『この雨を越えて…』

 「悪い面を完全に露呈してしまった」(西コーチ)。6月14日、激しく雨の降りしきる中行われた第35回全日本大学駅伝予選会。この日の空模様と同じように、明治には暗い影がさしていた。1・2年生を中心に構成された若いチーム。無論経験は少ない。大会独特の雰囲気が彼らを襲う。それに加えて、試合前から全員のコンディションは決して満足のいくものではなかった。「その日、無理だと分かっていて出した選手もいた」(西コーチ)。選手層が薄い分固定選手に頼らなければいけない現実。そして、何より目立ったのが「レース中、立て直しがきかない。粘れない」(西コーチ)。全員の基本的な体力不足が浮き彫りになった。結局予選会20校中17位と昨年より順位を1つ下げる結果に。力を発揮できぬまま、多くの課題を残す形となった。その日は大会後も雨が降り続き晴れることはなかった。

 「生活サイクルの見直しが、必要だった」(西コーチ)。大会が終り、ただの悪夢から一つの経験へと変化させなければならない時期にきていた。食事、睡眠、練習後の体の手入れ。"自己管理"を通じて自分達を見つめ直し始めた。そして迎えた、日本インカレ。その日は7月というのに比較的気温は低く、ハーフマラソンは早いレース展開となった。その中で武藤主将(政経4)は1時間5分37秒と健闘。5000mでは幸田(政経2)が、体調が万全でないにもかかわらず14分35秒69の23位とまずまずの走りを見せた。自分の生活を見直すことで、高まる精神力。夏に向けて明るい兆しが見え始める。

 これからどれだけ飛躍できるか。そのカギは8月から始まる夏合宿にある。夏にどれだけ力を付けたかで、今後大きく伸びるものは伸びる。そのためにもまず、厳しいトレーニングに耐えられる体力をつけなければならない。確実に練習をこなせるかがポイントとなる。「夏にしっかりと土台を作り、距離に対する不安を無くしていくことが大切」(武藤主将)。箱根予選会のコースは20km近く、更に上り下りが激しいため、スタミナが最も重要となってくる。「合宿で厳しいトレーニングに耐え、こなす。そうすることで走る力は自然と付いてくる」(西コーチ)。

 箱根予選会まであと3ヶ月。「後輩には、それぞれの課題を克服し、自分から努力できるようになって欲しい」。武藤主将は静かにそう語った。夏の間、明治がどう"化ける"か。進化の時はもう、すぐそこまできている―。 [本紙競走部担当 下氏香菜子]
 全日本大学駅伝予選
1組18入山(営3)30分56秒40
36青田(文1)32分13秒52
2組 22田中(法1)30分55秒81
33山下(文2)31分45秒58
3組 14武藤主将(政経4)30分25秒05
36岡本(政経1)31分29秒10
4組 35池邉(商1)31分06秒61
39幸田(政経2)31分46秒55
オープン 17中尾(文4)31分21秒83
20杉山(政経2)31分25秒1
総合 1法大 4時間01分48秒03
17明大 4時間10分38秒62
※各組20校から40人出場。距離は1万m。
※総合は1〜4組の合計タイム。
 日本インカレ・長距離陣の成績
5000m 1橋ノ口(山梨学大)13分56秒08
23幸田(政経2)14分35秒69
ハーフマラソン 1中井(東海大)1時間04分25秒
24武藤主将(政経4)1時間05秒37