第80回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会
 日付:2003年 10月18日
 場所:神奈川県箱根町芦ノ湖 16.3km

 チーム順位  1位 法 大  8時間37分50秒
 2位 亜 大  8時間38分07秒
 3位 神 大  8時間38分16秒
 4位 帝京大  8時間38分57秒
 5位 東農大  8時間40分57秒
 6位 関東学大 8時間40分56秒
 7位 早 大  8時間38分16秒
 8位 城西大  8時間43分05秒
 9位 国士大  8時間44分21秒

 12位 明 大  8時間45分28秒
 ※上位9校は来年の箱根駅伝に出場
 ※7位以下は関東インカレのポイントを引いたタイム

 個人成績
 47位  幸田(政経2) 51分55秒
 59位  岡本(政経1) 52分04秒
 77位  池辺(商1)  52分20秒
 90位  田中(法1) 52分33秒
 96位  武藤(政経4) 52分36秒
 118位 青田(文1)  53分04秒
 123位 尾籠(文1)  53分08秒
 130位 大桃(政経3) 53分12秒
 133位 藤森(理工3) 53分16秒
 162位 入山(政経3) 53分52秒
 213位 山下(文2)  55分21秒

   『箱根にかけた4年間』

 明治の12年振りの箱根出場はまたも夢に終った。結果は12位。去年の16位と比べると大きく飛躍したように見える。しかし選手の目には涙が溢れ出ている。その中でも一際武藤前主将(政経4)の悔し涙がにじんでいた。メンバー中、唯一の4年生の武藤にとっては箱根に出るラストチャンス。箱根に対する思いは誰よりも強かった。

 大学進学のさい、武藤は付属である国学院や箱根駅伝常連校からの誘いを断り、あえて明治を選択した。「やらされているより自分からやるという印象かな。自分の方向性をいかせるチームだと思った」(武藤)。しかしその期待とは裏腹に自由がゆえにばらばらになりがちな練習。チームメイトも中々練習に来ず、そこには箱根を本気で目指そうとする姿勢が感じられなかった。だがそんな環境に転機が訪れる。2年の夏、西コーチとの出会い。現役時代、箱根駅伝に4年間連続出場、実業団駅伝でも活躍し、指導者としても今年の箱根駅伝で3位になった日大の基盤を作り上げた西コーチの就任が武藤だけでなく、他の選手の意識を大きく変えた。それぞれの先取の個性を生かすよう的確に指示し、自ら進んで練習に取り組んでいく体制。そして何よりも実績がある人だから信頼してついていける。これこそまさに武藤が望んでいたものだった。さらに西コーチをしたい全国から有望な選手が集まるようになり、チームのレベルも着実に上がっていった。
 去年の箱根予選会。直前に、度重なるアクシデントに見舞われコンディションは最悪だった。それでもチーム2位の100位に入り関東学連選抜に選ばれた。しかし本戦では補欠で走ることはできなかった。「去年はすごい惨めな思いをした。今年は個人で出場することは全く考えていない。チームで箱根に出ることしか頭にはない」。今年は即戦力ルーキーがたくさん入り、一年生に負けじと上級生の底上げもはかられた。予選会の前哨戦とも呼ばれる9月22日に行われた日体大記録会では武藤と幸田(政経2)が10000mを29分22秒と自己ベストで走り、ほとんどの選手が自己記録を大幅に更新した。予選会エントリー上位12校の10000m平均タイムでも予選会出場校中8位と「今年が4年間の中で一番良い状態で戦えるようになった」(武藤)。遂に箱根に手が届くところまできた。
 そして決戦当日。序盤は幸田と武藤がチーム内で引っ張り、他の選手も集団に喰らいつく展開。10km地点では9位関東学院との差は1分41秒で、これからの挽回次第で十分チャンスはあった。だがレース後半になって武藤の足が次第に重くなっていく。ずるずると後方の選手に抜かれていく。「スタートではじかれて熱くなり、どうしても平常心でいられなかった。道幅も狭く、なかなか抜こうにも抜けないのも原因だった」。武藤はチームトップの幸田から遅れること41秒の52分36秒で明治の中では5番目に終った(全体では96位)。「体調が良かっただけに悔やまれる」(西コーチ)。予選を突破するためには幸田と武藤でどれだけ貯金を作れるかがポイントだった。チーム全体としては後半追い上げ、9位国士舘と67秒差まで縮めただけに武藤の失速は大きな痛手となった。「自分の走りが全くできなかったことが悔しくて仕方がない。自分の4年間はいったいなんだったんだろうか・・・」(武藤)。レース後の武藤は箱根に一度も出られなかった悔しさでいっぱいだった。
 「結局箱根に出られなかったけど明治を選んだことは後悔してない。明治はこれから先、良くも悪くもなる面白いチーム。俺は主将として大きな仕事を果たせなかったけど後輩にはこの悔しい思いはいつまでも忘れないで欲しい」(武藤)。
 今までチームを支えてきた武藤の思いは必ず後輩に届いているはず。この悔しさがある限り、来年はきっとやってくれる。今はただ前だけを見て、そして来年こそ予選会を突破してチームで箱根路を走ることを心から願っている――。