スポーツ法政 01’12月号

アメフト部 甲子園連覇へ 白木周作 最後の挑戦

 関東八連覇を果たし、法大トマホークスが10度目の甲子園に臨む。6年間の屈辱を乗り越え、昨年法大はついに頂点へと上り詰めた。始めて王者として立つ甲子園の舞台。エースUB白木周作(文4)が勝利へと導く。

エースUB


 「ようやくスタートラインに立てた」。関東八連覇を決めた白木は語った。これまで言い続けて来た「一つ一つ戦うだけ」という言葉の裏に、あくまで関東は通過点、甲子園という最高の舞台で最高のパフォーマンスをすることだけを白木は考えていたに違いない。  昨年は甲子園MVP。今年は関東リーディングラッシャーの称号を手にした白木。しかし、白木にとってそんな肩書きなど意味を持たない。自らが率いたチームが甲子園で勝つことこそが白木にとって最高の称号となる。 白木の走りは本当に一瞬だ。素早い走り出しから、QBのハンドオフを受け、ラインへと突っ込む。相手ディフェンスに合わせる隙を与えず、確実にゲインを奪う。一発の爆発力も兼ね備え、UBとしては十二分の役割を果たす。わかっていても白木のランをノーゲインに抑えることは不可能に近い。

最後の挑戦


 「常にシチュエーションを考えた走りをすることを心がけている」と白木は言う。チームの為に走った結果が関東リーディングラッシャーという結果につながった。  クラッシュボウル決勝・日体大戦では白木に相手の警戒が集中した。タイトに構える相手ディフェンスに白木のランは止められた。しかし、これこそ白木の本望であろう。相手の注意が自分に集中することで法大オフェンスチームはよりいっそう力を発揮できることを白木は確信している。「バックスの能力はみんなほとんど変わらない。みんなを信頼している」(白木)。そして、確信は現実となる。TB伊藤喜(法1)、中島(経4)、長村(法3)、そしてQB桑野(営3)がビックゲインを連発した。そしてこれまで不発だった桑野のパスまでもが猛威を発揮した。オフェンスのバイスキャプテンとして、チームが勝つための走りこそが白木周作の真骨頂なのだ。  「甲子園と言うのは特別な場所。あそこで負けたらこれまでやってきた意味が無い。自分たちの力を信じて4年間の全てを全力でぶつける」。白木の最後の『挑戦』に懸ける気持ちは半端ではない。12月16日、白木率いるバックス陣、そしてエースRB白木周作がフィールドを席巻し、甲子園はオレンジ色に染まる。

(武田 教秀)

Stop The KG!! 〜遥かなるエンドゾーン〜

 日体大を下し、関東八連覇を果たしたトマホークス。その原動力となったのが、ディフェンス陣だ。オフェンス陣が本来の力を発揮できず苦しんだ試合もディフェンス陣が踏ん張ることで勝利を重ねてきた。
 主将・DE小林(法4)が率いる学生最強DL陣は、素早いラッシュと強固なブロックで、相手攻撃陣にプレッシャーをか与え続け、何度もその攻撃の目をつんでいった。
リーグ戦MVP塚野啓(営4)、鷲井(法3)中井(法2)らで形成するLB陣「LB無しでは成り立たないので、頼りにしている」と主将・小林の信頼も厚い。素早いリアクションと激しい当たりで、法大ディフェンスをLB陣と共に引っ張ってきた。
 DLとLBの活躍でラン攻撃には圧倒的な強さを誇ったが、DBのパスディフェンスには不安が残った。今季はパスを決められてTDを奪われる場面もあり、甲子園ボウル連覇には、SF塚野裕(法4)を中心に立てなおしが必要となる。
 甲子園ボウルで対戦する関学大は、QB尾崎を中心に多彩な攻撃を仕掛けてくる。「個々の力もチームとしても、ものすごく強い」と主将・小林は関学大の印象をこう語ったが、「(関学大攻撃を)止める自信はある、というか止めなきゃ勝てない」と連覇への決意を固めた。法大ディフェンスが関学大オフェンス陣を抑えた時、甲子園連覇は見えてくる。

(高村 篤史)

キッカー 後藤大地に死角なし!

