藤井稔Vロードまっしぐら 野球部

写真=スポーツ法政99年10月号の1面写真  2季ぶり39度目の優勝が見えてきた。今季好調の立大を撃破し、残すは早大・明大戦。今春、早大に連敗という屈辱を味わった法大。リベンジを果す時は来た。3万の法大生諸君、今こそ神宮の杜に集うのだ。そして、みんなで山中監督の胴上げを見よう。

さあ天王山!集え神宮の杜へ

 藤井(文四)が熱い。東大二回戦では「ベストではなかった」と言いながらも初完投、初勝利。続く慶大二回戦では初完封と完全に波に乗った。そして慶大、明大、早大に7連勝中と、勢いに乗る立大戦。

 初戦「今季一番の出来だった」という安藤(法四)で負けてしまい、背水の陣で臨んだ一回戦。彼は見事に、2試合連続完封で期待に応えた。

打低の中… 打率・209。1試合平均得点3・2。明らかに春とは違う。3冠王の廣瀬(営三)、ベストナインの佐野(法三)、主将・小坂(営四)、石野(営四)の主力の4人が揃って故障で、本来の調子ではない。「廣瀬、小坂、佐野の故障が痛い」と監督も頭を悩ます。打撃の低下はなるべくしてなった結果であろう。しかしここで踏ん張ったのが、安藤、藤井の4年生投手。安藤は現在防御率2・18、藤井は0・67という好成績である。両投手のピンチでの粘りのピッチングには目を見張るものがある。

自信と強気 思い起せば今春の対早大戦。藤井は一死も取れずにノックアウト。これほど惨めなピッチングはなかったであろう。監督も「気持ちに弱さがある」と言った。そんな藤井が復調のきっかけを掴んだのは、なつのオープン戦。「北海道遠征から岐阜遠征にかけてピンチを乗り切る精神力、動じない粘りが身に付いた。特に岐阜での慶大戦で完封したのが“自信”になった」と藤井自身も言うように、ここぞと言うときの“自信”が彼を変えた。さらに鉄壁の守備陣が藤井を援護する。特に西澤(法四)、佐野、阿部(文三)のセンターラインは大学トップレベル。慶大二回戦での西澤のファインプレーに「あのプレーは大きかった。助けられました」と藤井。守備陣を信頼してのピッチングは“強気”という言葉がピッタリ。春に監督が懸念した“気持ちの弱さ”は克服した。

最後のヤマ 慶大戦に勝った時点で「うまく調整して立大に勝って早大戦」と藤井は言った。確かに立大戦は苦しんだ。しかし最後のヤマが残っている。監督も「ここで負けては早大を援護しただけ。春に負けているので、挑戦という意識を持って戦いたい」と静かに闘志を燃やした。まさに天王山。ここで六大学最強の打撃陣が黙っているはずがない。立大三回戦で4点差をひっくり返した打線には底力がある。自分たちの力を信じて確実に得点していけば必ず勝てる。なぜなら藤井が抑えてくれるのだから……。

(写真=法政の主将はオレだ!岡本孝司)


今年も安泰!V6か?アメフト部

 9月4日に開幕した関東大学リーグ戦も中盤にさしかかった。

 法大は現在、桜美林大、関東学院大、中大を下し三連勝中。予想通りの快調な滑り出しを見せている。

 残る明大、早大、日体大との試合を控えプレーオフ進出はもちろん、命題の甲子園ボウル制覇に向けて熱き戦斧は振りおろされた。


桜美林大戦 初戦、桜美林大との試合は5年連続関東王者の貫録を見せつけ法大が大勝。昨年とはうって変わって、爆発的な得点力を発揮している。

 QB木目田(営四)は従来のオプション攻撃に加えて、積極的にパスも展開。昨季のラン中心の攻撃から、今年はパスもある新しい攻撃イメージを印象づけた。RB陣もエース井出(文四)を筆頭に、薄衣(文三)白木(営四)ら9人を投入。ランだけでも385ヤード獲得し好調。守備もDL陣が相手QBにプレッシャーを与え続ける結果となった。

関東学院大戦 二戦目、関東学院大戦では攻撃力が爆発。合計12TD、86点を挙げる結果となった。守備もインターセプトやファンブルリカバーなど随所で好プレーを見せ、攻撃陣に好フィールドポジションを提供し続けた。キッキングゲームでの集中力・爆発力も目を引くものだった。

 後半は攻守とも若手の起用が目立ち、2TDを許す結果となったが攻守蹴、ともに圧倒した試合内容となった。

中央大戦 三戦目、中央大と対戦し、前半まで同点、肉薄した展開となった。しかし後半第3Qで木目田が自ら走りTD、第4QではUB堀田(営四)が負傷からの復活をアピールするTDを挙げ、中大を突き放した。だが課題の残る試合内容に主将の丹司(経四)は「自分たちの実力がわかった。甲子園に行ったとしても、今回の試合でわかった気がする。満足できていた点も更に見直し、がんばりたい」と感想を述べた。

