<5月14日更新>

国立で躍れ! ラグビー部

写真=法政の主将はオレだ!岡本孝司  昨季の大学選手権では、準々決勝で無念の涙を呑んだものの、リーグ戦では、関東学院大を破り優勝を果たすなど、今季にむけて確かな手応えをつかんだ法大ラグビー部。大西(現・横河電工)の後を受け継ぎ、今季の主将を務めるのは、2年時からレギュラーとして活躍し、チーム内での人望も厚いSH岡本(経4)。監督には、七年前、法大を学生日本一に導いた武村前コーチが再度監督として就任し、主将、監督ともに新体制で今季に臨む。

 「法政の主将というと、大西さんの印象が強いけど、そのイメージを壊したい。“法政の主将は岡本だ”という事をファンにアピールしていきたいですね」。

 主将としての意気込みをこう語る岡本。昨季の法大の快進撃を支えた第一列(鶴長、大西、笠井)が揃って卒業し、FWの弱体化が心配される今季だが、どのようなラグビーを目指し、チーム作りを進めていこうと考えているのだろうか。 「(FWが)小さくなる分、フィールドプレーにおいては逆に強化できると思います。去年を踏襲した形をベースに、FW,BK混ぜた展開力で勝負できればいいですね。とにかく、シーズンに入るまでは試行錯誤を繰り返して、自分たちの納得できるラグビーを目指したいです」。

 温厚な顔立ちとは裏腹に「無類の負けず嫌い」であるという彼、昨季の選手権で苦杯を嘗めさせられた早大に対しては、特別な思いがあるようだ。「どの大学も強いですし、もちろん全部の大学に勝ちたい。でも、やっぱりワセダには借りを返してやりたいです」と、負けん気の強さを覗かせる。

 そんな岡本主将が今季、法政ラグビーのテーマとして掲げるのが“キープ・ザ・ボール”。「常にボールを支配し、継続して試合を進める」という意味だ。これを成功させるには、法政伝統のランニングラグビーにどこまで磨きをかけられるかにかかっている。また、今季は戦術面の徹底も課題の一つとして挙げられる。「(去年は)戦法を、一つしか持っていなかった」と岡本が振り返るように、昨季のチームは、いつもの攻撃パターンが通用しない相手の場合、対応しきれなかった。それを露呈したのが選手権での早大戦。FWで押せない今季、臨機応変の多彩な戦術で、相手を翻弄することが求められる。  取材の最後に、岡本主将に今季の目標を語ってもらった。「最終的にはやはり学生王者ですけど、リーグ戦から一試合一試合を大切に戦っていきたい。その結果が国立、そして日本一へと繋がっていくと思います」。

 リーグ戦では優勝を飾りながら、選手権では二年連続の準々決勝敗退となった昨季。今季は、法大ラグビー部の真価が問われる一年となりそうだ。リーグ戦連覇、そして、念願の大学選手権制覇へむけ、岡本率いる新生法大ラグビー部の新たなる挑戦が始まった。

菊池 洋明
(写真=法政の主将はオレだ!岡本孝司)


日本代表候補・平塚

写真=平塚純司、199センチ、107キロ、秋田工出身  先日発表された日本代表候補豪州遠征メンバーに、我らが法大ラグビー部の輝く星、平塚純司(社3)が選出され、大学生では、昨季まで法大で活躍した笠井建志(現・東芝府中)、立命大の木曽一と並んでの快挙となった。代表入りの知らせを聞いたとき「(自分でも)ビックリした」という平塚。約二週間の遠征を終え、3月22日、凱旋帰国を果たした彼に話を聞いてみた。

 (日本代表は)雰囲気自体が全然違った。練習にしてもミスが一つもない。(その雰囲気に)はじめは戸惑った。」と、遠征合宿のことを振り返る。そんな彼をサポートしてくれたのは、同じ秋田工業高の先輩で日本代表のコーチを務める土田雅人コーチだった。「ミスを恐れず、思いきりやれ」と、土田コーチからアドバイスを受け、平尾日本代表監督にも「二十歳という年齢で日本代表となり、世界を実感できるのは恵まれている。若さを武器に頑張れ」と励まされた平塚は、徐々に日本代表独特の雰囲気にも慣れてゆく。平塚は、まわりの名だたる代表候補選手達から、あらゆるものを吸収していった。「(合宿を通じて)精神的にも肉体的にも大きく成長できたと思う」と、語る平塚。16日間の合宿でえた収穫は大きかったようだ。

