第332号 1面記事 才能溢れる男達が演出した2冠物語は終りなく続く 決勝前夜、ホテルの廊下を痛々しいほどに足を引きずる曽山(政経2)の姿があった。準決勝で負った左大たい部の筋断裂。「明日は痛み止めを打ってでも絶対出る」。何かに駆り立てられるかのように言った。まともに歩くこともできないのに何故――。 勝利の原点 昨年、7季ぶりのインカレ優勝を果たした本学、次もいける!!そう臨んだ翌春の関東選手権。しかしチームは思わぬ惨敗を喫する。「インカレはフロックだったんだ」。アリーナに広がった屈辱的なため息と冷笑。周囲は王者に絶対的な強さを求め、勝ち続けなければ納得しない。最もシンプルで最も難しい課題。ただし、答えが出るまでに、そう時間はかからなかった。秋のリーグを圧倒的な力で8季ぶりに制す。打って、走って、当たる。本来のホッケーに徹した結果だった。 伝説の過程 03年一月、インカレ決勝の相手は昨年と同じ法大。早大・東洋大と強豪校を撃破して勢いに乗っている。静かに始まった第一ピリオド、その勢いを前にしても本学のペースは崩れない。そして、ここから怒とうの第2・3ピリオドが幕を開けた。 飯村(商3)に先取点を奪われたのを機に、眠りかけていた法大が目を覚ます。一気に2−1まで逆転すると、その勢いはスタンドにまで飛び火する。法大びいきの地元少年達の「法大!!法大!!」という声に乗り、明治ゴールをめがけて突っ込んでくる。飲み込まれそうな空気を打破したのは先制弾も叩き込んだ飯村だった。さらに、石岡(政経1)が続く。3点目、4点目と追加点を奪うと、腕を大きく振りながら、所狭しとリンクを駆け回る。流れは完全に明治のものになっていた。最終スコアは5−2。実力で押し切った連覇だった。 パックを追いかけてフェンスに突っ込んだ鈴木(雅・政経1)が続く。最後まで誰よりも大きな声で「集中!!」と叫び続けた川村(政経4)。ケガを押して出場した曽山はベストDF賞に選ばれる活躍を見せた。絶対に試合に出る。絶対に勝つ!その意味は――。 「去年はまぐれって言われた。でも連覇したら誰も文句言えないでしょ」(曽山)。 現在と未来 伝統校と呼ばれる明治。かつて黄金時代を築いた先人が未来へ種をまいた。やがて、その種も大きく育ち新たな常勝伝説を始める。一連のストーリーに終わりはない。来季から副将を務める木元(政経3)が語った。「強い明治があるから、入りたい子が増える。それが伝統校なんだと思う。そういう風に下が続いたら嬉しい」。[穴井佑]