 残り三試合は上位チームとの対戦となる。リーグ戦全勝、プレーオフ進出、そして悲願の甲子園ボウル制覇のため、法大トマホークスは並々ならぬ気迫に満ちていた。


自信を持て!バレー部

 7月1日から4日まで行われた東日本インカレではベスト8という不本意な成績に終わり、そのため我が法大は早くから合宿を始め、弱点の強化に努めた。そして、秋季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦が9月12日から開幕した。予選リーグ終了時では7位と苦戦を強いられているバレー部だが、二季連続入れ替え戦を経験した悔しさをばねにして、今季はチーム一丸となって雪辱を晴らしてほしい。

 7月1日から4日間に渡り行われた東日本インカレでは「諸隅(営三)がユニバ出場、小泉(法二)がケガの民に出場できなかったこともあり、畑田(営一)を起用した。若手中心のチーム」(吉田監督)だったが、本来の力が出しきれず、ベスト8止まりとなった。

 そして、9月12日にスタートした秋季1部リーグ戦。予選リーグが終了した10月3日の時点で、法大は同じ2勝5敗で並ぶ順大にセット率で負けているため、前季同様7位の位置にある。

 今季の法大は「一人一人の調子は悪くないが、チーム全体では力が出しきれず結果が残せていない」(吉田監督)。「プレーが消極的になりがちで、元気がなく、空回りしてしまっている」(鈴木主将・営四)。さらに7試合中5試合は1セット目を先取するが、2セット目以降、イージーミスから崩れてしまうケースが目立っている。

 今季のチームは下級生中心な為、経験不足で荒っぽいプレーも度々見られる。「プレー面ではブロックとスパイクの強化。精神面での意識向上、意識改革」(鈴木)、「今、諸隅頼みだからセンターを強化して、バランスをとる」(監督)と具体的な改善策があげられ、せんたー大角(営二)らへの期待が高まる。

 リベロの山田(営二)をはじめ、その他下級生のパワーあふれる元気なプレーでマークのきつい諸隅をカバーしていくことができれば、これからの決勝リーグ、さらには12月1日から行われる4年生最後の大会であるインカレで、低迷している今の法大から脱することができるのではないだろうか。今後の法大バレー部に注目したい。


1部昇格へいばらの道 バスケットボール部

 "1部昇格"――昨年、入替戦で涙を飲んだ法大の悲願である。しかし、今年もその夢は絶望的となってしまった。残る希望は4位以上が出場できるインカレのみとなってしまった。なんとしても意地を見せてほしい。

 リーグを二戸主将(法四)は「自分たちのリズムの時はいいが、崩れると歯車がかみ合わない」と振り返った。その言葉の通り、自分たちのリズムになると、法大は強かった。駒大戦の大差での連勝、早大の10点ビハインドからの9本連続3ポイントシュートでの大逆転勝利がその典型である。

 しかし、その一方で早大戦、順大戦、関院大戦のように初戦に良い勝ち方をしていながら、2戦目を落とすケースが目立つ。そのいずれもが、集中力を持続できずに自滅した試合であった。

 また、開幕戦の上武大戦のようにリバウンドが取れず、リズムに乗れないまま敗れた試合もあった。今年は192cmの野尻(営一)や198cmの森(法一)を加入させるなどチームの身長を高くし、リバウンドを重視していた。

 まだインカレ出場の望みは残っている。選手達も目標をインカレに切り替え奮闘している。

 リーグを通し、梅津コーチは怒りを抑えつつ「五人でやろうという気持ちがない」と何度も言っていた。五人が団結し、発揮させれば、きっとインカレへの道は開かれる。


最下位低迷 かつてない危機 サッカー部

 法大サッカー部がかつてない危機を迎えている。春の関東選手権、新人戦は共に予選敗退の不本意な結果に終わり、打開策を見出せず突入した秋季2部リーグ戦では第4節を終了した時点で3敗1分。現在、勝ち点で最下位に低迷している。

 初戦、「横山(早大)がうまい」と宮澤主将(社四)が危惧していた通り、早大のエース・横山聡にロングシュートを叩き込まれ、0−1の痛い黒星スタートを切った。続く第2節では、今年都県リーグ(*2部リーグの下)から昇格してきた格下である流経大に2−2で引き分け、第3節の青学大戦では開始直後に先制したものの追いつかれ、結局逆転負けを喫した。そして「全員がよくなかった」(宮澤)東農大戦では続けざまに大量4点を取られ、法大は久野(社四)が1点を返すのがやっとだった。「集中がフッと切れる時に点を取られてしまう。」と小出副将(社四)はこれまでの戦いを振り返る。優勝が遠ざかった今、「とにかく一つ一つの試合に集中してやるだけ」(小出)という法大の長い低迷期はまだ出口が見えないでいる。


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