 「アメフトはあんまり好きじゃないんです。キックが好きなだけなんです」。キッキングチームの柱、K後藤大地(経4)は飄々と語った。
サッカー部出身という経歴を持つ後藤。昨年の甲子園でも堂々としたプレーを見せてくれた。高校時代からキック力と正確性には自信があった。後藤の魅力は安定したプレーにある。スコアリングキックはもちろん、状況に応じたグラウンダーキックやオンサイドキックはまさに精密機械だ。
 数々のキッキングのドラマを生んできた甲子園。「甲子園も楽しんでできれば緊張しない」と言う後藤。大好きなキックを楽しんでするだけ。後藤には甲子園の魔物など存在しない。


第78回 箱根駅伝 爆走王ラストラン 徳本一善

 学生長距離会No.1の徳本一善(社4)。しかし箱根駅伝においては必ずしも華やかな道を歩んできた訳ではない。多くの挫折や屈辱も経験してきた。エースの意地にかけて、そして誰よりも後輩の成長を喜び、チームの為に走ってきた徳本が4年間の集大成として箱根路をかけぬける。

厳しさ


 茶髪にサングラス。それが法大の頼れるエース・徳本一善のトレードマークだ。初めは何かと非難された。しかし、今ではそんなことを言うものは誰もいない。誰もが彼の実力を認めているのだ。  徳本の4年間を振り返ると、まずその華やかさに目がつく。今年の全日本インカレ・5000m優勝など、数々のタイトルを手にし、学生長距離界に敵無しとまで言われるようになった。しかしその影には、日頃の地道な努力が隠れていた。
 彼の辞書に”妥協”という文字は無い。普段の練習にも真剣に取り組んでいる。「高校の時と違って甘えが無くなり、よりストイック(禁欲的)になった」と言う。長距離種目では、精神面が及ぼす影響が大きい。たとえ実力があったとしても、気持ちで負けていれば、勝てる勝負にも勝てないからだ。しかし徳本には、その精神面での強さがある。それだけではない。競技に対する意識の高さ。常に強くなろうとする向上心。それらが、徳本の強さを支えているのだ。
 徳本の存在は、法大の長距離陣に大きな影響を与えている。誰もが彼を目指して練習してはいるが、彼のレベルに達する者はいない。強い者には弱い者の気持ちはわからないという甘えもあるのだろう。しかし徳本は力強く語る。「弱いものには強いものの気持ちがわからない。実力のある者は、弱かった時に大変な努力をしてきた。そしてその努力は、自分に甘い人間にはできないことなんだ」。弱くても意識を高く持ち、妥協しない者だけが強くなれる。強くなるだけのことを自らに課さなければならないのだ。徳本はそれを後輩達に体を張って示している。

箱根への想い


 徳本にとっては、今回の箱根駅伝が学生最後のレースとなる。それゆえ、今回の箱根にかける徳本の熱意は、今までの比ではない。「今年の箱根駅伝では、やれることは全てやって、万全の状態で臨みたい。この4年間にやってきたことを発揮するだけ。」その言葉からは、この4年間自らが築いてきたことへの自信と誇りがうかがえる。今年の箱根路に、徳本の4年間の集大成を見ることができるだろう。それは、素晴らしいものに違いない。
(外山 功)

注目!これが二年生カルテット!

 箱根駅伝のカギを握る男達―今年の法大にとって、彼らはなくてはならない存在である。「監督に期待されるようになった」と長嶺が言うように、4人に対する成田監督の期待度も高い。
 今シーズン、彼らは大きなケガも無く順調に練習をこなしてきた。12月2日、日体大のグラウンドで行われた10000mの記録会では、4人とも自己ベストを大幅に上回る好タイムでゴール。本番まで1ヶ月をきり、「今年もやってくれるのではないか」という空気が流れた。
 「距離に対する不安感がなくなった」(中村)と言うように、十分な練習量と経験による自信が彼らを成長させたのだろう。また彼らは、精神的にも大きな成長を遂げた。「強くなりたいと思い、より考えて練習するようになった」(坂野)。これは4人に共通して言えることである。いっそう高い意識をもって練習に取り組むようになったのだ。
 昨年に比べ、今年はチームとしてのまとまりがでてきた。調子の悪い選手を他の選手がカバーする。チーム全体に実力がついてきたのだ。彼らの成長が、チームを盛り上げたと言ってもよいだろう。
 特に黒田は、昨年に引き続き1区での快走が期待される。強い選手と走れば走るほどタイムが伸びるという、計り知れない実力の持ち主である。「昨年の結果に、満足することなく、区間賞を狙っていく」と強気な発言も飛び出すくらい、気合がはいっているのだ。  法大が勢いに乗れるかどうかは、2年生カルテットの活躍にかかっている。今年の箱根路で彼らの実力はどのくらい通用するのか。しかし昨年のと同様、私達法大ファンを楽しませてくれることは間違い無い。

