◆速報コーナー:サッカー

関東大会準決勝敗退…昇格の夢断たれる
関東大会2回戦 VS専修大

●早  大1 −1 2専修大○
−1

得点者 小貫(34分)

 関東大会準決勝、初戦3−0で神奈川大学を下した早大は、今季都リーグ第2節に引き分けた専修大学を相手に1−2の逆転負けを喫し、関東リーグ2部復帰への切符を逃した。
序盤、右サイドから攻撃を仕掛ける早大。前半16分、右サイドを駆け上がったI堀池亮太(人4)が倒されて得たFK。堀池が蹴ったボールの跳ね返りを前線につめた選手が押し込もうとしたが、相手キーパーがきっちりセーブ。その1分後にはまたしても堀池が右サイドを駆け上がり、そのまま蹴り入れたボールは惜しくもクロスバーの上をかすめた。その後徐々にペースを奪われ、22分にはD国井義和(人4)が、24分にはH矢島卓郎(人2)がそれぞれイエローをもらい、自陣で相手にボールを持たせたままの時間帯が続くなど嫌なムードが漂っていた。そんな中前半34分、E山田正道(人4)が中盤で運んだボールをゴール前に送り、S小貫多加志(教4)のシュートをキーパーがキャッチしきれず、こぼしたところを小貫自らがすかさずつめてゴール。早大が先制した。都リーグで対戦したときは先制されて追いついたことを考えると、快調な滑り出しかに見えた。
 しかし喜びも束の間の前半36分。早大が中盤やや右寄りで得たFKはものにできなかったが、その直後自陣のほぼ同じ位置で相手にFKを取られ、ゴール前のカベが跳ね返したところを押し込まれて同点に追いつかれる。これまで降っていなかった雨が降り出し、ピッチの気温が一気に冷え込む。40分代は左SBA浅川智(法2)から前線へ長いボールが何度か送られたがいずれも決定機にはならず、前半終了直前、相手のFKをGK@時久省吾(スポ1)がこぼし、そのままシュートを撃たれる。ボールはクロスバーに跳ね返って得点にはならなかったが、早大は前半終了のその瞬間を嫌な終わり方で迎えてしまった。

 後半開始後も止まない雨の中、嫌な流れを断ち切りたい早大。5分、ペナルティエリアのわずか外でE山田が倒されFKを得たが、ものにできず結局相手ボールに。ゴール前にバウンドして流れるなど、ひやっとする場面となった。9分には専大の選手がハーフラインから直接狙ったシュートをGK時久が跳ね返し、再度ゴール前の選手に撃たれたシュートもキャッチできず、相手がつめきれていればあわやというピンチを招いた。12分、H矢島が左サイドを駆け上がりゴール前までボールを運んだが奪われ、13分にはI堀池が駆け上がってシュートを放つが、キーパーの跳ね返しにつめようとしたF高橋悠太(人4)はキーパーと交錯し、ファウルとなった。その後は自陣で相手にボールを持たせている時間が長く、相手のオフサイドから速いリスタートでゴール前までボールを運ぶシーンが2回続いたが、どちらも得点にはいたらなかった。後半21分のFKもものにできず、23分にはゴール前でピンチを招くが、この日DFラインでプレーして再三のピンチを救ったK徳永悠平(人2)のナイスカバーリングで免れた。
 曖昧なジャッジなどもあり、両者ともにイライラしたプレーで試合が動かない中、31分早大ベンチはG高橋孝介(人3)に代わってP玉田英史(商2)を投入。38分、相手陣内で2対2になったところにその玉田が追いつくが、切り返しすぎて時間を使ってしまい、後ろに戻すもE山田のシュートは大きく枠を外れた。40分には山田が倒されFKのチャンス。I堀池からH矢島へのボールはクロスバー。そしてその1分後、早大ゴール前に嫌な回転をかけて送られてきたボールをペナルティエリア内でつながれ、専大に2点目を奪われる。嫌な時間に逆転された早大は43分、S小貫に代わってDFB山口貴弘(スポ1)が入り、K徳永が前線に上がる。しかし時間がない早大は焦ったプレーの連続。チャンスを大事に生かしきれない。逆に専大は時間を使おうとし、試合は荒れた。ファウルや抗議で時間が刻々と過ぎていく中、無情にも試合終了を告げるホイッスルが鳴り響いた。

 敗因について、この日唯一得点を決めた小貫は「DFと考えていることが違った。DFはつなぎたいプレーをしていたが、FWとしては間延びしてたしどんどんロングボールとかで足下にほしかった。ゴール前までいけなかったし、ミスも多かった。」高橋悠は「こっちが攻め切れなくて、点取ってチャンスをものにできなかった。逆にリズム与えちゃいましたね。」と共にチャンスはあってもなかなか決定機をつくれなかった試合を振り返った。また、「雨ですね。とにかく蹴ってくる相手のサッカーがハマってしまった。前半は前で奪っていく意識が高かったのだが…」と春日。試合終了後、あれだけ降っていた雨は止んだが、空気はひんやりとしたままだった。
「私自身もそうだが何かが足りなかった。押して押して決められない。あれが決まっていれば、これが決まっていればという場面がたくさんあった。」という藤原義三監督をはじめ4年生の多くが「何かが足りなかった」と口にした。そしてその何かを見つけることを後輩たちに託して、彼らはピッチを後にした。ア式蹴球部はまた1年間、関東リーグ復帰を目指して都リーグで戦うことになる。足りない「何か」を求めて――今年もア式の冬が始まる。