 「日本一目指して頑張るので、応援よろしくお願いします」一回りも、二回りも大きくなった彼が、今季も法大の強力な戦力となることは間違いない。

菊池 洋明
(写真=平塚純司、199センチ、107キロ、秋田工出身)


西澤&阿部 私を五輪に連れてって!

 秋春連覇に挑む法大。今年は矢野(現横浜ベイスターズ)、福山(現福岡ダイエーホークス)らが抜け、打高投低と言われている。しかし打撃力は破壊力も層の厚さも六大学No1。その法大打線の核となる2人の男にスポットを当ててみた。

 1人目の男は西澤祐介(法四)。今年も一番打者として期待される法大の核弾頭だ。走攻守の全てが優れていて、特に50M6秒00の快足と遠投110M強肩を活かした守備は見ものだ。打撃面では好不調の波があるものの、昨春は打率・394でリーグ2位。ベストナインに選ばれ、夏にはIBA世界野球選手権の日本代表としてイタリアに遠征し、そこでも好成績を収めた。さらに今年は2月1日から12日間、プロ・アマ交流の一環として広島東洋カープのキャンプに参加。プロと身近に接した西澤は「プロの選手でも、しかもその中でも超一流と言われる選手でもたくさん練習するんだな、と思った。ただ考え方や取り組み方などは同じ野球人なのでそんなに違いは感じなかった」とクールに語った。彼の目に映ったプロの世界は決して遠いものではない。2月下旬にはシドニー五輪代表候補として豪州合宿にも参加したが、本人は「シドニーよりもプロでやりたい」と語った。「一番打者として心がけているのはとにかく『塁に出る』こと。今年の目標はもちろん優勝。個人的に具体的な数字はないが、とにかく優勝に貢献できるプレーをしたい。それが達成できれば、自然と数字はついてくる」。

 もう1人の男は阿部真宏(文三)。法大不動の4番打者だ。昨秋は首位打者と打点王の二冠に輝き、優勝に大きく貢献。その後、日本Jr代表に選ばれ、今年は阪神タイガースのキャンプに参加。「プロは体つきもパワーも全然違う」とよりレベルの高い世界を体感した。またシドニー五輪代表候補にも選ばれ、豪州合宿に参加した阿部は初の日本代表に「聞いたときはさすがに驚いた。Jrと代表とでは全然違うので嬉しい」と目を細める。さらに「オリンピックには出てみたい。日の丸をつけて戦いたい」と意欲を見せた。また、守備力にも定評のある阿部は今季から古巣のショートを守る。まさに法大には欠かせない存在だ。そんな阿部が目標とするのが米大リーグのA・ロドリゲス遊撃手(シアトルマリナーズ)。昨年、22歳にして史上3人目の40本塁打、40盗塁を記録した選手だ。阿部本人は「僕は決して長距離バッターじゃない。アベレージヒッターなんです。だから僕は4番向きじゃない。昨秋の2本塁打?たまたまです」というが、打席での姿には4番の風格が感じられる。また、阪神では平田コーチから守備を、そしてかつて「世界の盗塁王」と呼ばれた福本コーチから走塁を学び、全体的なレベルアップに取り組んだ。「昨年以上の成績を残して『力をつけたな』と思われるように頑張りたい。アピール点ですか?笑顔です。僕の笑顔を見に来て下さい」と笑って見せた。

 開幕を約2週間後に控えた3月28日に行われた青森大とのオープン戦。初回に1番西澤が出塁。盗塁などで二死三塁とし、4番阿部の中前適時打で1点を取った。まさに理想通りの形だった。リーグ戦でもこのような場面は多く見られれば、法大の連覇への夢が現実となる。

田尻 耕太郎

明るいムードで絶好調! 「今年こそやります!」

  

