自然系スポーツ3部特集
第1回 〜ローバースカウト部の料理〜
なかなか始まらなかった第1回。やろうという声は出ていたのだがその一歩を踏み出せ(さ?)なかった。始まらずに終わってしまうのか?その状況を歯がゆく見守っておられたのだろう。知らない間に幹部先輩が自発的に書いてくださっていたのである。ローバースカウト部にずっと情熱を注ぎ続けてきた先輩、駄目な後輩達ですみませんでした…。
ローバースカウト部の取材には楽しみがある。一つは、大都会の喧騒から解放されること。田舎育ちの私にとって、大自然の空気を胸いっぱいに吸えることはこの上ない楽しみである。そして、もう一つが『自然味溢れる料理をお腹いっぱい食べられる』ことだ。
皆さんは小さい頃、大自然の中でキャンプを行ったことはあるだろうか?普段は料理なんてしたことのない男の子達がキャッキャいいながら人参を刻み、細い腕の女の子達が豪快に薪を割る。そう、自然の中で行う料理は何故か“楽しい”。理由は分からないが、やけに楽しい。どっかの新聞で興味深い調査(小学生対象)があった。「今まで食べたものの中で一番おいしいと感じた料理は何ですか?」というアンケートで最も多かった答えは「臨海学校で食べたカレーライス」や「友達とキャンプで作ったバーベキュー」等、“自然の中で食べたもの”が多数を占めていたらしい。電車の中ではゲームボーイアドバンスと睨めっこして、夜は塾でお勉強。そんな子供達でさえ、自然と戯れながらの食事が一番心に残っている。これから先、人間がどれだけ進化を続けていっても、最後に心を回帰させるところは大自然ではないか。こんなことさえ考えてしまう。
前置きが大変長くなってしまった。私のローバースカウト部の初取材地は山中湖を一望でき、ボーイスカウトの聖地と言われる「山中野営場」だった。一人で初取材ということもあって、何をしていいのか分からず時間だけが過ぎていったのを今でも鮮明に覚えている。そんな時、同期の南君(理工4)が私に持ってきてくれた料理があった。「ず〜っとカメラ撮ってて疲れたでしょ?僕等が作った料理一緒に食べようよ」。南君の笑顔の先には紙のお皿に盛られた不恰好な白身魚のムニエルが椅子に置かれてあった。そのムニエルは皆が本当に苦労して自然の中で作ったものだった。お世辞抜きで、その魚を口にした瞬間……「おいしい…」。皆の優しさが詰まった味。あの時の味は絶対に忘れられない。それくらいおいしかった。ここまでの流れから行くと「自然の中で食べたから美味に感じた」とも取れるし「部員の皆さんが一生懸命作ったからおいしく感じた」とも取れるような曖昧な文章である。言い訳だが前者も正解だし後者も正解だと思う。「今まで一番おいしいと思ったものは何?」と質問された場合、私は迷わず「ローバースカウト部の皆が作ってくれた料理です」と答えるはずだ。
ジャンクフードといった無機質な食べ物が溢れ返るこの時代。“人の温かさを込めて作る料理”の大切さをこの部の取材を通じて学んだ。勿論、普段金欠なのでお腹を満たす絶好の機会と思って取材へ行く。が、それ以上に大都会でのマンネリライフに風穴を開けてくれる温かい料理を食べたくて足を運んでいるのかもしれない。