メンバー
GK時久省吾 RB国井義和 LB浅川智 CB春日聡徳永悠平 DH山田正道高橋悠太 OH高橋孝介(玉田英二)堀池亮太 FW小貫多加志(山口貴弘)矢島卓郎
※赤文字は先発メンバー、交代選手は青文字で示しました。


関東大会1回戦を快勝
関東大会1回戦 VS神大(11月4日 埼玉・リコー研修センター)

○早大3 −0 0神大●
−0

得点者 矢島(38分、60分) 山田(64分)

 早大は都リーグを首位で終え、関東大会へ駒を進めた。一回戦の相手は神大。早大は3―0で快勝し、快調なスタートを切った。

 序盤は慣れない芝のピッチの為であろうか、神大の速いパスワークに翻弄される。失うものがない気持ちで向かって来る相手に負けられないプレッシャーを感じていた早大は試合を支配出来ない。再三右サイドから崩されピンチにさらされる。試合は完全に劣勢。しかし、そんな状況でエースナンバー9を引き継いだ矢島が魅せた。38分、ゴール前でボールを受けるとキーパーと一対一に。冷静に流し込みネットを揺らした。何とか先制するもボール際の厳しさがない早大のボール支配率は低いが、相手のスタミナ不足に助けられ、前半をリードで折り返す。

 後半5分、徳永が正確なフィードでサイドに展開し、それを堀池が良い位置で受ける。慌てた相手DFは堀池をファールで止めた。自ら得たFKを狙う堀池だが、放たれたボールは精彩を欠いた。すると、展開は一転し、相手がカウンターに出た。数的不利な状況でスルーパスを出された。反応が遅れるも必死で飛び出してくる神大。そこに守護神・時久が絶妙のタイミングで前に出た。両者はボール際で接触し倒れ込んだ。この危険なプレーで神大FWに二枚目のイエローが出て、退場となった。有利に立ち、これで勢いに乗るかと思われたが開き直った神大に思わぬ苦戦を強いられる。だが決定力を欠く神大に救われ何とか失点を免れた。一方の早大は少ないチャンスをものにした。続いて22分、クリアボールをハーフライン付近でボールを受けた矢島がそのまま独走する。追いついたDFを振り切りシュート。今日二本目のゴールで突き放した。すると26分。コーナーのこぼれに反応した山田がこれを一蹴。地を這うボールはゴールに吸い込まれた。主将の一撃で試合を決定付けたが、思わぬ事態に見舞われる。矢島に代わり投入された松橋が相手選手に対し危険なプレーで一発退場。しかし、何とか逃げきり終了のホイッスル。見事準決勝進出を果たした。

 スコアだけを見れば快勝だ。ただ相手のミスに助けられるシーンも多く決して安定した戦いとは言えなかった。審判の判定については曖昧な場面が多く見られたが、「ちょっと基準がいつもと違うな、と感じた。でも仕方ない。その中でやるだけ。」と徳永。こんな試合状況に左右されず勝てたのは大きい。次の対戦相手は都リーグで引き分けた専修大。意識を改め、再戦に備えたい。

メンバー
GK時久省吾 RB国井義和 LB浅川智 CB春日聡徳永悠平 DH山田正道
(金田隼輔)高橋悠太 OH高橋孝介堀池亮太 FW小貫多加志(庄堂裕也)矢島卓郎(松橋優)
※赤文字は先発メンバー、交代選手は青文字で示しました。


ア式蹴球部女子 関東リーグ戦で初の3位!2年連続でインカレへ
(第17回関東大学女子リーグ戦 9月7日〜10月26日 早大東伏見グラウンドほか)

 ア式蹴球部・女子が関東リーグで部史上初の3位と大健闘した。また、インカレ(全日本大学選手権)の出場権も懸かった今大会。早大は第6節の東女体短大戦の勝利で5位以上が確定し、出場権を獲得した。

 最終節の筑波大戦。前半、基本を大事にプレーする筑波大の前に早大はミスが相次ぎなかなか攻められない。互いに膠着(こうちゃく)状態の続くなか、36分に渡辺夏奈(スポ1)が自らのドリブルで切り込み、ペナルティエリアの外からのミドルシュートを決めた。ここでプレーに余裕ができたものの態勢は変わらずに前半を1−0でおり返す。後半もこの流れは変わらない。流れを変えようと20分、上地優子に変えて富樫美樹子を、斉藤史子に変えて並木梢を投入した。その6分後に、累積により筑波大#10が退場。ここから一気にワセダの流れに。並木、渡辺が積極的にゴールを狙う。また、DFの山崎さやか(法1)がボールを奪い、前線へパスを出す場面も多く見られた。後半41分、渡辺が左からドリブルで相手ディフェンスを抜き去りゴール前まで運び、そこに走り込んできた河田優にパスを出しゴールを決めた。その後45分には並木が20b以上離れたところからのミドルシュートを決め、勝利を決定づけた。
 あいさつを終えた選手たちは笑顔と歓喜に沸いた。初めての3位入賞、そして2年連続のインカレ出場。昨年は、5位でのぎりぎりの出場だっただけに大きな躍進を遂げたと言えるだろう。