黒田将由(社2)・・・166cm・46kg 岡山・玉野光南 10000m 28分37秒
長嶺貴裕(経2)・・・173cm・59kg 山口・萩高 10000m 29分28秒
坂野清志(経2)・・・170cm・52kg 愛媛・宇和島東 10000m 29分56秒
中村洋輔(社2)・・・178cm・62kg 神奈川・鎌倉学園 10000m 29分24秒

(中山 明子)


                  

雪辱へ向け再発進!! 法大ラグビー部

12月16日、第38回全国大学ラグビー選手権が開幕する。6勝1敗の2位でリーグ戦を終えた法大ラグビー部は昨年と同様、博多の森で開幕を迎える。9年ぶりの大学日本一を目指し、全国の強豪たちと激突する。昨季のリーグ戦、大学選手権決勝、今季のリーグ戦と三連敗中の王者・関東学院大への雪辱を胸に法大ラグビー部は険しいトーナメントに挑む。

無惨


 悪夢の40分間だった。FWが圧力をかけられボールを奪えない。「一言でいうならFWでやられました」(武村監督)。11月25日、秩父宮ラグビー場。関東学院大戦。法大は前半に15−8とリードを奪いながら、後半は自陣にくぎ付けとなった。10分に逆転、さらに17分に追加点となるトライを許した後はもう法大に逆転する力は残っていなかった。24分に駄目押しとなるトライを決められた後は足をつる選手が続出した。今季、こんな風景は見たこともなかった。走力が自慢の法大にとって、これは屈辱以外の何者でもなかった。試合後、主将・FL浅野(経4)はつぶやいた。「関東学院は強かったです」―――。

リーグ戦


 昨季、法大は大学選手権で準優勝。今季は日本代表候補のSH麻田(社3)、大学最強CTBコンビの渡辺(社4)・赤沼(経4)、快足WTB斉藤(経4)ら昨季からのメンバーが多く残り優勝候補にも上げられ、そのとおりにリーグ戦前半は快調に白星を重ねた。大東大戦こそ強風の影響でリズムがつかめず、後半38分に逆転トライで勝利ともたついたものの、次節の日大戦では法大の本来の持ち味である「展開」と「タックル」で快勝。次節に迫った宿敵・関東学院大との決戦に向けて期待が持てる一戦であった。しかしその関東学院大には15−32と敗退。しかも後半は0―24と完封されてしまう。「後半、先にトライを取れば流れが来ると思ったが、逆に取られて流れが向こうにいってしまった」(浅野主将)。武村監督も「後半は関東学院大FWの前に出る力に我慢できなかった」。

選手権へ


 法大は結局6勝1敗の2位でリーグ戦を終了した。関東学院大には敗れこそしたが、これで終わりではない。まだ大学選手権が残っている。組み合わせでは法大の初戦は九州・博多の森にて福岡大と対戦、2回戦は大阪・花園と遠征が続く。花園では復活を目指す西の才能軍団・同大と「赤い悪魔」帝京大の勝者と対戦する事となる。特に帝京大は昨季も2回戦、同じ花園の地で法大に悔しい敗戦を喫しているだけに雪辱に燃えている。また、昨季は関東学院大と決勝を戦ったにもかかわらず、今季は順当に行けば準決勝で再び関東学院大と顔を合わせることとなった。「1回戦から勝ち上がって東京に戻って来て、もう一度関東学院大とやりたい」(浅野主将)。昨季法大は関東学院大にしか負けておらず、特に昨季の選手権決勝では15−42と大敗し悔しい思いをした。現在3連敗であり、同じ相手には4度負けるわけにはいかない。ここではなんとしてでもリベンジを果たしたいところだ。決勝は対抗戦で11年ぶりの復活Vを果たした早大が勝ち上がってくる事が予想される。法大と早大はかつてラグビーに対する思想をめぐって対立した因縁の過去があり、その後の大学選手権草創期に「早法時代」と呼ばれた一時代を築いた相手でもある。また法大が過去3度大学日本一に輝いたときの決勝の相手はすべて早大であり、この対戦には興味深いものがある。

雪辱


 今後は一発勝負のトーナメント。もう負ける事は許されない。そう、本当の勝負はこれからだ。「炎の軍団」法大のリベンジロード、そして栄光のビクトリーロードが今、始まる。

(西岡 良修)

