2003 明治神宮大会速報
またもやまさかの準決勝敗退
早大−東亜大(11月16日)
早  大
東亜大 ×
●越智

<戦評>
 前日の2回戦を辛勝で勝ち進み、迎えた準決勝の舞台。しかし、そこに待ち受けていたのはまたしても信じ難い敗戦だった。4回、米田の豪快な一発で先制をした早大だったが、その後なかなか追加点を奪えない。そして6回、悪夢が幕を開ける。先発で好投を続けていた越智が急に調子を崩し、連打で2点を返されたところで降板。3回出塁した際の走塁時に足首をいためたとのことだったが、結果これが東亜大に付け入るスキを与えてしまった。中継ぎで登板したのは今季獅子奮迅の活躍を見せた宮本だったが、いつものような勢いが感じられない。対して押せ押せムードの東亜大は内野安打で同点とすると、次の打者も四球を選び満塁。ここで相手8番打者に投じた一球が甘く入ってしまう。振りぬかれた打球は強風にも乗ってレフトスタンドへ―。満塁本塁打でこの回一挙7点。大逆転劇を演じられ、早大側はベンチも応援席もしばらく静まり返ってしまった。
 それでも早大は必死に反撃をしたが、この大会通じて見られるチャンスでのつながりのなさが出てしまい、点数に結びつかない。結局最後の回は3者凡退に倒れゲームセット。早大の日本一への思いはまたもや来年へと持ち越されることとなった。

コメント
●野村徹監督
負けてしまった要因はいろいろある。越智が(3回の)三塁への走塁のときに足首を挫いてしまい、踏ん張りがきかなくなった。あのアクシデントがなければ、もっと長いイニングいけたと思う。宮本もリーグ戦で頑張っていたから責めたくない。これを今後に活かしてほしい。打線は12本ヒットを打ちながらホームランによる点だけで、まったくつなぐことができず、空回りしてしまった。でも、打線の拙攻よりも越智のアクシデントが一番痛かった。(リーグ戦終了後の選手たちの気の緩みがあった?)それはなかった。1年生のときから使ってきた選手が多いけど、みんなよく成長してくれた。4年生には本当にご苦労様と言いたい。

●田中浩康
また日本一という課題ができた。ずっと日本一を目指してやってきたチームでできなかったから、また悔しさを受け継いでやっていかなければならない。(四年生に対して)レベルの高い野球を経験させてもらいました。(来季に対して)やっぱり勝たないといけない

●青木宣親
目標として日本一があった。プレッシャーはなかった。4年生には、とにかくもう、ありがとうと言いたい。下の学年には(連覇に向けて)練習時間長くなると思うけど、頑張れよですね。後輩には、いまは何かはわからないけど、でも、何かを残せたと思う。あいつらは(4連覇を達成した)自分たちの後ろ姿をずっと見てきているし。個人としては、当たりは悪いけれど結果は出てきた。今後もいまのスタイルを維持していきたいですね。

●武内晋一
もちろん負けは悔しいけれど、しょうがないです。来年は今の3年生と自分たち(2年生)が中心となってまた春秋連覇して日本一になれるように頑張りたい。(東亜大の投手の印象は)ピッチャーは普通だけど、打たせてとられる感じで。(3−7となってからチームの雰囲気は)また点を取っていこうと思っていたけれど、最後の方はあきらめてしまった感じがないこともないですね。

●由田慎太郎
悔しい。これから大変になるだろうが、後輩たちには日本一になって欲しい。早稲田では一言で言えない程、多くのことを得られた。

●米田文彦
(少し目を潤ませながら)寂しいね。(敗因は?)相手が上だったということ。ピッチャーが良かった。(ホームランは)風に乗った。調子は良かったね。(4年生に向けて一言)このメンバーでやれて勉強になった。今日で終わりと言っても死んだわけじゃない。これからも社会人として色々ある。頑張ってください。(来年に向けて)今回の経験を自分の中でプラスにしていきたい。

●坂本康朋
(今日は残念な結果になってしまいました。)確かに残念だけれど最後の試合なので、お疲れ様という感じです。お世話になったみんなに感謝したい。(自身の4年間の野球生活を振り返って)4連覇が出来たし、ベストナインもとれたから良かった。あとのことは後輩たちに任せたいです。

●宮本賢
まだ一年生なのに投げさせてもらって、とても感謝しているし、自分の成長に繋がったと思う。リーグ戦では自責点が0に抑えたが、今日は打たれてしまった。この悔しさを練習にぶつけて来季へ繋げたいです。四年生の方々には感謝の気持ちで一杯です。

●大谷智久
(逆転された後の登板だったが)久しぶりの登板で、投げられて良かった。大きい舞台で経験できて嬉しかった。(調子は)良くなかった。肩が軽い感じがしてダメだった。昨日の方が良かった。(悪いなりに抑えられたのは)自分の成長した所だと思う。大舞台で経験をつめたが、まだ課題はある。来年の春、先発ができるように頑張りたい。(チームは逆転負けしてしまったが)四年生とプレーできないのは悲しい。今日の悔しさを来年のチームで晴らしたい。(最後の公式戦となった四年生に一言)自分が投げている時も優しく接してくれた。ありがとうございました。

●成田晋也
(7回の先頭打者として代打出場)4年間の最後なので集大成のつもりで打席に立ったが…結果出ず悔しい。(昨日あと少しで安打になりそうな遊直を放ったので)今日は余裕を持てていたが、相手投手のコースがよかった。(これで野球は引退だが)ワセダで野球をやれてよかった。


早大−城西大(11月15日)
10 11
早  大
城西大
○清水

<戦評>
 4連覇を達成し、早大は日本一に4度目の挑戦。初戦は城西大との対戦となった。場所が狭い神宮第二球場ということもあり、早大は各打者の振りがやや大きい。対する城西大は徹底してゴロを転がし野手の間を狙ってくる。1回裏にさっそく連打で1点を先制されてしまうという嫌な展開になった。しかし早大は3回、青木のあわや本塁打という当たりの二塁打から比嘉が左前適時打を放ち同点に追いつく。ここでたたみかけるのが早大らしさではあったが、早大打線はフライアウトが多く、いまいちつなげる打撃ができない。清水も毎回走者を出し、徹底してゴロを転がしてくる城西大の前に奪三振数も伸び悩み、すっきりしないまま回が進んでいく。
 しかし最後に決めたのはやはり主砲の一撃だった。11回表、鳥谷が放った一撃はライナーのままスタンドへ。ベンチから飛び出した選手が抱き合うなど、この試合の苦しさを打開する一撃は貴重なものであった。その裏は清水が締めて試合終了。苦しい試合を何とか勝った早大だが、次の試合はすぐにやってくる。東亜大戦、この試合の反省を生かしていかに戦うか。果たせなかった日本一の夢に向けて、後戻りはもうできない。



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