 今季を振り返り堀野博幸監督(平4人卒)は、「(大学日本一の)日体大戦に引き分けたのが大きかった」と勝因の起点を述べた。今季、早大は3勝4分と負けなし。だが、第4節の日体大戦まで、勝ち星を挙げられなかった。ここで「いい引き分け方ができた」のをきっかけに、そこから3連勝でリーグ6位から3位まで追い上げた。それは、日体大戦後あたりから「みんがしたいことがわかってきた」(菊山智未)と言うように、リーグ戦中にチームが成長してきた結果と言えるだろう。また、何より渡辺、山崎という即戦力の新人の加入も大きい。今リーグ中、システムは一貫して4−4−2。これは山崎を守備の中心におき、渡辺は中盤で自由に動けるようにするためのシステムでもある。この二人を中心にこのシステムはうまく機能した。
 課題は「攻撃の質と精度を上げること」と堀野監督。インカレまであと2ヶ月。早大は成長を続ける若いチーム。練習を積んだ分だけその伸びしろも大きいはずだ。今年こそは予選リーグ突破、そして日本一へ。ここからア式蹴球部・女子の本当の戦いが始まる。

◆コメント
堀野監督
(今日の試合は)いい評価ができる。いい新人の加入で、みなが触発しあうことができ、チーム全体の底上げができた。(課題は)攻撃面。守備は目途がついた。苦しい局面になると個の力に頼りがちなのでできるだけみなの力で打開できるチームに。(目標は)大学チャンピオン。
菊山 
(感想)いまいちプレーが行き詰まったが、終盤はやりたいことが一致し始めた。(インカレへの課題は)決定力不足。質の向上。DFはラインがしっかりしてきたし、中盤も強くなった。

◆戦績
△1−1日女体大 △2−2東女体大 △0−0武藏丘短大 △1−1日体大 ○3−1神大 ○6−0東女体短大 ○3−0筑波大


第6節 引き分けで3位以内が確定
東京都大学サッカーリーグ戦 第6節 vs日体大 (10月12日 早大グラウンド)

△早  大1 −1 日体大△
−0

得点者 小貫(前半18分)

 現在まで4勝1分で順調に首位を走る早大。第6節は、ホームである早大東伏見グラウンドに4位の日体大を迎えての対戦となった。

 この試合、早大は出場停止のFWJ松橋に代わり33小貫が久々の先発出場。その小貫が早大に先制点をもたらした。18分、右サイド浅めからのI堀池のFK。ゴール前で競り勝ったB山口のヘディングでの折り返しを冷静にゴールへ流し込んだ。その後も中盤のE山田、K徳永を基点としワイドな展開を見せる早大。しかし、前半終了間際の44分、左サイドから上げられたファーのセンタリングの折り返しを中央で合わせられ同点とされた。
試合はそのまま後半へ。

 後半開始早々の46分、徳永からのスルーパスを受けた左サイドのG高橋孝がクロス。小貫のドンピシャのヘッドは惜しくもゴールの枠を外れた。後半序盤こそ攻勢を見せる早大だが、徐々に疲れが見え始めた。相手のしつこいプレッシャーにより中盤でボールを奪われる場面が増え、そこからつながれるボールを相手FWに簡単に持たせてしまう。76分には左サイドL浅川の上がったスペースからカウンターを受け、あわやという場面があったがGK@時久が何とかセーブ。運動量の落ちた早大は、S矢島のヘディングがバーに直撃するという不運もあり同点のまま試合終了となった。

 この引き分けによって早大はリーグ3位以内が確定。関東大学サッカー大会出場を決めた。しかし、試合後の選手たちは不満顔。悪い流れになった後半においても「チーム全体の声が出ていなかった」(浅川)と言うように、試合の中で流れを取り戻すことができるかどうかは早大にとって課題の一つだ。次節はリーグ最終戦。勝って1位通過し、良いリズムのままトーナメントを迎えたいところだ。



第5節 早大快勝で首位をがっちりキープ
東京都大学サッカーリーグ戦 第5節 vs立正大 (10月7日 総和町営グラウンド)

○早  大4 −1 1立正大●
−0

得点者 矢島(前半2分) 矢島(前半20分) 高橋孝(前半25分) 浅川(前半31分)

 前節で首位に立った早大は立正大と対戦した。春季では0ー5と完敗を喫している相手に早大は奇襲を仕掛ける。2分左サイドからG高橋孝が切り込みクロスをあげる。それをS矢島が右足であわせる。鮮やかなゴールで早大が先制する。一方の立正大は前半17分。早大の空いた右サイドを破り、センタリングをあげる。それをヘッドで合わせて同点。追いつかれた早大に嫌な雰囲気が漂う。試合後、この失点の原因を藤原監督は「中盤のバランスによるもの」と分析する。ダブルボランチの一角Q高橋悠をトップ下かと思われる位置に置き、実質E山田のワンボランチのような陣形になっていた。守備一辺倒でなかなか足にボールが落ちつかない立正大は前線にフィードを送り込む。すると中盤で競り合った後のセカンドボールが一枚のボランチでは奪われてしまい、そこから攻撃に転じられた。ベンチはすぐにフォーメーションを修正する。その直後、嫌な雰囲気を一蹴するゴールが生まれる。20分。国井からのスルーパスにJ松橋が飛び出しサイドを駆け上がる。ボールがゴールラインを割るかと思われた瞬間、粘ってクロスをあげる。これをS矢島が確実に押し込む。理想的なゴールにで早大は勝ち越しに成功。このゴールから早大は完全に試合の主導権を握る。25分にもS矢島が前線で起点になり、こぼれをG高橋孝がシュート。相手DFに当たるも強烈な打球はゴールに吸い込まれた。31分には右に開いたI堀池からJ松橋。その松橋が合わせ損ねたこぼれ球をL浅川が押し込んみ、試合を決定付けた。4ー1。圧倒的な早大ペースで前半を折り返した。

