第335号 1面記事 準硬式野球部 完全制覇 全員野球ここに結実 真の結束力の果てに グラウンドに熱い風が吹いていた。「何点取られたって追い付ける!!」(太田垣・政経3)。法大2回戦、破壊力抜群の打線はこの日も逆転劇を演出。遂に王者をも破った男達は、悲願のVへ一気に王手を懸けた。だが「まだ終わってないよ」(永田主将・政経4)。03年春。生まれ変わった明治の真骨頂は、まさにここからだった――。 進撃の裏で 過去8年間で7度優勝、春の王者・法大。開幕前、この難敵を倒すため明治は“全員野球”の道を選んだ。「ベンチまで含めて皆で戦おう!!」(永田主将)。サブの選手には事情を説明、その上で役割を与える。「気分を切り替えて代走に打ち込めた」(岩淵・商3)。活気を増していくベンチ。だが“最初から皆でやろうなんて気でいたら勝てない”。レギュラー陣は違和感を隠せなかった。チームに生まれた微妙な温度差…。しかし「いろんな色が重なったらチームの輪は大きくなるから」(永田主将)。異論を押さえ付けたりはしない。「何にも縛られることなく自由にやれた」(太田垣)。一見団結とは無縁に思える環境が、レギュラー陣の本来の力を引き出していく。開幕の早大戦ではつまずくものの「あれで皆の目の色が変わった」(神山・政経4)。勝利への情熱を一点に向けた男達は、次々と接戦を物にしていった。 受け継ぐ力 7連勝で迎えた決戦・法大3回戦。絶好調のベンチに衝撃が走った。先発予定の仲山(商2)の右肩が突然の悲鳴を上げる。球場を包むざわめき…。だが「こんな時こそ俺達で頑張ろう!!」(北野・法2)。チームを救ったのは中継ぎに徹してきた男達の熱投だった。初回に2点を奪われリードを許すも、その後無失点の完璧なリリーフ。「出られない奴は苦しかったはずなのに…」(永田主将)。地力で上回る王者が、陰の主役達の気迫に押されていた。 7回。飯盛(いさかり・文4)のバットに、魂は乗り移る。曇り空を切り裂いた打球は起死回生の逆転弾に――。「ウォオー!!」。ベンチの盛り上がりは最高潮に達した。そして8回、4人目のマウンドに上がったのは仲山。「肩?痛かった。でも何もせんで終わるのもなあ…って」。思いをつなぐと9回、ついにエース柳野(営2)が登場。「前の4人の頑張りに応えるのは当然」。エースのプライドと優勝への情熱が重なった瞬間、もうそこに敵はいなかった。 真なる強さ 試合終了――。紫紺の嵐が吹き荒れる夕空の下、勝利の瞬間を待ちわびた男達の歓喜の輪が、マウンドに広がっていく。天にこだまする雄たけびはどこまでも響いた。「皆考えてることは違う。でも、だからこそチームで勝ってこれた」(中川・営3)。向上心を持ち続けた者と、己の役割を全うした者。手にした大旗は、全員野球結実の証に他ならなかった。【箕田拓太】