。
黒田将由(社2)・・・166cm・46kg 岡山・玉野光南 10000m 28分37秒 (中山 明子) 雪辱へ向け再発進!! 法大ラグビー部12月16日、第38回全国大学ラグビー選手権が開幕する。6勝1敗の2位でリーグ戦を終えた法大ラグビー部は昨年と同様、博多の森で開幕を迎える。9年ぶりの大学日本一を目指し、全国の強豪たちと激突する。昨季のリーグ戦、大学選手権決勝、今季のリーグ戦と三連敗中の王者・関東学院大への雪辱を胸に法大ラグビー部は険しいトーナメントに挑む。 無惨悪夢の40分間だった。FWが圧力をかけられボールを奪えない。「一言でいうならFWでやられました」(武村監督)。11月25日、秩父宮ラグビー場。関東学院大戦。法大は前半に15−8とリードを奪いながら、後半は自陣にくぎ付けとなった。10分に逆転、さらに17分に追加点となるトライを許した後はもう法大に逆転する力は残っていなかった。24分に駄目押しとなるトライを決められた後は足をつる選手が続出した。今季、こんな風景は見たこともなかった。走力が自慢の法大にとって、これは屈辱以外の何者でもなかった。試合後、主将・FL浅野(経4)はつぶやいた。「関東学院は強かったです」―――。 リーグ戦昨季、法大は大学選手権で準優勝。今季は日本代表候補のSH麻田(社3)、大学最強CTBコンビの渡辺(社4)・赤沼(経4)、快足WTB斉藤(経4)ら昨季からのメンバーが多く残り優勝候補にも上げられ、そのとおりにリーグ戦前半は快調に白星を重ねた。大東大戦こそ強風の影響でリズムがつかめず、後半38分に逆転トライで勝利ともたついたものの、次節の日大戦では法大の本来の持ち味である「展開」と「タックル」で快勝。次節に迫った宿敵・関東学院大との決戦に向けて期待が持てる一戦であった。しかしその関東学院大には15−32と敗退。しかも後半は0―24と完封されてしまう。「後半、先にトライを取れば流れが来ると思ったが、逆に取られて流れが向こうにいってしまった」(浅野主将)。武村監督も「後半は関東学院大FWの前に出る力に我慢できなかった」。 選手権へ法大は結局6勝1敗の2位でリーグ戦を終了した。関東学院大には敗れこそしたが、これで終わりではない。まだ大学選手権が残っている。組み合わせでは法大の初戦は九州・博多の森にて福岡大と対戦、2回戦は大阪・花園と遠征が続く。花園では復活を目指す西の才能軍団・同大と「赤い悪魔」帝京大の勝者と対戦する事となる。特に帝京大は昨季も2回戦、同じ花園の地で法大に悔しい敗戦を喫しているだけに雪辱に燃えている。また、昨季は関東学院大と決勝を戦ったにもかかわらず、今季は順当に行けば準決勝で再び関東学院大と顔を合わせることとなった。「1回戦から勝ち上がって東京に戻って来て、もう一度関東学院大とやりたい」(浅野主将)。昨季法大は関東学院大にしか負けておらず、特に昨季の選手権決勝では15−42と大敗し悔しい思いをした。現在3連敗であり、同じ相手には4度負けるわけにはいかない。ここではなんとしてでもリベンジを果たしたいところだ。決勝は対抗戦で11年ぶりの復活Vを果たした早大が勝ち上がってくる事が予想される。法大と早大はかつてラグビーに対する思想をめぐって対立した因縁の過去があり、その後の大学選手権草創期に「早法時代」と呼ばれた一時代を築いた相手でもある。また法大が過去3度大学日本一に輝いたときの決勝の相手はすべて早大であり、この対戦には興味深いものがある。 雪辱今後は一発勝負のトーナメント。もう負ける事は許されない。そう、本当の勝負はこれからだ。「炎の軍団」法大のリベンジロード、そして栄光のビクトリーロードが今、始まる。 (西岡 良修) 敗れなかった壁 11・25 関東学院大戦
11月25日、関東リーグ戦の優勝を決める全勝対決、法大対関東学院大の一戦が秩父宮で行われた。法大はここまで順調に白星を重ね、万全の状態でこの試合を迎える。リーグ戦優勝を目指し、宿敵に挑んだ。 (庄司 岳史) 優勝 氷上に吹き荒れたオレンジ旋風 スケート部
アイスホッケー部門・リーグ制覇12月9日、東伏見アイスアリーナに集まった大観衆の目の前で法大スケート部アイススケート部門はまた一つ大きな栄冠を手にした。関東大学アイスホッケーリーグ戦。わが法大は2次上位リーグ、自分たちのホッケーを貫き。最終戦を待たずに9年ぶりの優勝を決めた。
「自分たちの力を信じて勝とう」、田中主将は選手たちにこう言っていた。早大との直接対決。この結果で優勝が決まるビッグゲームで法大は「どんな相手、状況でもプレーを変えない」(石井監督)自分たちのホッケーを貫き、「最高の形」(斉藤コーチ)で9年ぶりのリーグ制覇を飾った。 (奈良輪 織恵) フィギュア部門・本田NHK杯V