 後半。試合を諦めない立正大は早大に食らいつく。53分。中央位置からのFK。ゴール前に絶妙なボールをあげる。それを、またもヘッドで合わされる。打球はGK時久の頭上を越えゴールネットを揺らした。あわや失点かと思われたシーンだがオフサイドフラッグが上がる。ホッと胸をなで下ろす早大ベンチ。一方早大は54分。ゴールから約25メートルの位置でFKを獲得。キッカーはI堀池。その右足から放たれたボールは美しい弧を描くもゴールバーを叩く。57分。スルーパスを受けたJ松橋が飛び出しシュートを放とうとした瞬間、相手DFにボールを触られ、思い切り振り抜かれた松橋の足は地面にたたきつけられた。倒れ込む松橋。ベンチから担架が運び込まれる。その後ピッチに戻るも小貫多加志と交代した。試合は膠着状態に陥る。双方間延びしてしまうシーンも見られたが、交代をうまく使い集中を切らさなかった早大は安定した守備をみせ、得点を許さず試合終了。圧倒的な強さで力の差を見せつけた。

 首位をガッチリとキープした早大は2部昇格へ確実に歩みを進めている。「調子はぼちぼちです」と笑顔で話す矢島。その笑顔の裏には自信と確かな手ごたえがうかがえる。残り2節。勢いのある早大にもはや「死角」はない。

メンバー
GK
時久省吾 RB国井義和(松尾英成)LB浅川智 CB春日聡山口貴弘 DH山田正道高橋悠太(秋山真之) OH高橋孝介堀池亮太(高橋周大) FW松橋優(小貫多加志)矢島卓郎
※赤文字は先発メンバー、交代選手は青文字で示しました。


第4節 快勝の早大、負けなしの3勝目でリーグ首位に
東京都大学サッカーリーグ戦 第4節 vs東洋大学(9月28日 早大グラウンド)

○早  大3 −0 0東洋大●
−0

得点者 松橋(前半41分) 徳永(後半22分) 矢島(後半37分)

 全7節のリーグの折り返しとなる第4節、早大はホームに東洋大を迎えた。前半は2勝1分の2位と順調だが、相手も点差1の3位。後半戦を厳しくしないためにも勝ちたい一戦だ。

 前半の立ち上がりはなかなかボールが回らずチャンスをつかめない。両チームともに決定機を掴めないが、相手のサッカーをさせないようにしていた。そんな中、前半15分にFWJ松橋(=1年)が相手DFの間を抜けてエリア内からゴールを狙うが、詰めてきたGKに阻まれてしまう。続く17分にはFKをOHI堀池(=4年)が直接狙う。ボールは枠内にいくもののキャッチされてしまう。逆に20分には東洋大が早大右サイドから中央にパス、相手のLがDFと競りながら合わせる。シュートは弱く、GKO神田が抑えたがヒヤリとさせられる。それでもなかなかペースをつかめない両チームは、早大がOHG高橋孝(=3年)がエリア付近やや左からシュート、東洋大は右サイドを突破し低いクロスをFW高部が滑り込むがどちらも得点ならず。このまま前半を終えるかと思われたが、39分に試合が動く。DHQ高橋悠(=4年)が中央に切れ込んで松橋へパス。後ろ向きに受けた松橋は反転し、DFが詰め切れていないので思い切り右足を振り抜いた。鋭いシュートはゴール右側のネットを揺らし先制点となった。

 後半に入ると、早大は積極的に攻める。後半3分に左サイドから高橋孝のクロスをFWS矢島(=2年)が左でボレー。シュートはミートが出来なかったが、形は良かった。そして早大はサイドからクロスボールで攻めるという持ち前の攻撃で徐々に試合を支配していく。14分には松橋が折り返したボールをキャプテンE山田(=4年)が左足でシュート、ゴールを狙うが逸れてしまう。この時間帯のボール支配率は早大が圧倒していた。前線からプレッシャーをかけて高い位置でボールを奪い、再び攻める。得点への期待が高まる中、ついにその時は来た。21分、エリアより5メートル手前の右サイドからのFK(キッカーは堀池)が二アの頭を越して中央の松橋へ。GKが阻むもボールは徳永の足元にこぼれ、これを落ち着いてゴール左隅に押し込んだ。待望の追加点が入り、試合のペースを完全に掴むことが出来た。

 何とか反撃し、流れを変えたい東洋大は29分、DFのクリアが高く浮いてしまったところを拾ってシュートを放つ。しかしボールはゴールポストの上を通り過ぎてしまった。このシュートをきっかけに東洋大も少しずつDFラインを上げ、攻撃を仕掛けてくるが決定機は作れず膠着状態となる。この止まった流れを再び戻したのは矢島。37分、中央にドリブルしていった堀池から右へパスが出ると、矢島は素早くシュートし3点目を決めた。試合を決定付ける駄目押しの得点となった。この後徳永がハンドを取られ左サイド深くからのFKを与えてしまうが、きちんと守ってなんとか1点返したい東洋大を振り切って3−0の完封勝利を収めた。

 「前半は自分たちのサッカーが出来なかったが、後半は出来た」(徳永)との通り、前半こそ思い通りにプレーできなかったが、後半はサイドを中心とした早大の攻めからリズムを作れていた。特に後半は怪我で2週間ぶりの先発となったDHの高橋悠が上がり、積極的に攻撃参加することで起点となりボールを回せていたのが良かった。「今日は全然動けなかった」(高橋悠)とのことだったが、アシストも決め存在感を見せた。これで早大は3勝1分でリーグ首位に上がった。前半戦を終えて負けなしで、チームの雰囲気も良いようだ。それでもキャプテン山田は「都リーグは勝って当たり前。内容を重視したい」と満足はしない。注目は次節の立正大戦。現在勝ち星なしで最下位にいるものの、春に大敗を喫してしまっている相手だ。「前後半の立ち上がりに失点が多い」(徳永)という課題を修正し、後半戦を良い流れのまま戦っていきたい。

