四百bリレーで優勝し抱き合う4人
三千b障害で優勝した篠浦











  
速報コーナー 駅伝・競走

府中ハーフ結果
早大、好結果残し悪い流れ断ち切る
 府中多摩川マラソン(11月23日 府中市民健康センター
 
 ようやく、自信を取り戻した。今季結果を残せずにいた長距離陣。しかし今大会で篠浦辰徳(人3)が1時間02分55秒の自己最高記録で4位に入賞したのをはじめ、10位以内に3人、30位以内に8人とチーム全体の調子も上向きだ。箱根駅伝前の最後の大会で結果を残し、箱根駅伝予選会、全日本駅伝と続いた悪い流れを断ち切った。

 レースは序盤からハイペース。5`で早くも先頭集団はしぼられ、9`付近では10人と少しのみになった。その中で篠浦、杉山一介(人3)、五十嵐毅(人4)が中段から後方でぴたりと先頭をマーク。中間点を過ぎたあたりから駒大勢の揺さぶりが大きくなり、スタミナを奪われ後半離された。しかし3選手が10以内に食い込み、好タイムも出した。後続もすぐに続いた。空山隆児(人3)は調子が上がらないながらも自らレースを組み立て12位。その空山の後ろで粘った河野隼人も1時間04分台のタイムで21位に入った。
順位 走者 学部学年 タイム
4位 篠浦 辰徳 人3 1゜02´55
8位 杉山 一介 人3 1゜03´25
10位 五十嵐 毅 人4 1゜03´48
12位 空山 隆児 人3 1゜04´13
21位 河野 隼人 スポ1 1゜04´56
25位 河津 直行 一文4 1゜05´18
27位 藤森 憲秀 スポ1 1゜05´26
29位 原   英嗣 人2 1゜05´48
41位 岡部 祐介 人3 1゜06´26
48位 八木 大三 理工院 1゜07´03

 この日のレースにいくつもの収穫が見えた。篠浦が駒大のエース・内田と競り、わずか9秒差のところまで力をつけたこと。五十嵐も自己記録に近いタイムで10位、復活をアピールしたこと。そして何よりも、「実力を出せば十分勝負できるという自信」(遠藤司監督=平60教卒)が芽生えたことだ。ここまで練習では手応えをつかみながらも結果のついてこなかった選手たちにとって、この自信が精神的に安定させる効果を持つのと同時に、箱根に向け勝負に勝つための欲を呼び起こす糧となる。
 本番までに克服しなければならない課題もあるが、明るい材料が出てきたのも事実。これからは箱根に向けて最後の勝負の時期が始まる。エンジの復活は成るべくして成る。






◆コメント
☆遠藤監督
とにかくトップグループについていくようにと言った。
底上げができたというよりかは、それぞれ選手たちが問題なく、責任感を持って調整とか、コンディションに関して合わせてくれるようになった。
あまりいい結果が出ていなかったから、これで実力を出せば戦えるという自信がついたのでは?トレーニングでは手ごたえはつかんでいる。それを結果として出せていなかったからね。自信がついたこと。悪い雰囲気を払拭できたんじゃないかなと。あとはやはり、下位の選手たちのはしりがもうちょいほしかったな。
☆五十嵐毅駅伝主将
調子上がってきましたね。(タイムと順位について)予定よりは早く走れた。ちょこちょこっと調整はして臨んだ。しかし、練習の過程ではあるとしても、駒沢に負けたのはちょっと。今回は全日本の結果がプラスになった。(具体的には)力を出せなかったこともあったがそれは練習の中でやったことを形にできなかった。その分府中では力を出そうとした。(この結果に)特に驚きもない。
☆空山
このぐらいで走れるという確認ができた。このレースが今年の基準になった。しかし足を1週間前に怪我をしたので万全ではないが。今の怪我の状態でついていけるレースではないとうことは分かっていた。このレースで先頭についていって潰れるわけにはいかない。後半に繋げていくために前半は押さえた。自分のリズムを守ろうと思った。(箱根までの課題)この基準を高めていくこと。今が最低ライン。タイムをまず。最初の入り、途中の粘り、そしてラストの締め。練習で追い込んでいき、詰め込んでいく。最大効果を狙っていく。
☆原
集団にただついていけなかった。位置は良くなかったし。ついていかないといけなかったのに残念です。(途中のペースやレース展開は)ずるずるとおちていった。立て直しができなかった。弱い。メンタルを強くしていかないと。相手のペースにあわせてしまっているから。(今日のタイムや結果、満足度)満足度は0です。篠浦や杉山と同じ練習していて、ついていけるが、試合になるとぼろぼろになる。は箱根は全日本の分の走りをしないといけないし、区間賞の走りをしたい。優勝い貢献する。走りでかえすことしかでいないので・・・
☆杉山
(12キロで駒大の内田が仕掛けて、遅れてしまったがそこから一人で粘ることができた。他大を抜くという気持ちでいった。今回は調整などせず、一週間前くらいにもきつい練習をした。調子はあまりよくなかったけど、まあまあ走れてよかった。(チーム状況)緊張感を持っている。もちろんいつも緊張感を持ってやっているが、全日本のことや箱根まで時間がないということでより緊張感を持って集中してやっている。もうあとがないし。チームは徐々に仕上がってきた。
☆河野隼人
(結果、レース展開について)今日は65分をきるのが目標だったのでよかった。先頭のペースが速くてついていけなかったが、一人で粘って前へ行けた。粘れてよかった。
自分は安定がウリ。予選会は真ん中のほうに入ってその後調子を落としていたけど、また最近上り調子になってきた。
☆河津直行
最初の5キロが14′38と速くて8キロで振り切られてしまった。15キロ以降が勝負だったが後半失速してしまった。地力はあるから力をいかに120%出せるかだと思う。反省点を修正して地道に努力してできる限り120%の力が出せればいいと思う。
☆篠浦
ベストより30秒以上も速かったので、タイムには驚いた。勝負にこだわってレースをしたので、駒大の選手を差せなかった分満足度は全然ないですね。まだまだいけると思うし、ここで満足すると箱根までモチベーションが続きませんから。メンタル面で充実していることがいい走りにつながっている。
☆渡辺コーチ
故障もなく調整はうまくいっているし、このまま故障がなければ戦えるところまではきた。五十嵐・空山・杉山・篠浦の4人はやって当然。3年生の3人は層が薄いだけに核になってもらわないと困るしエース核として期待するまのはかなり大きい。今回に関しては五十嵐の調子があがってきたのはキャプテンとしても頼もしい。箱根に向けては補欠の底上げができていないので、故障されると痛い。故障には気をつけてやっていきたいですね。


全日本大学駅伝結果
早大、三大駅伝初の途中棄権
 第35回全日本大学駅伝対校選手権 (11月2日 愛知・熱田神宮〜三重・伊勢神宮 8区間106・8`)
 
こんな結末を誰が予想しただろうか。箱根駅伝予選会、まさかの7位通過から2週間。飛躍を期して挑んだ全日本大学駅伝。しかし待っていたのは思いもよらぬ結末だった。1区、空山隆児が11位と出遅れるものの、2区篠浦辰徳、3区藤森憲秀がそれぞれ区間4位の好走をみせ、総合順位を4位に押し上げ通過した第三中継所。しかしここから悪夢が待っていた。4区原英嗣が11`付近でまさかの脱水症状。原はその場に倒れ込み、早大は記録無し、無念の途中棄権となった。