 毎年2部リ−グにおいて安定した強さを見せている法大サッカ−部だが、 1部昇格を果たす日はいつ来るのだろうか。そんな疑問の中、「今年こそ」の 期待を背負って99年の新チ−ムを引っぱる役目を任されたのが宮澤崇史(社4) である。桐光学園高出身で、ポジションはボランチ。的確な状況判断で流れを 変えるのを得意とする。しかしプレ−もさることながら、主将に任命されたのは やはりその明るさとリ−ダ−シップによるところが大きい。金田主務によると 「すごいケジメのある男で、満場一致で主将に決定した」彼にどんなキャプテンで ありたいかと尋ねると、「とにかく声を出してガンガン引っ張っていきます!」 と威勢のいい答えが返ってきた。これまでの法大は全体的に大人しいという印象が あった。

 しかし今年のチ−ムの雰囲気は「すごく明るくていい感じです。みんな 個性が強すぎてまとめるのが大変(笑)」とのこと。そんなまとめ役の宮澤に 「みんなから頼りにされていて素晴らしい。このままチ−ムを引っ張っていって くれれば法政の勝利は間違いなしです」と全幅の信頼を寄せるのがサポ−ト役の 副将・小出保広(経4)である。突破力があり、MFながらその優れた得点感覚に よりエ−スの期待がかかる。どちらかと言えば口数の少ないタイプで、インタビュ−中 も宮澤主将の言うことに静かに同調していることが多かった。そんな小出を宮澤は 「真面目で、何も言わなくても練習中の態度とかがみんなの手本になっている」 と語る。

 宮澤主将に今年のチ−ム目標を尋ねると、「春は総理大臣杯出場、秋は1部昇格です 今年は絶対、100%大丈夫です!」と言い切った。新チ−ムの特徴は「サッカ−に 対してみんなが頑張れるところ」だという。当たり前のことかもしれないが、大事な ことである。就任二年目を迎えた横谷監督のモット−は、「基本に忠実に」。この方針 どこまで選手達に浸透しているか。4月29日の関東選手権予選を皮切りに、総理大臣 出場に向けての熱い戦いが幕を開ける。

谷村 奈津子

◎ プロフィ−ル

宮澤崇史 A型
昭和52年6月3日生
桐光学園高出身
好きなタイプは細くて小さいコ

小出保広 O型

昭和52年5月29日生
徳島市立高出身
好きなタイプは奥菜恵


試練の春

 春季関東大学バレーリーグ戦一次リーグ

 平成11年度春季関東大学男子バレーボールリーグ戦1次リーグが5月8日に終了した。法大は7戦して1勝6敗の8位という不本意な成績で決勝リーグを迎えることとなった。

 今季の法大はどこか歯車がかみ合っていなかった。どの試合も中盤かなりの点差で離されたあと、粘り強く追いついてゆき、競り合いの末セットを落としてしまうか、リードしながらも詰めの部分で甘さを出し逆転されるというパターンが多く、勝ち星を逃し続け、精神面の脆さを露呈する結果となってしまった。

 メンバー的にも「レギュラーは固定できない(吉田監督)」と開幕前に言っていたとおり、セッター清水、レフト諸隈以外は完全なメンバー固定が出来ない状況。しかしリーグ中盤から終盤にかけて、2年生の大角、大庭、小泉が定着。1年生の真鍋、松本も出場機会が増え、下級生主体のチームへと変わりつつある。「1,2年生を入れてムードを高めようと思った(監督)」と言うとおり今季の法大は以前までのクールなイメージは薄れ、下級生が積極的に声を出すシーンが多く見られた。

 しかし、やはり下級生主体のチームに精神面の強さを求めることは出来ない。競り合いやつなぎの場面で焦ってしまう。経験の差で負けるゲーム。「黒星先行でみんな自信を喪失してしまっている」「このままでは本当に2部落ち。あとはどれだけ自分たちのペースをつかめるか・・・頑張るよ(両方とも監督)」と監督自身も自信を喪失しているようだ。

 今後の決勝リーグは3,4年生がいかに下級生に対抗意識を燃やすかが鍵を握るだろう。名門法政復活のきっかけだけでも見つけてほしい。

出崎 明子

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