敗れなかった壁 11・25 関東学院大戦

 11月25日、関東リーグ戦の優勝を決める全勝対決、法大対関東学院大の一戦が秩父宮で行われた。法大はここまで順調に白星を重ね、万全の状態でこの試合を迎える。リーグ戦優勝を目指し、宿敵に挑んだ。
 前半、法大はPGで先制する。その後、トライを返されるが18分にFB還藤(経3)のトライで逆転。このトライでリズムをつかんだ法大は日大戦で見せたような激しいタックルやラックの連取で主導権を握る。32分にはWTB小滝(法4)のトライで突き放し15‐8と7点のリードで前半を折り返す。
 しかし、後半に入り王者関東学院大が徐々に底カを見せ始める。前半、あまり目立った動きをしていなかった相手のFWに激しく攻め立てられ、法大の防御網が次第にほつれていく。ラインアウト等のセットプレーでも思うようにボールを獲得できず、完全に相手のぺースに飲み込まれてしまう。10分に逆転されその後も点差を広げられ結局15−32で敗れた。
 試合後、N0.8浅野主将(経4)は顔に悔しさを滲ませながら「選手権ではこの点差をひっくり返した」と昨季から三連敗を喫した宿敵にリベンジを誓った。

(庄司 岳史)

 

優勝 氷上に吹き荒れたオレンジ旋風 スケート部

アイスホッケー部門・リーグ制覇


 12月9日、東伏見アイスアリーナに集まった大観衆の目の前で法大スケート部アイススケート部門はまた一つ大きな栄冠を手にした。関東大学アイスホッケーリーグ戦。わが法大は2次上位リーグ、自分たちのホッケーを貫き。最終戦を待たずに9年ぶりの優勝を決めた。

「自分たちの力を信じて勝とう」、田中主将は選手たちにこう言っていた。早大との直接対決。この結果で優勝が決まるビッグゲームで法大は「どんな相手、状況でもプレーを変えない」(石井監督)自分たちのホッケーを貫き、「最高の形」(斉藤コーチ)で9年ぶりのリーグ制覇を飾った。
 ゲームは1ピリ開始6分、千葉(法3)がノーアシストで先制ゴールを奪う。早大の猛攻を受けながらもGK・片山(法2)を中心に守ると2ピリ13分、同じく千葉が追加点を叩き出す。3点差以上の勝利が逆転Vへの必須条件で、最後まで攻め込んでくる早大に対し、法大は田中主将軸にひとつとなり、チーム全員で守り、そして勝ちにいった。
 今大会。1次リーグを全勝で折り返し迎えた2次上位リーグ。「打倒法政」、上位他3チームに厳しい試合を強いられ、「2次リーグの序盤、波が落ちた」(監督)。しかしその中で法大は、春を制した自信と築き上げてきた現チームのホッケーで、追いすがる明大、早大を突き放した。「コーチとして就任して8年、本当に感慨深い」(監督)。今まであと一歩で逃し続けてきた栄冠を、選手・スタッフ全員で手にし、東伏見は歓喜に沸いた。

(奈良輪 織恵)

フィギュア部門・本田NHK杯V

 11月29日〜12月2日、熊本県熊本市で行われたグランプリ(GP)シリーズ第6戦NHK杯で本田武史(法3)は日本人選手20年ぶりの優勝を果たした。この勝利で本田は、初のGPファイナル出場を決め、また、同時にソルトレイク五輪出場の切符を手にした。
 世界トップ2・ロシアのプッルシェンコとヤグディンの2選手が欠場した今大会であったが、本田は守りに入ることなく2種類のジャンプに挑み、ほぼ完璧な演技で表彰台トップに立った。


サッカー部 1部昇格 プロ撃破 あと1歩

 1部昇格ならず―。11月23日、法大は関東大学サッカーリーグ1部・2部入替戦で慶大に0−2で敗れ、1部昇格を逃した。また、11月25日から開幕した天皇杯では、2回戦で川崎F(J2)に0−1の惜敗を喫した。

1部への壁

 試合が動いたのは前半36分。法大はファウルで慶大にPKを与え、これを決められると、後半38分にはヘディングを押し込まれ万事休す。「1部と2部、これまで経験してきた環境の差が出た」(横谷監督)と1部への壁の高さを改めて痛感させられた。
 しかし、法大は最穂まで集中力を切らさなかった。エース石原(経4)、中村(社3)、田上(経4)、渡辺(社4)らを中心に全員サッカーで幾度も慶大ゴールを脅かした。主将・柳沢(社4)、勝負所での好セーブが光った守護神・為田(社1)らDF陣も奮闘を見せた。
 敗れはしたものの"絶対1部へ"という強い意志を見せつけた一戦だった。