 レース序盤、空山、篠浦、藤森と主力級を並べた早大は流れを作った。1区空山が出遅れはしたものの、前が見える位置で2区篠浦にタスキをつなぐ。伊勢路に登場した篠浦は、2週間前の箱根予選会、思うような走りができずにレース後涙した、あの篠浦とは別人だった。各校のエースが集う2区で堂々の区間4位、6人抜きの走りでチームに勢いをもたらす。続く3区、大型ルーキー藤森も期待にそぐわない走りを見せる。全8区間中最も距離が短い9.5`。春の関東インカレ千五百b4位入賞のスピードを存分に発揮。藤森は総合順位を一つ押し上げる。チームとして流れはできた。本当の駅伝のレースが始まるのはここからだった。
 第3中継所、4区の原はトップを走る東海大から遅れることわずか18秒でスタートした。準エース区間と呼ばれる4区。ここに2年生原を起用したことは賭けでもあり、今大会の早大の鍵を握っていた。本来なら主将五十嵐毅が満を持して登場しなければならない区間。だが五十嵐は本調子には戻りきれていない。そして原は2年では柱にならなければならない存在。もう一皮剥けさせたい。二つの要素からの原、4区起用だろう。結果的にみるとこの選択が悪夢を呼び込むこととなる。
 混戦のレース、昼時に差し掛かり気温は20度を上回る。ランナーにとっては激しい首位争いと相まって、いつも以上に厳しいレースになっていた。4区もすぐに集団になった。大東文化大・村田らと並走し、原は前を追った。だが5`辺りから徐々に遅れだす。持っている力の差からして考えられないことではない。だが遅れ方が大きすぎる。明らかに原の体調に異変が起きていた。周囲の心配する中、遂にそのときはやってくる。11`付近、脱水症状を起こしていた原はその場に崩れるように倒れ込んだ。伝統のエンジ色のタスキが、大学三大駅伝史上初めて途絶えてしまった、悲劇の瞬間だった。
 飛躍を期して、結果を求めて挑んだ今大会。早大は、思いもよらぬ途中棄権という形に終わった。正月の箱根の惨敗以降、チームとしては良い成績を残せずにいた。だからこそ今大会では結果を求めた。予選会直後、選手たちは口々に「全日本では…」という言葉を発した。それだけ掛けていた今大会で、これ以上ないというところまで突き落とされた。新春の箱根駅伝まで、残された時間は2ヶ月を切った。ここから飛躍的に走力が向上することは考えにくい。メンタル強化、フィジカル管理。出来ることを確実に。それがままならないようでは、2年連続のシード落ちも考えられる。手負いの集団はいよいよ徳俵に足がかかった。


区間 距離 走者 学部学年 区間順位 タイム
1区 14.6` 空山 隆児 人3 11位 44.47
13.2 篠浦 辰徳 人3 4位 38.56
3区 9.5 藤森 憲秀 スポ1 4位 28.17
4区 14.0 原   英嗣 人2 途中棄権
5区 11.6 五十嵐 毅 人4 35.55
6区 12.3 河津 直行 一文4 38.13
7区 11.9 高岡   弘 人2 37.38
8区 19.7 杉山 一介 人3 1.01.39
※公式記録はなし。区間記録も3区までは残るが、5区以降は参考記録となる。

箱根駅伝予選会
出場権獲得も、予想以上の大苦戦
 第80回箱根駅伝予選会 (10月18日 神奈川県・箱根町芦ノ湖畔コース)
 
 早大、予想以上の大苦戦。来春の箱根駅伝の出場権を目指して挑んだ第80回箱根駅伝予選会。早大は杉山一介(人3)が個人総合3位に入る快走を演じるも、後続が予想以上に伸び悩み思わぬ大苦戦を強いられた。総合タイムに換算される10人がゴールを駆け抜けたのは出場校中一番初めだったにもかかわらず、結果はまさかの7位通過。二週間後(11/2)に控えた全日本大学駅伝。そして正月の箱根駅伝へと大きく不安を残す結果となった。

 ゴールまで残り数百b。幾多のアップダウンを乗り越えてきた最後の坂道。杉山が竜田美幸(神奈川大)に懸命に喰らいつく。日本人トップを争う熾烈な走り。苦しい顔とは裏腹に足は力強く前に進んだ。杉山はそのまま粘り、竜田に日本人トップは譲ったものの堂々の個人総合3位でゴールに駆け込んだ。ところが…。杉山に続くべき早大の選手がなかなか見えてこない。ようやく空山隆児(人3)が顔を歪めながら姿を現したのは、杉山から遅れること1分以上。今にも止まりそうな足取り。心は必死に前へ進もうとしてもついてこない足。その間、他校のランナーは40人近く通過していた。早大の苦戦を象徴するような空山の走りだった。
 レース前の下馬評からして早大は決して高くはなかった。だが伝統校のプライド。威信。予選会では周りの声を一蹴する走りが期待された。しかしレース後、残った現実は7位での通過。前評判そのままに終わってしまった。今回の結果は、個人3位に入った杉山を除く、主力と期待された三人の走りに大きく起因する。主将五十嵐毅(人4)、今季関東インカレ、日本インカレと3000b障害二冠の篠浦辰徳(人3)に至ってはチーム内でそれぞれ8、9番目でのゴール。この二人がこの結果に終わっては7位という現実に陥るのもやむを得ない。エースと呼ばれし男はどんなレースでも結果を残すもの。それがエースたる宿命である。今まで中堅以下の底上げを声高に唱えてきたが、それもまずは柱となるべき四人が自分の走りをきちんとこなすことが大前提。チーム3〜6位を占めた、藤森憲秀(スポ1)、原英嗣(人2)、高岡弘(人2)、河野隼人(スポ1)。彼らの走りは早大迷走の道を抜け出す一寸の光明だ。夏合宿以降の底上げが一応の結果を出したとみていいだろう。今後、走力と精神力の更なる向上が見られれば本番でも面白い存在になってくる。
いよいよ始まった駅伝シーズン。まずは二週間後に迫った全日本大学駅伝。今季一度も見せていない、主力四人の快走なるか。そこが焦点になってくる。そして残り二ヶ月半後に訪れる雪辱の舞台。前回大会の借りを返す舞台は、同じステージの他にはない。何はともあれ手にした本大会の切符。彼らの本当の力を試されるのはここからだ。
*箱根駅伝予選会展望のところでコース距離が17、3`となっておりましたが、正しくは16、3`です。
写真はチームトップと奮起した杉山(左上)とチーム2位の空山(下)
学内順位 氏名 学年 タイム 総合順位
  1 杉山 一介 50:42
  2 空山 隆児 51:49 43
  3 藤森 憲秀 52:02 57
  4 原 英嗣 52:13 68
  5 高岡 弘 52:21 78
  6 河野 隼人 52:23 80
  7 河津 直行 52:28 83
  8 五十嵐 毅 52:28 84
  9 篠浦 辰徳  52:32 88
10 岡部 祐介 52:42 101
11 大浦 周 53:16 134
12 八木 大三 M1 53:54 171
* タイムは上位10選手の合計。早大は8:41:40だが、予選会7〜9位は関東大学対校選手権のポイントが換算される。早大は関カレの獲得ポイント、3:24を先のタイムから減算し、8:38:16が公式タイムとなる。

