第一回 第二回 第三回



 明治を象徴するもの、それはまぎれもなく"重戦車"という代名詞を持った男達。昨今その力強さは影をひそめてしまった。重戦車の一員としてプレーしていた小村ヘッドコーチ。最強を知っている男は今のFWをどう立て直していくのか――。


 ――小村ヘッドコーチが主将を努められていた頃と現在のFWの働きの違いは?

 昔はスクラムがどんだけでも押してもよかったんだよ。それがルール改正によってあまり押してはいけなくなった。だから高校の時点でスクラムの練習をしなくなってしまった。大学に入ってまたスクラムを1から教えなければいけない。ここ何年か体の大きい選手が入ってきてはいるが、スクラムがうまくいかない。高校での選手の見極めが難しいね。

 ――ではその中でも今のFWはどうしなくてはいけない?

 昔のFWはスクラム中心だったがこれからは第一列もパスを出さなければならないし走ったりできるようにならなければならない。もちろんスクラムもおろそかにはできない。

 ――去年までFWの足が後半から止まってしまう場面が見られたが 今年はフィジカル面はどうしているんですか?

 法大戦も足が止まってしまった。春はオープン戦の前も調整せずにフィジカル面も強化している。

 ――法大戦、FWはどうでしたか?

 法大戦は組織的にではなく個々で抜かれていた。スクラムも押され、マイボールをうまく出せない場面もあった。

 ――これからのFWはどういった役割を果たしていかなくてはいけませんか?

 スクラムは前5人ではなく8人で押すことを意識づけなければならない。だが押せるスクラムは厳しいからマイボールは100パーセント獲得できるように、相手ボールはどこまでコントロールできるかを焦点にする。今の学生は前に言ったことをすぐに忘れてしまうから体で覚えさせていく。

 ――今年もモール中心の攻めになるんですか?

 去年はそれしかなかったからなぁ。今年は押すところ出すところの裏表をきちっとすると考えている。モールは一つのオプションに過ぎない。

 ――伝統という意味ではやはり明治はFWですか?

 昔の重戦車と呼ばれていた頃みたいにすごい選手はいないが一つずつ教えていく。清宮さんが2年前に早稲田についたとき、マニュアルをつめていった。2年間でそのマニュアルは選手達に浸透していった。うちはそれを打ち崩す力がない。一緒に点を取り合っても2年かけたものには勝てない。DFの能力で対応していかなくては。神戸製鋼がサントリーにそう戦ったように明治は早稲田にそう戦わなくては。個々の能力が組織をいかに突き破るかが今年のポイントだ。

[構成 加藤雄一郎]