メンバー
GK
神田義輝 RB国井義和 LB浅川智 CB徳永悠平山口貴弘 DH山田正道金田準輔)、高橋悠太 OH高橋孝介堀池亮太 FW松橋優矢島卓郎庄堂裕也
※赤文字は先発メンバー、交代選手は青文字で示しました。


第3節 悪コンディションもきっちり勝利
東京都大学サッカーリーグ戦 第3節 vs拓大(9月21日 拓大グラウンド)

○早  大2 −0 1拓  大●
−1

得点者 高橋孝(前半34分)、後藤(後半6分)

 台風の影響で試合開始前から強い雨が落ち、ピッチコンディションが悪い中でのキックオフとなった。

 前半開始から、2分G高橋孝介(人3)が左サイドから切り込んで思い切りのよいシュートを放ち、9分にはLBL浅川智(法2)からのクロスボールをJ松橋優(スポ1)がヘディングで合わせるなど攻める早大。対する拓大は前半11分、拓大FWが裏に抜け出ようとしたところを早大浅川に倒されてFKを得る。このFKのこぼれ球を中盤の選手がミドルシュート。ゴールの左ポストを直撃した。しかし、両者合わせてこのほかに決定的なチャンスはなく、その後は互いにぬかるんだグラウンドに苦戦しパスが回らず、決定機をつくれずにいた。

 そんな中前半27分、日韓戦(9月17日 ソウルワールドカップスタジアム)に出場したU−22日本代表K徳永悠平(人2)が中盤でボールをさらい、中央をドリブルで駆け上がる。ゴールまで15mの位置で倒されFKを得たが、I堀池亮太(人4)が思い切り蹴った低いボールはゴールポストの左へ大きくそれた。だがこのFKを機に、互いにゴール前でチャンスが生まれ始める。そして前半34分、左サイドから拓大DF間に抜けたパスに追いついたS矢島卓郎(人2)がDFのプレッシャーを受けながらもループシュートを放つ。ボールは惜しくもクロスバーに阻まれるが、その跳ね返りを猛スピードでゴール前につめてきたG高橋孝が流し込み、ついに早大が先制した。「雨だったのでGKのミスを狙ってた」と言う高橋孝。雨の試合に「苦手意識があった」(秋山真之GM=教4)ことが、ゴール前でこぼれ球への反応を良くしてゴールを生んだ。良い時間に先制して勢いを得た早大はその後も攻め続け、1点を守って前半を終えた。

 後半開始。両チームとも選手交代はないが、雨はいっそう激しさを増した。立ち上がり、前線から激しいプレスをかけてくる拓大に対して早稲田が落ち着いて対処する。
 後半6分、早稲田ベンチが動く。I堀池に代えてD後藤秀平(政2)を投入。直後、この采配がズバリ的中する。右サイドからのスローインをS矢島が中央に折り返したところにD後藤が鋭く反応し右足を一蹴。キーパーは一歩も動くことが出来ず、ボールは左サイドネットに吸い込まれた。交代してからわずか10秒、ファーストタッチで見事に相手の出鼻をくじかせる会心のビューティフルゴールであった。9分には後ろからにフィードにJ松橋がDFラインの背後を取り、完璧な右足でのトラップから左足で狙ったが惜しくもゴール右に外れた。

 早稲田ペースと思われていた15分、左サイドを突破され、ふわりとしたシュートをうたれ、それがクロスバーに当たってこぼれたところを押し込まれた。L浅川が体を張り防いだかにも見えたが判定はゴール。チーム全体が前のめりになっていたところをうまく突かれた格好となってしまった。2−1、1点差。一瞬にして嫌なムードが漂う。その後も、26分、30分と決定的な場面を作られるが、早稲田が粘りのサッカー見せ、なんとか耐えしのぐ。「チームとして高い集中力で戦うことができた」とD後藤が言うように、今日の早稲田はボールへの執着心が強く、大事なところでよく足がでた。前線でJ松橋、S矢島がふんばってボールをキープし徐々にペースを取り戻していく。35分、左からのFKをJ松橋、K徳永とつなぎ、G高橋孝が右足ジャンピングボレーで狙うも、ボールはゴール上に外れた。
 その後、両者決定な決め手を欠き時間だけが過ぎていく。焦りを隠せない拓大は長いボールを多用するも早稲田DF陣がきっちりと跳ね返した。今日の早稲田DF陣はプレーがはっきりしていて、うまく相手の攻撃にリズムを与えなかった。最後は、G高橋孝らがライン際でボールをキープし、選手交代などベンチワークなども含めてうまく時間を使い、試合終了のホイッスルを聞いた。2−1、辛勝。通算成績を2勝1分けとし、勝ち点は7。

 「チームの雰囲気が良くなってきている」と、E山田正道主将(人4)、L浅川が口を揃えて言うように、チームの勢いは増している。最悪のグラウンドコンディションの中、難しい試合を僅差で物にしたのは今の早稲田にとって大きな追い風となる。「東洋はうまい」と次に向けて気持ちを引き締める選手たち。次節東洋戦、このリーグ戦の行方のカギを握る重要な一戦となりそうだ。