◆コメント
☆五十嵐毅主将
 チームから見たらタイムを稼げなくて申し訳なかった。チームとしては今回の結果はやっぱり主力の走りが原因。上が稼げなかったので。今イチ、というかダメですね。その中で中堅以降の選手がそれなりに走ったのは評価すべき点。そこら辺を考慮すると、箱根で上にいく可能性はまだまだあると思う。全日本はチームにとっても個人にとっても結果が求められる。自分の中でしっかりあげていきたい。
☆杉山一介
 出場チームが15チームだったら予選落ちしている順位ですし、通ったということで楽観視はできない。自分自身は思ったよりは走れたという感じです。調子は悪くはなかった。1週間前から調子が上がってきていて。ただ、最後に競り負けたので、満足はできない。全日本は勝負です。いかに他大と戦っていけるかですね。予選会よりも上に行くこと。これは絶対条件です。
☆空山隆児
 タイムは考えなかった。順位やタイム差を意識していた。43位という順位はまったく問題外。個人は全くいいところなし。7位通過は予想外の結果だった。ほかのチームの実力があがってきていて。予選会にのみ照準を合わせているチームがあるので。足元を良く見ていなかった。甘さがよく表れていた。(全日本は昨年)走れていないぶん一発やらないと。この1年を払拭するかのように。そんな走りをする。
☆篠浦辰徳
 予想以上に坂のアップダウンがあり、すぐに乳酸がたまってしまった。走れる人が走れればもっと上に行けることがわかったのは収穫。今後の駅伝では積極的に、自分からハイペースで押すレースをしていきたい。今回の予選会はチーム全体の意識を変えられるいい機会。7位という順位を刺激にして、箱根ではチームとしていいレースをしたいですね。まずは全日本でみなさんの期待に応えられるよう、やります!
☆藤森憲秀
 まだまだ上位にいけたと思う。結果的にふがいない走りになってしまった。(全日本にむけて)予選会でチームも個人もあまりよくなかったが、力を出したら上位争いにいけると思う。結果に結びつくいいレースがしたい。
☆原英嗣
 自分の力を出し切れていない。全然ダメでした。途中からは崩れる一方でした。チームとしても最低でも4、5番で通過だと思っていた。でもこれが今の実力なのでしょう。(これからの強化ポイントは?)練習は当然としてあとは気持ちをもっと強くしていかなければならない。練習から積極的に前を走ることで身に着けたい。
☆高岡弘
 個人としては、不完全燃焼。タイムも順位もこれ以上落とせない。チームとしては、「復活」と言っているのに、実際は後退している。この状況を4年だけに頼らず、2、3年で回避しなければと思っている。
☆河野隼人
 初めての予選会で最初舞い上がって冷静に走れなかった。後半は冷静になれたけど、自分の力は出し切れなかった。(気負いや緊張は?)初めてチームがかかってくる試合だったので、何回もあきらめそうになったけど、自分が1秒でも早くゴールするのがチームのためだと思って、最後まで頑張ろうと。
☆河津直行
 チームとしては、7位というのは良くないですよね。うちは、総合的に強くはないので。ここを最低ラインとしてステップにしないといけないと思います。(今のチームの雰囲気は?)(7位ということで)それなりに落ち込んだりはありますけど、悲壮感とかそういうのはないです。ここが最低ラインですから、集中してここから上っていかなければならないと思います。
☆岡部祐介
 チームで10位。足を引っ張ったことに責任を感じている。遠藤コーチが言っていたように、予選会を迎える気持ちに油断があったと思う。(夏合宿について)計画通りに走り込めた。シーズンに入ってからは自信を持つようにしたが、今回は結果につながらなかった
☆大浦周
 初めてのコースでアップダウンが激しい。チーム10位以内を目標にしていた。しかし後ろの方で情けない。不完全燃焼だった。チームの結果は予想外だった。ほかの大学がレベルアップしてきた。チーム全体が油断していて。3,4位には入ると思っていたから。甘さがでたんだと思います。
☆八木大三
 あまり戦力にならなかった。力不足。出場は当日の朝練後に言われた。やるしかない。走れない人の分もと思って。7位通過は納得いかない。(今後の強化のポイントは?)まだまだ力不足。今のままでは他校に及ばない。根本的な走力を付けていきたい。課題はスピード。速いペースで押す走りを目指す。

日本選手権リレー
四百bリレー大会新で7連覇!

 第87回日本選手権リレー (10月11、12日 群馬県敷島運動公園陸上競技場)
 四百bリレーの7連覇がかかっていた日本選手権リレー。走る選手誰もが7連覇という偉業を意識していた。この種目においては関東インカレ、インカレ、スプリントと王座は明け渡していない。大学のトップに君臨しているだけに期待が高まった。しかし、前の大会と比べて変動したのはリレーのメンバー編成。第1走に起用されたのは、中川裕介(人3)。初めて1走を任された中川だったが、不安を感じさせないで好位置でバトンを渡す。そして続く第2走には相川誠也(スポ1)。「力まずに楽に走れた」と話すとおりに、早稲田の勝利をぐっと引き寄せるレースを展開。そして待ち受けるのはエースの大前祐介(人3)。「3走の時点でトップに出ようと思っていた」と話したように、大前の走りで先頭にたち、7連覇は確実なものへとなった。いい流れのままでバトンをもらったアンカーの野田浩之(スポ1)。その流れに乗ってゴールに駆け込んでいった。記録は39秒16。野田は「来年に繋がるタイムだと思う。」と新メンバーで作ったこの記録に出応えを感じていた。またこの記録は大会新記録でもあった。今回は1年&3年で望んだコラボレーション。1つのパターンに過ぎないが、いろんな選択肢の幅ができ、層の厚さを浮き彫りにした。


◆記者の目から

日本選手権リレー7連覇――

 スタンドから一際感慨深そうにレースに見入っていたエンジのジャージの姿があった。「祈るような気持ちで見ていました」。穴井伸也主将(人4)は今年最後のリレー競技を、観客席から応援する側に回っていた。2週間前に足を捻挫、教育実習もあり十分な練習が積めていなかった。大沢知宏コーチ(平成4人卒)は「有終の美を飾らせてやりたかった」とこぼしたが、満足に走れる状態ではなかった。
 
 「強いリレーにあこがれてワセダに入った」穴井は入学して間もない5月、関東インカレ(関東学生対校選手権)のリレーメンバーに抜擢される。しかし予選のみの出場。チームは優勝したものの、物足りなさを覚えていた。「決勝で走りたい」。この思いが重要だったと振り返る。同年9月、日本インカレ(日本学生対校選手権)の4×100bリレー決勝のスタート位置に、穴井はいた。1走として出場し、目標は早くも現実となった。さらにそのレースで優勝、当時の学生記録、単独チーム日本新記録を打ち立てる。
 
 その後はリレーメンバーに定着し、必要不可欠な選手となった。圧巻だったのは昨年の日本選手権リレーだ。1走を得意とするが決勝ではアンカーを務めた。隣のレーンを走る富士通チームとほぼ同じにバトンを受けると、「走りながら冷静になれた」と自分の走りを忘れず、競り合いを制した。
 
 「ここぞという勝負どころで力を出せる。仲間を信頼できるというところはどこにも負けない」(穴井)。大沢コーチが言う「伝統的なもの」というのは穴井の言葉そのものなのであろう。今年関東インカレ、日本インカレ、日本選手権の3冠を達成したが、決勝のメンバーは流動的で、3つ全てに出場した選手はいない。メンバー、走順が違っても思いきった走りができるのは信頼があるからだ。信頼があるからこそ力を発揮できる。この循環こそが伝統の原動力ではないだろうか。そして穴井はその伝統の担い手であった。

 今年1年間は主将も務め、戦力的にも精神的にもチームを支えた。「あとは後輩たちに託したいと思います。来年は記録的には38"5(学生記録)も狙える」。伝統という名のバトンは、次代に継がれてゆく。
 (文・齋藤健司)
箱根駅伝予選会展望
メンバー発表。焦点は選手層の充実か。
 先日箱根駅伝予選会に臨む14人の選手が発表された。このうち実際に走るのは12人で、チームの成績に入るのは上位10人。
名前 学部 学年 出身校 高校駅伝
五十嵐 毅 山形中央
大浦 周 一文 仙台三
河津 直行 一文 都国立
岡部 祐介 日立一
坂口 哲雄 修猷館
篠浦 辰徳 松山北
杉山 一介 藤枝明誠
空山 隆児 世羅
石田 雄祐 早大学院
高岡 弘 川越
原 英嗣 加古川東
河野 隼人 スポ 中京大中京
藤森 憲秀 スポ 佐久長聖
八木 大三 早大大学院 M1 一宮