新たな旅立ちへ


 入替戦の余韻が残る中始まった天皇杯。2回戦で川崎FにPKを決められ敗れはしたが、あと一押しというところまで追い詰めた。
「プロチームに本気を出させる事ができた」(大河・社4)ことは、大きな成長の証でもある。課題は「決定力がない」(監督)こと。来季、法大が更なる成長を遂げるための鍵になることは間違いない。
 また、この試合で4年生は引退を迎えた。横谷監督就任と同年に入部して来た今年の4年生に対し、監督は「本当によくがんばった」と誉め讃える。確かに活躍した選手を挙げようとすると、きりがない程である。そんな4年生の意思を受け継いだ後輩達が、来季の1部昇格を実現させるに違いない。
(大野 純一)


壁を超え次世代へ託すV バレー部

引退試合


 12月3日、主将大角(営4)不在のまま、4年にとっては最後の大会となる全日本インカレが開幕した。故障欠場の大角に代わり主将を任された小泉(法4)は、その重みをひしひしと感じながらもこう心に誓う。「大角の分も」。そして彼らはコートに立った。
 大角の穴を埋めチームを引っ張る大庭(文4)や、大きな声でムードを作り出す真鍋(営3)をはじめとする全員の活躍で、5戦全てをストレートで下し勝ち進む法大。「自分たちのバレーができた」(大庭)。満足のいく試合であった。
 そしてベスト4をかけて臨んだ戦い。相手は前年度準優勝校の大商大である。しかし実力では劣らない法大は、1、2セット共に中盤までリードを奪う。流れはこちらに来たかに見えた。だが「ツメが甘かった」(真鍋)。ミスが続き、見えかけていた勝利は遠のいていく。結局セットカウント3−0。彼らの戦いは幕を閉じた。「力はうちの方が上だったが、ミスが―」と振り返る監督。「勝てる試合だった」。小泉の表情からは悔しさが滲み出ていた。

後輩達へ


 今大会をもってコートを去る4年生の言葉。「支えてくれた3年に感謝したい」(小泉)。「真鍋、松本(法3)など期待できる選手ばかり。頑張ってほしい」(大庭)。4年が去った後も核となる選手が残る法大。「壁を越えたい」。監督はそう語る。その壁を越えた時こそ先輩たちが果たすことのできなかった「優勝」の二文字が現実になる時なのだ。
(嶋田 多江子)


重量挙げ部 全日本インカレ5連覇ならず

 12月7日、8日に行われた全日本インカレ。法大は5連覇を狙ったが宿敵・日大に敗れ、明大と同点の2位になった。「取れる階級で上位を取れなかった」ことが敗因だと平良監督は語る。表彰台に上がったのはわずか三選手。思うような結果を出せず、105kg超級を残して「優勝は厳しい」(平良監督)状況になった。
 昨年、法大は105kg超級で逆転し、4連覇を達成している。今年も105kg超級が終わるまで誰も望みを捨てなかった。しかし昨年の再現はならず、5連覇は夢となった。「すみません」。木曽川主将(営4)は全責任を負うかのように涙を浮かべた。無念の2位タイ。この屈辱をバネに、来年はV奪還を目指す。

(小田桐 由紀)

重量挙げ部 驚異!3日で3kg!!減量術

 重量挙げは体重が勝敗を左右することのある競技である。選手は大会前の三日間で3kg減量するという。その減量法は「カロリーを減らしつつ、試合に必要な栄養素を確保すること」(虎石栄養士)である。個々の体質に合わせた減量が栄養士の下で徹底的に行われているのだ。これが3日で3kg減量術。重量挙げ部の勝利の影に、栄養士の力あり!


バスケ部 インカレ5位 実力無限大!!

 1部5位として自信を持って挑んだインカレ。法大は目標であるベスト4を目指して戦った。
 初戦の天理大、続く早大と順当に勝ちベスト8入り。そしてベスト4をかけて日体大戦を迎える。敵の誇る強力なインサイドを抑えるが、外のシュートを次々と決められる。法大も澤岻(タクシ)(営2)、板倉(法2)の活躍で差を縮めるが、その後も相手のシュートが落ちずに惜敗。この時点でベスト4がなくなった。しかし「1部のチームとして、また、法大に負けたチームの為にも無様な試合は出来ない」(根間・法4)と残りの順位決定戦も大事にやろうと決意した。そして日大と拓大に圧勝。拓大戦では最後に4年生全員が出場し、ベンチと客席から「4年!」コールが起き、最高のムードで終了した。その結果、昨年の6位を上回る5位となった。
 法大は確実に強くなっている。しかもまだ発展途上中で、来季は更なる飛躍が望める。チームをまとめてきた主将の根間が言った。「チームはいい流れで来ている。力は絶対にある」。

(高坂 知永)


HOME