メンバー
GK
時久省吾 LB浅川智 CB春日聡山口貴弘 RB国井義和 DH山田正道徳永悠平 OH高橋孝介堀池亮太(後6後藤秀平) FW松橋優(後44高橋周大)、矢島卓郎
※赤文字は先発メンバー、交代選手は青文字で示しました。


第2節 徳永のゴールもドローに終わる
東京都大学サッカーリーグ第2節 vs専修大学(9月14日 帝京大学八王子キャンパス)

△早  大1 −1 1専  大△
−0

得点者 徳永(後半22分)

 初戦を白星で飾り、二連勝で上昇気流に乗りたい早大。相手は前節で同じように4得点を挙げ快調なすべり出しをみせた専修大。この試合、早大はU‐22日本代表・DFK徳永(2年)をスタメンで起用。注目が集まった。

 前半はやや専修大ペース。早大もQ高橋悠(4年)が起点となりサイドからの攻撃を仕掛けていくが、得点には至らず。前半30分からは早大にとって苦しい時間帯となる。ロングボールを多用し、サイドから長身のツートップ45加賀山、J根本に集めていく得意のパターンで、専修大は早大をピンチに追い込む。後半44分、やっと訪れた早大のチャンス。高橋悠が中央からあげたボールがH庄堂(4年)にわたりシュートを放つがオフサイドの判定。そして前半ロスタイム、早大守備陣の集中が切れる。DFのクリアミスから生まれたCKを、専修大190cmの大型FW加賀山がヘディングで合わせ、先制点を奪われる。

 前半終了間際の失点を引きずりたくない早大は、後半立ち上がりから果敢に攻める。後半10分にはOHG高橋孝(3年)に代えてRB28国井(2年)を投入。その結果DH高橋悠がOHへ、RB徳永がDHへとポジションをチェンジ。15分にはFWS矢島(2年)がFWR高橋周(2年)に代わって途中出場。この矢島が積極的な動きで相手DFをかき回す。また前半は前線へのパスがうまくつながらないなど、周囲とうまくかみ合わないシーンも見られた徳永だが、ボランチへと上がったことで攻撃参加の機会が増え、早大に新たな流れを呼ぶ。後半22分、矢島がドリブルで自ら左サイドを突破、完璧なセンタリングを上げると、徳永のボレーシュートへとつながり、ボールはゴールの右隅へ。同点に追い付く。こうなれば一気に逆転したい早大だが、後半32分OHI堀池(4年)がゴール右から狙ったシュートは惜しくもポスト阻まれ、ポストプレーも得点には結びつかず、決定機を逃していく。逆に専修大に守備のスキをつかれ、ゴール前での危ない場面も。後半42分にはD後藤(2年)がFW庄堂に代わって前節までのRBではなくFWで途中出場。しかし変化は生まれず、同点のまま試合は終了。あと一歩のところで勝利を逃した。

 「勝てた試合を落とした。」(庄堂)と言うように、特に後半は試合を優位に進めていながらもドローという結果に終わった早大。先制されたところから追い付くという展開は、これからの糧となるものだったが、リーグ戦を勝ち進むためには、取れる試合を確実に取っていくことが大切になってくる。都リーグは「思ったよりも厳しい」(山田主将)。一勝一引き分けの早大は、追われる立場であり、今後はさらに激しい戦いを強いられることになる。今回の引き分けをプラスの力に変え、次節も勝利を狙う。

メンバー
GK
時久省吾 LB浅川智松尾英成) CB春日聡山口貴弘 RB徳永悠平 DH山田正道高橋悠太 OH高橋孝介(後10国井義和)、堀池亮太 FW庄堂裕也(後42後藤秀平)、高橋周大(後15矢島卓郎
※赤文字は先発メンバー、交代選手は青文字で示しました。


第1節 都リーグ開幕戦は白星スタート
東京都大学サッカーリーグ戦 第1節 vs日大文理 (9月7日 群馬・千代田町東部運動公園)

○早  大4 −0 日大文理●
−1

得点者 春日(前半4分) 堀池(前半18分) 堀池(後3分) 高橋悠

前半4分、ハーフェラインより相手陣内5メートル右よりの位置からのFK(キッカーI堀池=4年)を、DFC春日(=4年)が豪快なヘディングシュートをゴールネットに突き刺し先制。早大はいきなり試合の主導権を握る。つづく前半18分、中央で相手ボールをカットしたDHE山田(=4年・主将)が左サイドに展開。LBL浅川(=2年)、OHG高橋孝(=3年)、中盤の位置まで下がってきたFWR高橋周とテンポよくボールをまわし、その高橋周がスペースへ走りこんだFWJ松橋(=1年)にスルーパス。先にボールに追いついた松橋を日大文理DFがスラディングで倒しPKを獲得。キッカー堀池がゴール左隅に落ち着いて決め2−0で前半を折り返す。

前半の早大は、終始相手の3バックの裏を徹底して狙った。中盤での素早いチェックで相手ボールを奪い、ボランチの山田、高橋悠は速いタイミングで正確なミドルパスを、積極的にスペースへ走りこむ2トップの松橋、高橋周に向けて繰り返し試みた。そこに両サイドのOHが絡み2次攻撃を展開していく。後半25分には高橋悠−周ラインから左サイドでGKの判断ミスを誘い、一人高橋周が抜け出し角度の無いところからシュートを狙うが惜しくもゴール右へ外れるという場面があった。早大の攻めは明快でわかりやすく、そして実に効果的に相手の急所を突いていた。