 
◆展望

 正月の悪夢から10か月が過ぎた。今週末の18日に箱根駅伝予選会が箱根町にて行われる。例年と異なり箱根でのレースとなり、距離も20`から17.3`へ変更された。

 活躍を期待されるの3年生トリオの篠浦、杉山、空山だ。篠浦は今年三千b障害で関東インカレ、日本インカレで優勝するなど飛躍の年となった。杉山も日本インカレ、ハーフマラソン7位入賞。空山は日本インカレ五千b5位と、3人とも全国の舞台で勝負できる力を持つ。

 さらに駅伝主将の五十嵐は過去3回の箱根駅伝をいずれも5区、山の区間を走っている。実績ある4年生の少ない中、チームの柱としての活躍が期待される。また、新戦力として注目を集めるのが河野藤森だ。藤森は関東インカレ千五百bで4位に食い込み、そのスピードは参加選手の中でもトップクラスだ。


 今大会、最もポイントとなるのは上記の選手に続く戦力である。今年の箱根でもメンバーにエントリーされた大浦、岡部、高岡、原は、あの屈辱をばねにどこまで上位に食らいついていけるか。そして新しく台頭してきた力として河津、坂口、石田、八木が挙げられる。チームにどのような勢いをあたえてくれるか、期待したい。しかしこの8人はあまり大会にも出場していないので実力は未知数。実績も、高校駅伝も経験していない雑草軍団だ。チームの浮沈の鍵は彼らが握る。

日本インカレ
2種目制覇もユニバシアード代表は出ず
3日間に渡る日本学生No.1の座を懸けた戦い。ユニバシアード日本代表最終選考会でもある今大会でワセダが2つの種目で頂点に立った。長距離陣では関東インカレを制し、春からの高いパフォーマンスをみせつづけてきた篠浦辰徳が三千b障害で優勝すれば、短距離でも負けじと四百bリレーで3年ぶりの学生王座奪回。女子棒高跳びや男子やり投げなど、フィールド種目でも期待を裏切らない活躍を見せてくれた。また男子総合でも6位入賞を果たした。しかしワセダからのユニバシアード日本代表は出ず、優勝した篠浦も落選となった。

初日(7/4日)

第一日目はトラック種目では男女千五百b、男女四百b、男子一万b、フィールド種目では男子棒高跳び、男子三段跳び、男女円盤投げの計9つの決勝種目が行われた。早大選手の主な結果としては、男子棒高跳び決勝では毛利公一(人4)が、男子千五百bでは日笠裕允(人2)がそれぞれ9位となり入賞にあと一歩であった。また、男子百bでは穴井伸也(人4)、大前祐介、北村和也(ともに人3)がそろって予選を通過し、準決勝に出場したが走りに精彩を欠き3人とも決勝進出はならなかった。初日の最終種目である男子一万m決勝には先日の関東インカレで28分台を出し、調子を上げている空山隆児(人3)が出場。レースは序盤から各選手がけん制しあうスローペースで展開されたが、空山は細かい揺さぶりに対応できず7600mを超えたあたりから徐々に先頭集団から後退。そのままペースは上がらず30分52秒で18位と振るわない結果となった。大会初日に早大選手の上位進出を見ることはできなかったが、男子百十bハードルの合戸隆(政経2)や優勝が期待される男子四百bリレーなど着実に予選を通過しており、明日の決勝に期待を残しつつ一日目は終了した。


二日目(7/5日)
ワセダ、伝統のヨン継が底力を発揮した。エース・大前の故障欠場により万全の布陣が組めず、劣勢も予想された男子四百bリレー。だが一走・穴井が好スタートを切ると、北村、中川裕介(人3)と一糸乱れぬ見事なバトンリレーで、アンカー・相川誠也(スポ1)に全てを託す。相川は故障明けにも関らず力強い走りを見せ、見事トップでゴールラインを駆け抜けた。タイムは39秒02。日本インカレ、3年ぶりの歓喜の瞬間だった。さらにこの日のもう一つの注目レース、男子三千b障害。関東インカレに続く2冠を目指す篠浦辰徳(人3)が登場した。それぞれがけん制し合い、スローペースとなったレースは、ラスト1周で中川(京産大)が一気に仕掛けた。篠浦はこれに対応しきれず、一時は10b以上離されるも、残り二百bから猛然とラストスパート。二人は、胸を突き出すようにしてほぼ同時にゴール。勝ったのは篠浦だった。その差百分の3秒。劇的な大逆転だった。また百十bハードルの合戸は準決勝で14秒10の自己ベストをマークし決勝に進出。8位入賞を果たした。男子千六百bリレーは予選が行われ、3分07秒32の早大記録で翌日の決勝に進んだ。


3日目(7/6日:最終日)
 最終日のワセダは入賞ラッシュ。出場したすべての種目で上位にはいった。注目の女子棒高跳び。森永麻里子(人4=写真)、田中宏美(人2)、井桁愛(スポ1)が出場。3M60を3人ともクリアしたところで、5位以内にワセダ勢の3選手が入ることが決定した。その後記録を伸ばすことはできず、試技回数の差で順位が森永2位、田中4位、井桁5位と確定。そのレベルの高さを見せつけた。また長距離種目では3年トリオの2人が登場。まずはハーフマラソン。杉山一介(人3)が出場し、安定したペースを維持し7位でゴールした。また空山が五千bに出場。一万bの不調を感じさせず、5位に入賞。百bでの不振が目立った短距離では二百bで2人が入賞、マイルリレーでも4位に入った。中川裕介(人3)は怪我明けのレースとなったが復調をアピールする5位。野田浩之(スポ1)は予選、準決勝、決勝と好記録を3連発し6位。マイルの3走も努め、スタミナ面でも非凡な力を見せた。そのマイルはで3位以上を狙っていったが4位。しかし2走森田行雄(人2)、4走田野淳(人4)の後半に強い走りは会場を沸かせるのに十分なものだった。ワセダには投擲もある。やり投げに出場した竹迫寿(人2)が大舞台で自己ベストを更新。6位入賞を果たした。3日間の総合ポイントで男子総合は6位となり、横浜の熱戦は幕を下ろした。


 ◆記録 
▽二百b D中川裕介(人3)21秒10 E野田浩之(スポ1)21秒13 ▽五千b D空山隆児(人3)14分00秒61 ▽ハーフマラソン F杉山一介(人3) 1時間4分49秒 ▽百十bハードル G合戸隆(政経2)14秒36 ▽三千b障害 @篠浦辰徳(人3)8分50秒92 ▽四百bリレー @早大(穴井伸也=人4、北村和也=人3、中川、相川誠也=スポ1)39秒02 ▽千六百bリレー C早大(菊池潤=人2、森田行雄=人2、野田、田野淳=人4)3分08秒89 ▽やり投げ 竹迫寿(人2)66b67 ▽総合 E早大
◆女子 ▽五千b競歩 E年代利絵(スポ1)23分15秒14 ▽棒高跳 A森永麻里子(人4)3b60 C田中宏美(人2)3b60 D井桁愛(スポ1)3b60 *順位は試技回数の差による
 ☆入賞者のみ掲載

