野球部 涙のV逸

スポーツ法政99年11月号の1面写真  立大の18季振り1 2度目の優勝で幕を閉じた東京六大学野球秋季リーグ戦。法大はリーグ戦中盤の激しい首位争いの中で早大、立大から勝ち点を挙げ、そのまま優勝するだろうと誰もが疑わなかったのだが…

最後に・・・  99年秋季リーグ第7週。法大にとっての最終週を迎え、勝ち点を落としていないのは自分達だけ。この明大戦で勝ち点を奪いさえすれば、山中監督が宙に舞っているはずだった。しかし、選手達がうつむき涙を流しながらベンチに引き上げた数分後、グラウンドで歓喜の涙と共に宙を待ったのは立大・手島監督であった。

春は予期せぬまま早大に完敗し、その悔しさを胸に挑んだ8月の岐阜トーナメントでもまた決勝で苦汁をなめさせられた。「秋こそは…」。全員が強い想いを抱き、リーグ戦は始まった。  しかし、開幕してみるとチームは万全も状態とはいい難かった。春の3冠王・廣瀬(営三)、外野の要・石野(営四)らを故障で欠き、主砲・阿部(文三)は全日本で遠征中と、足並みがそろわない。さらにエース・安藤(法四)も右ヒジ痛が完治していないまま。またここにきて、春は爆発した打線が沈黙してしまった。「消極的」「かみ合っていない」試合では勝っても主将・小坂(営四)の口から出てくる言葉はいつも不振を嘆いた。それでも主将としての役割を果たすべく、小坂は天王山といわれた立大、早大戦で自ら安打を放ち、チームをグイグイ引っ張った。しかし何とか乗り越えていたチームは最後の最後で力尽きた。何か張りつめていたモノがプツンと切れた…。

記録とプレッシャー  ここ2,3年の4年生、特に主将は皆同じ言葉を口にする。「自分のときだけ優勝できないのは嫌」−山中監督が就任してから5年。毎年優勝という記録が続けば続くほど、最上級生の4年生を始めとする選手たちには年々大きなプレッシャーとなってくるのだ。今年の4年生は「法政で野球をしたいという気持ちで入学した者ばかりで、4年間よく努力していた」(監督)だけに、知らず知らずのうちに大きなプレッシャーがのしかかっていたのかもしれない。

 記録が続くということは、それと同時に後の代へプレッシャーがつきまとう。『記録』が途切れた今、来季へ向けて法大野球部は新たなスタートを切った。今季立大戦から1番打者に定着し、「やらしい」打者を目指す廣瀬を新主将として、阿部、佐藤隆(法三)、前嶋(文三)ら最上級生を中心に、新人戦優勝の1,2年生も含め層の厚い、経験豊かなまた新しい『記録』を創り出してくれるだろう。

(玉木 陽子)


ラグビー部 巻き起こせ!オレンジの嵐

SO川合の写真  今季の関東大学リーグ戦、昨季の覇者・法大が不振にあえいでいる。現在、法大は3勝3敗。大学選手権の出場権をほぼ確保してはいるものの、選手権で活躍するためには早急な立て直しが不可欠だ。復活を期し12月4日のリーグ最終戦、関東学院戦には王者・法政の意地をかけて臨む。

厳しい道のり  初戦の山梨学院戦を圧勝しリーグ戦連覇へ向け順調なスタートを切った法大だが、続く第二戦「前半戦のヤマ場」であった大東大戦でまさかの惨敗を喫する。その後、格下・専大、中大を相手に連勝、勢いに乗りかけるものの第五戦の日大戦でまたしても大敗。痛すぎる2敗目を喫し、この時点でリーグ戦連覇はほぼ絶望的となる。

 「自分達のやりたいこと、法政のラグビーが全く出来ていない」(武村監督)「接戦になると集中が切れてしまう精神面の弱さがある」(岡本主将)。戦力的には、リーグ戦優勝を飾った昨年のチームと比べても遜色ないにもかかわらず、結果が出ない。昨年からは想像も出来ない現状に、監督、主将ともに戸惑いを隠せないでいた。

復活の兆し  「もう、こうなったらやるしかない。開き直っていく」岡本主将がそう言って臨んだ第6戦、低迷する法大に転機が訪れる。相手は、関東学院と互角にわたり合い、その勢いで日大を撃破するなど今季絶好調の流経大。これまでの法大であったら大敗が予想された。