11月29日〜12月2日、熊本県熊本市で行われたグランプリ(GP)シリーズ第6戦NHK杯で本田武史(法3)は日本人選手20年ぶりの優勝を果たした。この勝利で本田は、初のGPファイナル出場を決め、また、同時にソルトレイク五輪出場の切符を手にした。 サッカー部 1部昇格 プロ撃破 あと1歩1部昇格ならず―。11月23日、法大は関東大学サッカーリーグ1部・2部入替戦で慶大に0−2で敗れ、1部昇格を逃した。また、11月25日から開幕した天皇杯では、2回戦で川崎F(J2)に0−1の惜敗を喫した。
1部への壁試合が動いたのは前半36分。法大はファウルで慶大にPKを与え、これを決められると、後半38分にはヘディングを押し込まれ万事休す。「1部と2部、これまで経験してきた環境の差が出た」(横谷監督)と1部への壁の高さを改めて痛感させられた。しかし、法大は最穂まで集中力を切らさなかった。エース石原(経4)、中村(社3)、田上(経4)、渡辺(社4)らを中心に全員サッカーで幾度も慶大ゴールを脅かした。主将・柳沢(社4)、勝負所での好セーブが光った守護神・為田(社1)らDF陣も奮闘を見せた。 敗れはしたものの"絶対1部へ"という強い意志を見せつけた一戦だった。 新たな旅立ちへ入替戦の余韻が残る中始まった天皇杯。2回戦で川崎FにPKを決められ敗れはしたが、あと一押しというところまで追い詰めた。 「プロチームに本気を出させる事ができた」(大河・社4)ことは、大きな成長の証でもある。課題は「決定力がない」(監督)こと。来季、法大が更なる成長を遂げるための鍵になることは間違いない。 また、この試合で4年生は引退を迎えた。横谷監督就任と同年に入部して来た今年の4年生に対し、監督は「本当によくがんばった」と誉め讃える。確かに活躍した選手を挙げようとすると、きりがない程である。そんな4年生の意思を受け継いだ後輩達が、来季の1部昇格を実現させるに違いない。 (大野 純一)
壁を超え次世代へ託すV バレー部
引退試合12月3日、主将大角(営4)不在のまま、4年にとっては最後の大会となる全日本インカレが開幕した。故障欠場の大角に代わり主将を任された小泉(法4)は、その重みをひしひしと感じながらもこう心に誓う。「大角の分も」。そして彼らはコートに立った。 大角の穴を埋めチームを引っ張る大庭(文4)や、大きな声でムードを作り出す真鍋(営3)をはじめとする全員の活躍で、5戦全てをストレートで下し勝ち進む法大。「自分たちのバレーができた」(大庭)。満足のいく試合であった。 そしてベスト4をかけて臨んだ戦い。相手は前年度準優勝校の大商大である。しかし実力では劣らない法大は、1、2セット共に中盤までリードを奪う。流れはこちらに来たかに見えた。だが「ツメが甘かった」(真鍋)。ミスが続き、見えかけていた勝利は遠のいていく。結局セットカウント3−0。彼らの戦いは幕を閉じた。「力はうちの方が上だったが、ミスが―」と振り返る監督。「勝てる試合だった」。小泉の表情からは悔しさが滲み出ていた。 後輩達へ今大会をもってコートを去る4年生の言葉。「支えてくれた3年に感謝したい」(小泉)。「真鍋、松本(法3)など期待できる選手ばかり。頑張ってほしい」(大庭)。4年が去った後も核となる選手が残る法大。「壁を越えたい」。監督はそう語る。その壁を越えた時こそ先輩たちが果たすことのできなかった「優勝」の二文字が現実になる時なのだ。 (嶋田 多江子) 重量挙げ部 全日本インカレ5連覇ならず
12月7日、8日に行われた全日本インカレ。法大は5連覇を狙ったが宿敵・日大に敗れ、明大と同点の2位になった。「取れる階級で上位を取れなかった」ことが敗因だと平良監督は語る。表彰台に上がったのはわずか三選手。思うような結果を出せず、105kg超級を残して「優勝は厳しい」(平良監督)状況になった。 (小田桐 由紀)
重量挙げ部 驚異!3日で3kg!!減量術重量挙げは体重が勝敗を左右することのある競技である。選手は大会前の三日間で3kg減量するという。その減量法は「カロリーを減らしつつ、試合に必要な栄養素を確保すること」(虎石栄養士)である。個々の体質に合わせた減量が栄養士の下で徹底的に行われているのだ。これが3日で3kg減量術。重量挙げ部の勝利の影に、栄養士の力あり!
バスケ部 インカレ5位 実力無限大!!
1部5位として自信を持って挑んだインカレ。法大は目標であるベスト4を目指して戦った。 (高坂 知永) |