 ◆総評 
男子は各種目の獲得ポイントで競われる学校対抗では6位入賞を果たした。百bのまさかの惨敗(決勝進出者ゼロ)、二百bの大前の故障欠場を考えればこの順位は妥当だろう。ただ穴井総合主将が「総合得点50点は狙っていた」と振り返ったように、各人がピークを合わせ、力を出し切ればそれだけの結果を狙えるだけのポテンシャルは秘めていた。二百bで5位に入り、四百bリレーでは三走を務めた中川、同じくアンカーを走った相川。彼らは怪我が完治しきらず、百%とは言えない状態でこれだけの結果を残した。ハーフマラソンで7位入賞の杉山にしても故障明けで、3月の立川ハーフマラソン以来のレース。万全の状態になったらどんな走りを見せてくれるのか、非常に楽しみである。狙った大会にいかにピークを合わせることができるか、力がある選手が増えてきたことで、今後は今まで以上にこの要素を大事にすべきである。また今大会は下級生の健闘が目を引いた。女子棒高跳で5位に入った井桁、女子五千b競歩で自己ベストをマークし6位に食い込んだ年代はまだ一年生。男子やり投げでは竹迫が66b67の自己ベストを投げ6位入賞を果たした。順調に伸びていけば今後に大きな期待が持てる。長距離は相変わらず層の薄さを克服できていない。エントリーの時点で他大から遅れをとっている感は否めない。篠浦、空山、杉山に主将の五十嵐。彼らに続く選手の台頭が待ち焦がれる。秋の駅伝シーズンに向け、長距離ブロックにとっては勝負の夏がやって来る。


◆コメント(入賞者、コーチのみ記載)
☆穴井(競走部総合主将)
(自分の結果について)当然優勝が目標だったので、4継では記録をねらいにいった。大前がいないという不利な状況ではあったが、なかなかの結果を残せた。自分の中で第1走というのは好きで、前に人がいると喰いたいという本能にかられる。120点の出来だった。(100mについては)終ってみて、自分の力はこんなものではないというもどかしさが残り、夜中まで盛り下がった。敗因はやはり前半の遅れ。
☆中川
(200の方は5位という結果でしたが?)ユニバかかっていたんで狙っていったんですが。駄目でした。勝負よりレース展開と、頭で考え、冷静にいったつもりだったが・・・。今期初のレースだし、経験不足だったと思う。悔しい。(今後は?)まずは怪我を治したい。今は自分の力を全然出せていない。これからは8月中旬福岡で団体選手やリレー選手権、早慶戦があるので、そこでアピールして来年はオリンピック目指します!!
☆北村
(リレー優勝についてどう思いますか?)日本インカレで(自分は)一度も勝てていなかったので、すごくうれしかった。(以前に個人が課題と言っていましたが、100mは準決落ちという結果に終わってしまいましたが、どう思いますか?)予選では調子よくやっていたが、準決でスタートミスをしてしまった。ミスが痛い。
☆野田
(マイル・今日の結果についてどうだったか?)自分のところでミスをしてしまったので、今後対処していかないと。昨年も4位だったので、なんとかしたかったが・・・。(バトンパス失敗したのはどうして?)待ち選手とぶつかってです。(200m・今日の結果について)準決勝でいい感じに走れた。決勝では、コーナー出てからばててしまい、持ち味が出せなかった。
☆相川
(四百mリレー初出場でした)野田がマイルにでないと決勝にでれないということで、一週間前に急遽走ることになったんですよ。(怪我はだいじょうぶ?)まだ心配ですね。予選走ったときもまだ不安でした。でも決勝は東海と競ることになると思ってたんでふっきれて走れました。(優勝の感想を)リレーに初めて出てアンカーという大役を任せてもらって、このためにワセダにきたと言ってもいいぐらいなので、本当にうれしかったです。
☆田野
(最後の全カレでしたが、振り返ってみてどうでしたか?)400mでの予選落ちしてしまったり、マイルは表彰台に上がれなかったりと反省点を挙げたらたくさんあるんですけど。うちのマイルチームは去年の関カレから、関カレ・全カレ・関カレ・全カレと5・4・4・4って順位で表彰台に上がれていないんですよ。ただ、決勝に来る土台はできたかなと。自分が1年の時なんかは予選落ちのチームでしたから。マイルのメンバ−は自分以外は1・2年のチーム。だから、今後に期待できると思いますよ。
☆合戸
(準決勝のあと笑みがありましたよね?)決勝とタイムを目標にしてきたのでそれが達成したので。(決勝、レース前から力みとかあったのですか。)走る前には力みはなかった。でも走ったらでてきた。一番右端を走っていたからスタートして左をみたら遅れていた。だから最初からレースという感じではない。何も考えずに終わってしまった。(今度の課題について)今年中に13秒台を出したい。
☆大沢コーチ
(四百mリレーの勝因は?)(大前の怪我があり)メンバーを代えたチームにしてはバトンがスムーズにいってよかった。個々の走力の面では(ライバルの)東海大に対して切札的なものがなかったので、一人一人が自分の仕事を果たせていたと思います。(百mでは不振だったが?)つらいというか、今回の反省ですね。自己記録に近いタイムで走れれば決勝に残る力は十分あるのに、それができなかった。コンディションをうまく合わせられなかった。
☆五十嵐(駅伝主将)
(まず今日の五千、14分30弱でしたが、この結果については)2週間前に体調を崩しちゃって。オーバーワーク気味だった。トラックシーズンの最後に大きなレースで走れたことは良かったけど、やっぱり不本意です。(秋以降の駅伝シーズンに向け、非常に重要な夏が来ます。個人、チームの観点から鍛えるべきポイントは?)個人的にはここまで3年間箱根を走った経験などから、スタミナは問題ないと思う。今年、自分が走るとしたら2か5になると思うから、それに向け、スピード持久力を加えられるような練習をしていく。チームとしては疲れていても崩れなうような、苦しいときにどれだけ粘れるかがポイントだから、そういうのを意識してやっていきたい。
☆篠浦 
中川のスパ−トを許したラスト1週、負けるとおもった。考えた以上のスピードでのスパートがきたので、間が空き、差が詰められるかじぶんでも不安だった。最後の自分のスパートは、とにかく前に追いつこうとした結果だった。心肺的にも余裕はあったし、いままで持っていたスピード能力が生きたおかげだと思う。夏場に向けては、まずは予選会に向けて走っていきたい。通過できなければお話にならないですしね。
☆空山
(1万mについて)コーチから暑くてペースが上がらないから勝ちにこだわれといわれた。(全体的に遅いペースだったが)全体に勝ちを意識している雰囲気だった。(7600メートルで遅れたのは)怪我とかアクシデントとかではなくただついていけなかっただけ。(5千mについて)コーチから弱気になるなと指示がでた。1万mは引きずるなと。コンディションは1万より悪かった。(残り700メートルで遅れたのは)実力がなかっただけです。ついていけなかった。残りのスパートは早くかけられなかったのは仕方がない。
☆杉山
(結果について)入賞はしたが、前についていけなくて不満の残るレースだった。(篠浦、空山は意識するか?)関カレのときに二人の活躍をみて、おいていかれたなと感じた。走れない自分が悔しかった。二人からは「自分もやらなくては」といういい刺激を受けている。(今後の目標)しばらく試合はないが、今は距離を踏んだ練習ができているのでこの流れを生かして、夏合宿、そして予選会に取り組みたい。また、去年は夏合宿後故障してしまったので今年は故障せず夏合宿を乗り越えることにも注意したい。
☆岡部
(今日の結果について)今日の調子は可もなく不可もなくといった感じ。練習が思うようにいかず、レースにむけて追い込めなかった。自信を持って臨めなかった。(篠浦、空山は結果を出している。岡部さんはチームの底上げのキーマンになるのでは?)その通りです。今回、結果を出せなくて、Aチームの三人から遅れを取っている。自分たち中堅がしっかりしないといけないという責任を感じている。予選会では三人に死ぬ気で食らいついていかないと…。
☆遠藤司コーチ
(篠浦君が関カレに続き2冠に輝きましたが)まあ狙い通り。これに合わせてきたわけだし。篠浦の力からすれば順当な結果だと思う。(駅伝シーズンの秋に向け、勝負の夏になりますが、鍛えるべき一番のポイントは?)やはり春先から言い続けていることだけど、精神的なとこになる。何`走ったよりも、どれだけ自分自身を追い込んで練習したか。そういった経験が自信になり選手を成長させるもの。箱根を意識して取り組み、精神的なたくましさを身に付けて秋のスタートラインに立たせたい。
☆渡辺康幸コーチ
篠浦に関しては、ペースがスローにしろハイにしろ、とにかく勝つことが大事だった。今回は結構苦戦したが、タイムはどうであれ、勝ったことは評価してあげたい。空山はエースとして期待しているがまだ安定感にかける。まだ3、4ヶ月あるので、夏に走りこみをさせてなんとかつくる。五十嵐は問題ない。トラックの得意な選手ではないので、長い距離にかんしては心配ない。杉山は1ヶ月で間に合わせたにしてはよかった。
☆竹迫
(自己ベストとなる記録を出しましたが投げた時の感触は?) 手ごたえはイッタという感じはなく、特に普段と変わらなかった。体がうまく使えたということでしょう。(関カレ4位、全カレ6位、そして今日の66m67という具体的な数字については?)まだ2年なので向上したい。70mという大台があるので、まずはそこを目指したい。(今後の抱負を)今年の大きな大会はもう終わっちゃったんでね。来年は関カレ、全カレ3位以内に入りたいですね。
☆森永
(一発で3b60aを跳びましたが、その結果に対して何か感じましたか?)特に何も考えずに、ただ無心で跳んだ(日本学生記録を持っている中京大の真島さんを意識していましたか?)真島さんを意識していたというより、記録に対して意識していた。自分も学生記録を出したいと思っていたのだが・・・。(最後の全カレでしたが、どうでしたか?)関カレで失敗していたので、全カレでは優勝したかった。とても残念です。
☆田中
(結果について)調子は良かったのでもう少しいきたかったです。少し悔いが残ります。(1回目は失敗、2回目はどういう気持ちで?) 跳ぶことしか考えてなかったです。
(来シーズンにむけての目標は?)自己ベストを出すことです。
☆井桁
(結果と初めての全カレについての感想)自己ベスト(3M65)に及ばなかったことと、試技回数の差で5位だったことが残念です。やっぱり1回で決めることは大切ですね。初めての全カレですごく緊張してしまったんですが、普段一緒に練習している先輩も出場していて、安心した部分もありました。
☆年代
(今日の出来は?)思ったよりもいまひとつでした。22分台を狙っていたのに残念です。(その22分台に届かなかった原因は?)持久力が無いと思いました。あと今日は三村さん(立命大)に最初スパートされてついていけなかったので、スピードも足りないと思いました。要するに両方ですね(笑)(今後の予定は?)8月24日に石川県の国体予選があって、そこで県代表を狙いたいと思います。