 ――結果は22―27の惜敗。勝利を逃しはしたが、内容は決して悪いものではなかった。集中が切れることの多かった後半をノートライに抑えた事、そして何より選手達に勝利への気迫が戻ってきた事はこの試合の大きな収穫となった。「本当だったら勝ってるゲーム。肝心な所でのミスで負けたけど今までで一番良い内容だった」3敗目を喫したにもかかわらず武村監督の顔に悲壮感はない。「兆しは見えてきた。勝つためのラグビーをもう一度見直したい」岡本主将も手応えをつかんだ様子だった。

いざ、決戦へ  19日からは石岡へ合宿に入り最後の調整を行う。関東学院戦には今までの全てをぶつけるつもりだ。「ここまできたら法政の意地を見せるだけ」(SH岡本)「昨年の王者の意地で絶対に負けたくない」(SO川合)。12月4日のリーグ最終戦、秩父宮で大学ラグビーファンは、大番狂わせ、そして選手権での新たなる伏兵の出現を目撃することになるかもしれない。

(写真=専大戦で相手を振り切り疾走するBK陣。ボールを持つのはSO川合)


陸上部 箱根駅伝連続出場へ

 第76回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会が、10月24日大井埠頭周回コースにて行われた。法大は坪田ら上位10名が安定した走りを見せ、総合2位。合計タイム10時間15分8秒の法大新記録で本選出場権を手に入れた。

 「会心のレースだった」と渡部監督は振り返るように、ブレーキの全くない完璧な内容での出場権獲得に、結果発表前から関係者には笑顔があった。

レースは予想通り序盤から平成国際大の外国人2人が引っ張る展開。そこにエース坪田、徳本らが追走し、その他の選手達も前半から納得の走りをした。

試合前の下馬評では、上位4校は当確で法大はボーダーライン上であったが、結果は帝京大に続く2位。この夏でのチームのレベルアップを印象づけた。

 この日の好走には成田コーチの存在がある。今年からコーチに就任し、つきっきりで選手達に指導を行ってきた。「コーチが来て相談できるようになり、精神的に成長した」と坪田主将が語るように、肉体だけでなくメンタル面での改革を行った。この日の選手達の表情を見ると、その効果が出ているのだろう。この予選会で来年のシード権はもちろん、それ以上の結果を出す力が備わっていることを証明して見せた。

 法大陸上部が現時点で、正月の楽しみに成り得るチームなのは間違いない。


アメフト部 プレーオフ進出!

 9月4日に開幕した関東大学アメリカンフットボール1部リーグ戦も終了し法大属するAブロックは法大が全勝で1位。続く2位の中大も法大とともにプレーオフ進出を決めた。

早大戦  昨年初戦ではまさかの敗戦を喫し、その雪辱を晴らしたい法大は第一QにK井川が21ヤード地点からのFGを決めて先制。第二Qも開始直後にTB薄井がランTDを決め、10分43秒にはQB木目田が自らキープしてTDを決め前半を終了した。後半も第四QにUB堀田、小高らがTDを挙げて試合を決めた。守備も早大の攻撃陣を完全に封じ、昨年の雪辱を晴らした。

日体大戦  日体大戦は予想外の展開。前半リードしていた法大だが、後半第四Qに日体大の2TDで逆転される。しかし残り55秒でTB井出が逆転のTDを決め、辛くも勝利を手にした。

 試合後、大森監督は「今日みたいな試合内容だったら、プレーオフ進出は難しいね。接戦のゲームで精神的に強くなって欲しい」と感想を述べた。主将の丹司は「納得のいく結果にならなかった。練習通りの結果を出せるように頑張りたい」と語り、副将の阿部も「いい薬になった。このままでは甲子園にいけないと思った」と表情を引き締めた。なおBブロックは日大と帝京大がプレーオフ進出を決めている。


法大バレー復活へ

関東大学秋季リーグ戦の全日程が終了した。予選リーグ7位と思うような結果が残せていなかった法大バレー部であったが、決勝リーグに入り3連勝し、最終順位は5位。復活の兆しが見えてきた。

 今年に入り結果が残せていない法大バレー部。秋季リーグに入ってからも予選リーグ2勝5敗で7位。「良いときがあっても崩れてしまうとダメ」(吉田監督)「下級生が多い割に元気がイマイチ」(清水)と、チームはプレーもムードも低迷中であった。だが、決勝リーグに入って一転。青山、畑田らが成長、「誰が出ても遜色ない全員バレー」(監督)で順大、筑波大、国武大を下し最終順位5位で秋季リーグを終えた。


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