後半開始早々早大はゴールまで約25m中央で直接FKの機会を得る。キッカー堀池の放ったボールはカーブしながら低い弾道でゴール左隅に決まり3−0と突き放す。そして続く後半開始10分、日大文理FWI金田が早大陣内左よりの浅い位置から、右前方へ走った味方にアーリークロス。早大GK@時久(=1年)が飛び出し交錯した際にボールが中央にこぼれ、これを2列目からつめてきた日大文理FW白浜におしこまれ3−1。後半15分、18分にFW松橋が審判への抗議などで立て続けに警告を受け退場。その後左のOH高橋孝に代えDH25の金田(=1年)を投入。それまで中央でDHを務めていたQ高橋悠を左OHにチェンジ。FW高橋周に代え、H庄堂(=4年)をワントップに据えた。またRBD後藤(=2年)に代え28国井を、故障によりLBの浅川をA松尾(=3年)をそれぞれ後半半ば過ぎに交代、出場させた。

後半38分、交代出場のRB国井から右のスペースへ流れた庄堂にパスが渡る。中央への折り返しを相手DFがクリアミスしたところを高橋悠が拾い、GKの手の届きそうな際どいコースへ放ったシュートが惜しくもゴール右へそれる。続くロスタイムにも金田が庄堂に楔(くさび)の縦パスを入れ、落とした浮き球を山田がうまくヘディングで左のフリーで駆け上がる高橋悠に送る。今度は狙いすましてキーパーの動きと逆のコースへ流し込み駄目押しの4点目。試合を決めた。「初戦は内容を重視していない。結果を重視しているので、結果を出せたことはよかった」(高橋悠)と試合後、勝利の立役者は初戦の難しさを説き、今日の対戦に一定の評価を下した。

後半の早大は、日大文理のエース金田の動きに悩まされた。俊敏で直線的な動きをするこのFW、前半はボールがあまり来ず単独勝負によって局面を打開しようと必死だった。しかし後半自身が基点となって生まれた得点を機に、中盤にまで下がってボールを受けるようになって怖さを発揮し始める。また、「松橋がいなくなってからの時間はきつかった」(浅川)とあるように早大松橋の退場もひとつの転機となった。「まえ(FW)とうしろ(DF)が間延びした」(藤原監督)のとおり、その中盤のスペースを周囲と連携しながら金田は水を得た魚のように自由に動き回り早大の守備網をかき回す。早大のDH金田投入による”金田対決”も結局のところ相手を意識しすぎて早大の守備ラインを下げてしまい受身の体制にならざるを得ない悪循環に。こちらの得点により相手の戦闘意欲を削ぐことができたが、前半にくらべ後半は危険な場面が数多くあった。次節は同日帝京大を4−0で下した専修大との対戦。「今年はどんなことよりも上(関東2部)あがることが最優先」(春日)。課題を修正し、万全の体制で臨みたい。

メンバー
GK
時久省吾 LB浅川智松尾英成) CB春日聡山口貴弘 RB後藤秀平(後32国井義和) DH山田正道高橋悠太 OH高橋孝介(後25金田準輔)、堀池亮太 FW松橋優高橋周大(後30庄堂裕也
※赤文字は先発メンバー、交代選手は青文字で示しました。


社会人倒し、東京都で初の準優勝
第24回全日本女子選手権・東京都大会(6月29〜7月20日 小平中央グラウンドほか)

 ア式蹴球部・女子が、全日本選手権・東京都大会で快進撃を見せ、初の準優勝に輝いた。決勝戦はオウンゴールで負けるという悔しい結果となってしまったが、春からの戦いが納得のいく結果となって表れたと言えるだろう。

 決勝戦の相手は日テレ・メニーナ(Lリーグ・ヴェレーザのユースチーム)。ユースチームだけに中学生が多く体格的には早大有利だった。早大はU−19日本代表でもある新人、山崎さやか、渡辺夏奈(ともにスポ1)がうまく機能する4−4−2の布陣で臨んだ。
 前半早々に相手#10の右サイドからゴール前へのハイボールパスをクリアミスでオウンゴールを与えてしまう。しかしその後は終始早大ペースで試合が進んだ。河田優(社2=今大会ゲームキャプテン)や渡辺から右サイドに展開し、そのままシュートに持ち込んだり、いい形でパスで合わせるがゴールは奪えずに前半を終了した。
 
 後半1点を追いかける早大だが、攻める方向が変わり、試合直前の大雨によるグラウンドの悪さの影響を受け、パスがなかなかつながらなくなってしまう。それでも山崎を中心としたDF陣がふんばりチャンスを作り出した。後半12分、相手GKが取りこぼしたボールを河田が押し込むがわずかに左にそれてしまう。その直後も、センターライン上からの山崎のパスがゴール前の河田につながるがシュートが打てずに流れてしまい、連続してチャンスを取りこぼした。そんな悪い流れを断ち切るために後半14分、FW菊山智未(教3)がケガを押して投入された。それでも流れが断ち切れずに単発のミドルシュートが続いたが、流れを変えたのは後半20分の菊山のドリブルだった。シュートにはつながらなかったが、周囲からも歓声が上がるほどのスピードで突破を見せた。ここで右サイドバックの斉藤史子(社3)を下げMFの佐藤千尋(法2)をトップ下に入れ、3−5−2として点を取る形に切り替えた。ここからは菊山を中心に攻め込み、菊山がうまい形でシュートを打つが一度もネットを揺らすことはできずに試合終了。結局、善戦むなしくオウンゴールが決勝点となる悔しい結果となってしまった。

 終始ボールを支配しながらもゴールを奪えず、明らかな決定力不足が露呈された。右サイドに偏る攻撃も気にかかる。そして、「サッカーがまとまってない」(河田)と言うように、まだまだシステムとしてのサッカーの完成度は低い。だが「前期は個のプレーの質を上げることに重点をおいた」と言う堀野博幸監督(平4人卒)の言葉にもある通り、今はシステム的なことが未完成なのは仕方ないこと。それでも社会人も含め、東京都で初の準優勝。課題はまだ多いが、選手にとって大きな自信となっただろう。秋の関東リーグ、大学選手権に向けて、この夏が大事な戦いになるのは間違いない。

◆コメント
堀野監督
選手がよく頑張った。よいゲームだった。シュート数は多いのに点が取れないのはまだ足りないものがある。分析して、今度は頂点を。目標は日本一!