日本インカレ速報
四百bリレー、三千b障害の篠浦が優勝!
 日本学生選手権兼ユニバシアード日本代表最終選考会は5日で大会2日目を終了。早大の選手は横浜国際総合陸上競技場で熱戦を繰り広げている。
 四百bリレーは日本インカレ過去13回の優勝を誇る早大の十八番。ここ2年は王座を東海大に明け渡していた。エース大前祐介(人3)の欠場があったがアンカー勝負で相川誠也(スポ1)がライバル東海大をわずか数センチ、0”03秒押さえ、39秒02の好タイムで最速の称号を3年ぶりに奪い返した。走順は穴井、北村、中川、相川。
 三千b障害に出場した篠浦辰徳(人3)はこの優勝によりユニバシアード日本代表の座をぐっと引き寄せた。これまでの篠浦は自ら早いペースで集団を引っ張り、そのまま逃げ切るというパターンの走りが多かった。しかしこの日はラストスパートで勝った。逃げる相手を残りわずかで捕らえ、0”03秒差のゴール。劇的な勝利を演出しただけではなく、どんな展開でも勝てるという篠浦の強さが際立ったレースだった。タイムは8分50秒92。
 準決勝で自己ベスト14秒10をマークし、決勝に進んだ男子110bハードルの合戸隆は14”32で8位入賞を果たした。
 また、1日目、4日に登場した男子百bの穴井、北村、大前、一万bの空山は期待がかかるも結果を残せなかった。
 6日が大会最終日。ハーフマラソンや男子二百b、五千b、女子の五千b競歩、棒高跳びに期待が集まる。

     *詳細は後日掲載

日本選手権
篠浦の4位が最高 世界選手権には早大勢からは選ばれず
 8月にパリで行われる世界選手権代表選考を兼ねた今大会。早大からは9人が出場したが、代表には一人も選ばれなかった。  先月の関東インカレ、三千b障害で圧勝した篠浦辰徳(人3)は同種目に出場。大学勢ではトップの4位入賞を果たし、自身初出場となる日本選手権で安定した力を見せた。
 レースは序盤からハイペース。本人は「心構えは出来ていた」と言うが1500b過ぎ、力のある社会人のスピードについて行けず、次第に篠浦は先頭集団から離脱していく。前と後ろの集団の間を、「中途半端な位置」(篠浦)で、一人走る形となった。しかし先頭との差は開いても、後続との差はつまらない。先頭から置いて行かれるも、自らペースをつくり、他の追随を許すことのないスピードを維持した。最後は20秒差をつけられ、ゴールに駆けこんだ。「世界選手権の切符をとる」(篠浦)という高い目標を持ち、持ち味を出しながらも力負けした。まだ日本のトップには及ばない。そう痛感させられたレースだった。
 その1時間半後、大前祐介(人3)が200b決勝に出場。個人で世界に出るためには、世界標準A記録である20秒59を切ること。そしてこのレースで3位以内に入ることが最低条件であった。大前の自己ベストは20秒29、昨年の同大会は3位。さらに予選では20秒60の好タイムをだしているだけに期待は高まった。しかしスタートからうまくスピードにのれない。「調子が良すぎて力を出しすぎた。途中で膝裏の腱あたりに痛みがはしった」状態で走り抜き、記録も20秒76止まりで7位。大きなチャンスが目前で消えてしまっただけに、悔しさは一際大きなものだろう。
 また早大から3人が出場した女子棒高跳びでは、森永麻里子(人4)が6位、中川舞子(スポ1)が7位に入賞した。
 世界選手権を逃した選手たちは同じく8月、韓国で開催されるユニバシアード出場を目指し、7月4〜6日の日本インカレで優勝と代表の座を懸けた戦いに挑む。

◆ 記録
【男子】▽200b F大前祐介(人3)20秒76 ▽三千b障害 C篠浦辰徳(人3)8分46秒37 【女子】棒高跳び E森永麻里子(人4)3b70 F中川舞子(スポ1)3b40  ※上位進出者のみ掲載

◆ コメント
大前
 不本意ですね。調子が良すぎて力を出しすぎた。途中で膝の裏の腱のあたりに痛みがはしってしまって。これ以上力をだすと切れると思ったんで。それでも後半は追い上げたんですがね。調子は良かったのに、ホント悔しいです。」
篠浦
 (今日のレースは)思ったより良くなかった。中途半端なところでレースを進めてしまった。ハイペースの心構えはできていたのですけど。対応できなかった。走るからには世界選手権の切符を取るつもりで。8分30秒を切って、参加標準記録を上回るつもりで行った。


関東インカレ結果
篠浦が三千b障害で優勝 リレーは2連覇
 力を持ちながらも結果が出ず、暗い闇の中を迷走していた長距離陣に、一筋の光明が射してきた。篠浦辰徳(人3)が三千b障害で自身初のビックタイトルとなる優勝を飾れば、エース・空山隆児(人3)が一万bで待望の28分台に突入。期待の新星・藤森憲秀(スポ1)は千五百bで4位に食い込んだ。近年、あまり良い結果を残してこれなかったトラックで、'ワセダ'を強烈にアピールする、気持ちのこもった見事な力走だった。また、男子四百bリレー(穴井・北村・大前・野田)はライバル・東海大を下し2連覇達成。さらに男子棒高跳では毛利公一(人4)が、早大に32年ぶりとなる優勝をもたらした。
 篠浦は持ち前のスピードを生かし、ハイペースで突っ込んだ。1`の入りは予選よりも7秒ほど速い。自分のリズムを守りながら、集団の前方でレースを進める。残り3周のあたりで早くも先頭に立つと、あとはひたすらレースを引っ張る。そして、ラスト1周はさらなるスピードアップ。見事なスパートだった。8分41秒60。自己ベストで歓喜のゴールを駆け抜けた。箱根以降の煮え切らない空気を払拭する、会心の走りだった。
 空山は復調を印象づける、積極果敢なレースをみせる。スタートから攻め、七千b付近までは終始先頭を快走。終盤ペースが落ち先頭争いからは後退するも、最後は粘って28分53秒14でゴールイン。昨秋以降、期待されながらも怪我に悩まされ続けてきた男の、覚醒の時は近い。
 千五百bと五千bに登場したルーキー藤森は、思い切りの良い走りを見せた。スタートから前にいき、2・3番手につけレースを進め、4位に食い込んだ千五百bの走りは、入学間もないこの時期にしては十分価値ある内容。今後は長い距離をどうこなしていくのかに注目が集まる。
 今大会、出場した選手たちは、それぞれの力を発揮し、気合いの入ったレースを見せた。不振が続いたチームに確かな檄を入れたことは間違いない。7月には全日本インカレが控えている。限りある時間の中で、どれだけ周りの選手が反応を起こすのか、柱の選手が一つの結果を残した今、次なる焦点はそこになる。


◆記録
【男子】▽百b B大前祐介(人3)10秒46 E北村和也(人3)10秒55▽二百b E穴井伸也(人4)21秒59▽四百b F田野淳(人4)47秒74▽千五百b C藤森3分54秒03 G日笠裕允(人2)3分55秒21▽五千b C空山14分07秒46▽一万b G空山28分53秒14▽百十bハードル G合戸隆(政経2)14秒49▽三千b障害 @篠浦8分41秒60▽四百bリレー @早大(穴井、北村、大前、野田浩之=スポ1)39秒22▽千六百bリレー C早大(菊池潤=人2、森田行雄=人2、野田、田野)3分09秒12▽棒高跳 @毛利5b10▽三段跳 F竹内敦史(スポ1)15b18▽やり投C竹迫寿(人2)66b37 E玉利晋一(人4)65b92▽総合 D早大【女子】▽五千b競歩 D年代利絵(スポ1)23分24秒56▽棒高跳 A森永麻里子(人4)3b75 D田中宏美(人2)▽ハンマー投 C久保陽子(スポ1)44b47<BR> *入賞者のみ掲載

◆コメント
篠浦
 大学入って初のタイトルだったが、やっぱり1番っていいなって感じました。無心で、欲を出さずに走れたのが好結果につながったと思う。
空山
 28分台を出したことは当たり前。最後においていかれたのは、力不足。今年は3年になったので自分のこと以上にチームの状態を意識した。
藤森
 思い切り走れといわれた。ずば抜けて強い人はいなかった、だからうまくやれば勝てたと思う。その分悔しさが残るし結果には満足していない
駅伝主将・五十嵐毅(今大会は不出場)
 試合に出る人数が少なかったけど、出た選手が全種目で入賞し点を取ってくれた。チームとしては盛り上がったと思う。
遠藤司コーチ(長距離部門)
 今大会走った者は結果を残したが、出られなかった選手たちもそれに引っ張られていってほしい。空山は5000、10000ともにもっと上の順位にいってほしかった。28分台は出たが、潜在能力はあると思っていた。
穴井
 (4継は)勝つ自信とかいうよりも、勝つことが宿命みたいな感じ。心でつなぐバトンというか、4人の力を合わせて計算以上の力を出す。それができた。38秒台が目標だったが、オーダー変更もあった中で、ミスも出たわりには良かった。
北村
 東海大は100b(決勝進出者が)が3人いて厳しかったし去年勝っていたし負けられないと思っていたので勝ててよかった。(タイムについて、この勢いで今年はどのぐらい伸ばせそうですか)早大記録38"91を更新したい
大前
 (200bは欠場されましたが)100bの予選のときに腰にピキってきて、その日とかは大丈夫だったんですけど、今日(18日)の朝になって痛くなって、とりあえず1本走ってみて、痛かったので棄権した。(4継連覇の感想)まぁうれしいですけど、個人的には多種目での優勝が目標だったので悔しいですね。(東海大を特別意識したか)ダントツで勝てると思っていたから東海というか周りは全く気にならなかった。どれだけタイムが出るかだけだったので。
野田
 (2位でバトンが渡ってきたときの心境)先輩たちが頑張ってくれていたので、安心していた。また、想定どおりであったので、焦ることもあまりなかった。2連覇という意識はありました。1位になった瞬間は、ほっとした。
大沢コーチ(短距離部門)
 短距離に関していえば、ふがいない結果。関カレでは全員が上位に食い込むくらいの力を出さないと、日本や世界ではまだまだ戦えない。(4×100mリレーは)予定どおり。アンカーに中川を使うことができなかったが、代わりの1年野田がよく走った
毛利
 自信はあった。負けるつもりはなかったが、まさか本当に自分が優勝するとも思っていなかった。高校以来の自己ベスト更新!(前は5m00)また、棒高で早稲田が優勝したのは32年ぶり、さらに早稲田の歴代1位記録だった。調子はいいし、怪我もないのでインカレ優勝…は厳しいので入賞目標に頑張る。最終的には5m30を跳びたい
森永
 (3連覇、プレッシャーは)特になかった。自分の力不足です。(この後はどの大会を)3週間後の日本選手権を目指します。
 

◆記者の目から  〜燃えよ、ドラゴン〜

 長距離部門における3年生トリオというと‥。まず、関東インカレの三千b障害で優勝し今波に乗っている篠浦辰徳。次に、持ち味の粘りの走りに加えて、スピードには自信を持つ杉山一介。そして持ちタイムを見れば大学ではトップレベルに位置する空山隆児。この3人が今年の早稲田の結果を左右するといっても過言ではない。その中でも空山隆児の走りに注目したい。

 ところで。想像上の動物、ドラゴンは普段は地中に住み雨や雷になると空を支配していると言われている。大舞台になると強くなり自由自在にレースを操りたい男、空山に相応しい言葉である。また空山自身も「本番になると練習の時以上に力が入る。」と話すように負けたくない気持ちは人一倍強い。常に頂点を見る姿はまさに昇り竜である。

 そんな空山は初めての箱根で区間賞を取り、総合3位を収めたチームに大きく貢献した。そしてその後の関東インカレでは大学のトップが集まる五千bでの優勝。大学の長距離界で大きく取り上げられ、全国にその名を轟かせた。快進撃が続くかと思われた。しかし、それ以降怪我に悩み、走れない日々が続いた。空山の周りに暗雲だけが立ち込めていた。やっと走ることができても結果を残すことが出来なかった。