河田
やられました。(キャプテンは)大変でした。後半は上がりっぱなしでバランスが崩れた。課題は決定力。

菊山
(ケガで)久々でした。裏を狙っていった。1点取れば流れが変わると思ってシュートを思いっきり打った。

山崎
負けたのは悔しいが、楽しくできた。(優秀選手賞は)びっくり。(センターバックとしては?)両サイドの先輩に助けられてます。課題は、体格・選手としての意識の高さ。


◆戦績
1回戦 3―0 駒沢FC
2回戦 1―0 小平FC
準決勝 4−0 インターセプト
決 勝 0−1 メニーナ

※優秀選手賞=山崎

◆短信
ユニバーシアードの日本代表コーチに堀野監督が選ばれた。代表選手は後日発表される。


ア式蹴球部、早慶サッカーで勝利!
早慶サッカー定期戦(5月29日 国立競技場)

 5月29日、東京国立競技場で、第54回早慶サッカー定期戦が行われ、ワセダが1-0で慶応を下し、昨年の雪辱を晴らした。前半は両チーム無得点のまま終了。後半29分、FW庄堂が得点を決め、ワセダが先制する。その後、慶応に攻め込まれる場面もあったが、ワセダがこの1点を守りきり、逃げ切った。MVPには決勝点をあげたFW庄堂が選出され、また、ルーキー、松橋、山口、時久の3選手も揃って活躍し、ワセダにとって実り多き試合となった。


 エース復活。国立を彩った観衆にそんな印象を抱かせたゴールだった。後半29分、慶大キーパーがゴールキックをミス。攻め上がっていたDF山口がその
ボールを拾い、そのまま左サイドを駆け上がりクロスを上げる。このボールをFW庄堂がニアサイドに走りこみ、頭で合わせる。ついに、この試合初めてゴール
ネットが揺さぶられた。

 ワセダはディフェンスラインをフラットにし、中盤をボックス型にした4―4―2の布陣で試合に臨んだ。前半、「中盤のバランスが良くなかった」とMF秋山が話すように、立ち上がり早々から慶応に攻め込まれる。だが、この試合終始安定したパフォーマンスを見せた、春日、山口の両CBを中心に防ぎきり、徐々にワセダもペースをつかみだす。しかし両チームとも決定的な場面を作りだすことは出来ず、試合は0―0のまま前半を終える。
 
 後半になると、ワセダは次々に積極的な選手交代を行い、これが見事、功を奏する。中盤の底に徳永が入ったことにより、ボールが落ち着き、また左サイドに、ともに攻撃力に定評があるMF玉田、DF浅川が入り、それまで右サイドに偏りがちだった攻撃が両サイドから可能になり、ワイドなオープン攻撃を仕掛けていく。そして迎えた後半29分。寡黙なストライカーが、聖地で雄叫びを上げた。

 「それまで何度かチャンスをはずしていたので、絶対決めてやろうと思っていた」とFW庄堂。昨季後半よりケガに泣かされ、今季もここまで不振にあえいでいた。だが「今日の試合は絶対勝ちたかった」と、エースとしてのプライドが呼び込んだゴールだった。

 結局、ワセダはこのまま逃げ切り、勝利を飾った。だが主将山田は「勝ったけど、前半のようなサッカーじゃ、全然ダメ」と笑みは見られず。また「昨年は早慶戦に負けてズルズルいってしまった。今年は勝ったことでこの先も勢いに乗っていけると思う」と副将高橋(孝)。確かにまだまだ課題が多く、「今日出たメンバーが秋にレギュラーで再び出られる保障はない」と藤原監督も語るように、今後も熾烈なレギュラー争いが繰り広げられることが予想され、まだまだチームとしての完成度は高いとは言い難い。けれど、この勝利が秋のリーグ戦に向けて良い弾みとなったことは間違いない。2部復帰を賭ける秋のリーグ戦に向け、期待が高まる。


ア式蹴球部・徳永、追加召集で五輪代表に!!

 ア式蹴球部所属で現U20代表の徳永悠平(人2)が、5月3日に東京・味の素スタジアムで行われるアテネ五輪2次予選、ミャンマー戦に向けたメンバーに選ばれたことが分かった。
 徳永は、長崎・国見高校出身。高い身体能力と、センターバック、サイドバック、そしてボランチと各ポジションを高いレベルでプレーできる戦術理解力で、将来を嘱望されているが、今回の選出はユース代表から五輪代表という「飛び級」昇格となった。早大出身者では、相馬直樹(鹿島アントラーズ)以来の快挙となる。
 しかも、今回の五輪代表召集メンバーでは、徳永は唯一の大学生と、Jリーガーと同等の期待を背負っての選出である。この大舞台での経験が、ア式蹴球部にとって大きなプラスに働くことは間違いないはずだ。


→TOPへ戻る