 そんな状況から抜け出そうと、空山はある決断をした。その決断とはもう一度関東インカレで優勝してユニバーシアードの代表になり世界で戦うこと。それは世界で戦える選手になるという早稲田に来る前から見据えていた空山の原点でもあった。膝がよくなれば踝を痛めと、走りたいけど走れない状況での葛藤。しかし優勝したいという思いを胸にモチベーションを高め、朝、昼、晩と一日に3度の走り込みをこなし、本番に間に合うように調整してきた。

 迎えた関東インカレ当日。真っ直ぐ前を見つめてレースに集中していた。各大学のトップランナーが集った一万bではスタートから常に持ち味の積極的な走りをし、機会を見つけては先頭に踊りでてレースを引っ張った。しかし残り三千b。徐々に先頭においていかれラスト1周でペースを上げるものの結果は8位。順位は不本意ながらも、タイムは28分台と収穫があった。だが、空山自身は「28分台を出すのは当たり前」と振り返り、更なる記録の可能性を感じさせた。続く五千b。レース前、「一万bの時のように急に先頭に立ったり引っ込んだりするな」と遠藤司コーチから言われたためか、先頭の後ろをつけて我慢の走りをして勝ちを狙った。けれども、「自分の弱さが出てしまった」と空山が話すように最後まで喰らいついていけず踏ん張りきれなかった。「勝つ」ことに人一倍こだわる空山。当然納得いく結果ではなかった。こうして関東インカレは幕を閉じた。

 怪我の苦しみ、走れない日々の苛立ち。それらを乗り越えて帰ってきたエース。まだ本調子ではないが「今はまだユニバーシアードの代表の選考にも入らない。でも試合がある限りまだまだ狙っていく」と力強く宣言。世界を目指す、燃える男・空山隆児。再び上昇気流に乗って駆け上がれるか。真の戦いはこれからだ。(文・穐田はるか)


関東インカレ開幕
女子棒高跳び・森永は3連覇逃す
  第82回関東学生対校選手権(通称;関カレ)が開幕した(後半戦、16〜18日は横浜国際総合競技場)。厳しい冬のシーズンに積んだ練習の成果を披露する舞台。ユニバーシアードイヤーの今年、選手たちはどんな結果を残してくれるのか。今大会は、ユニバの選考会を兼ねる7月の全日本学生対校選手権への格好の試金石ともなる。その競技日程と、早大の主な出場予定選手、それから初日(5/11)の速報をお知らせしたい。

 一番の注目はやはり四百bリレー(17日、16:20〜決勝)。エース・大前祐介に北村和也、中川裕介(ともに人3)のスピードランナー、主将の穴井伸也(人4)、そして相川誠也、野田浩之(ともにスポ1)のゴールデンルーキーの加入。圧倒的な層の厚さで、昨年東海大が樹立した38秒57の日本学生記録更新を目論む。ただ今大会は10秒30のベストタイムを持つ相川が故障で欠場。先輩ランナーの実力に期待がかかる。11日に行われた予選は、39秒54で堂々の1位通過を果たした。さらに大前は二百b(18日、13:10〜決勝)の優勝も狙う。大前は今年、この種目での世界選手権(パリ)の出場を目指している。その他の短距離種目は、百b(17日、14:40〜決勝)、百十bH(18日、13:30〜決勝)でも上位入賞の可能性がある。

 中・長距離は苦戦しそうである。昨年大会、驚異のラストスパートで五千bを制した空山隆児(人3)はまだ本調子には遠そう。だが大舞台に強いこの男がどんな走りを見せるのか、期待のルーキー藤森憲秀(スポ1)の出場も予想され、5千b(18日、14:10〜決勝)からは目が離せない。スピードが武器の藤森は千五百b(16日、15:10〜決勝)にも登場か。そしてチームの軸に成長した篠浦辰徳(人3)は三千b障害(17日、15:20〜決勝)と1万b(16日、17:10〜決勝)への出場が予想される。伝統ワセダ復活を目指すチームに、自信と勢いをもたらす走りを期待したい。また八百b(18日、12:40〜決勝)を走るとみられる日笠裕允(人2)の成長具合も楽しみだ。

 11日は女子棒高跳びなどが行われた。この種目、3連覇がかかった森永麻里子(人4)は3m75を3回目でクリアするも3m80は3回とも失敗。結局試技回数の差で無念の2位に終わった。

*結果の詳細、選手のコメントは全日程終了後に掲載します。

春季ロードレース総括
未だ長いトンネルから抜け出せず…
 まさかの総合15位に沈んだ箱根駅伝。悔しさを胸に挑んだ春季ロードレースだったが、早大は未だその長いトンネルを抜け出せずにいる。
 箱根では1区、総合17位と大きく出遅れ、チームに勢いをもたらせなかった篠浦辰徳(人3)。新チームでは軸にならなければならない存在だ。だが、2/2に行われた丸亀ハーフで1時間3分33秒の自己新をマークするも、18位。他大の有力ランナーが2分台でゴールする中で、今ひとつ物足りない結果だった。続いて行われた2/16の青梅マラソン。30`で競われたこの大会では収穫もあった。篠浦と同様に期待がかかる杉山一介(人3)が実業団の強豪を押さえ、2位に食い込む健闘をみせる。強い雨風のレースで、後半に猛烈な追い込みをみせた杉山の走りは、後半の苦しい勝負所での弱さが目立つ早大にとって、大きな価値を持つ力走だった。また原英嗣(人2)も総合で10位に入り、長い距離への適性をみせた。
そして迎えた3/9の立川ハーフマラソン。8月下旬に韓国・テグで行われるユニバーシアードの選考会も兼ねた今大会。春のロードシーズンの総決算として一つの結果が求められる、意味合いの大きいレースとなった。早大は篠浦、杉山、原、岡部祐介(人2)らが先頭集団に食らい付くも、後半のスピードアップに対応できずに後退。結局篠浦が1時間4分5秒で11位に入ったのがチーム最高という、課題浮き彫りの大会となってしまった。大会後、遠藤司コーチからは「後半の苦しいときに走りきれていない」と厳しい言葉が飛んだ。しかしこれが現時点での、まぎれもない早大の実力である。選手も口を揃えたように「粘れなかった、精神的にまだまだ弱い」と同じ言葉を並べた。改善していかなければならない点は見えている。そこをチーム全体でどこまでプラスにもっていけるか。早大浮沈の一つの鍵は、心の部分にある。

◆記録
丸亀ハーフ Q篠浦1時間3分33秒
青梅マラソン(30`) A杉山1時間33分26秒、I原1時間35分23秒
立川ハーフ J篠浦1時間4分5秒、24位杉山1時間4分58秒、37位岡部1時間5分40秒、39位原1時間5分49秒、61位坂口享(政経2)1時間6分32秒

コメント
遠藤コーチ
「後半の苦しいときに走りきれていない。そこがまだまだ苦しい。練習メニューは例年とそんなに変わりはない。それ以上に気持ちの部分を鍛えていきたい」
篠浦
「やはりまだ後半に不安が残る。ペースアップについていけていない。自分の実力的にも自分がしっかり走らないと、チームが活気づかない。どれだけ他大に勝てるかを意識していきたい」
杉山
「14`までくっついたが粘れなかった。気持ちで負けてしまった。12`までは余裕があったが、向かい風を受けてペースアップしたらついていけなかった。悔いが残る」
岡部
「調子は悪くはなかった。先日の青梅に比べればだいぶ良かったが、全体的にはまだまだ。トラックでも走れないと駄目だと思う。とりあえず一万bを頑張りたい」

「12`まではついていけて良かったが、15`以降が最悪…。粘り、精神力がない」


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