野球 '99春シーズン・バックナンバー

東京六大学野球 春季リーグ戦 星取り表
 
順 位     早 大 法 大 慶 大 明 大 立 大 東 大 勝ち点 勝率
 1  早稲田  ×  ○○ ●● ○○ ○○ ○○  4  .800
 2  法 政 ●●  ×  ○○ ○●○ ○○ ○●○  3  .667
 3  慶 応 ○○ ●●  ×  ●● ○○ ○○  3  .600
 4  明 治 ●● ●○● ○○  ×  ○○ ●○○ 3  .583
 5  立 教 ●● ●● ●● ●●  ×  ○○  1  .200
 6  東 京 ●● ○●○ ●● ○●● ●●  ×   0  .167

全勝優勝ならず ほろ苦V

連勝ストップ
 優勝の余韻も冷めやらぬまま迎えた最終週。華の早慶戦に早大史上初の全勝優勝がかかっていた。しかし一回戦、慶大先発・山本の前に完封負けを喫し、連勝ストップ。続く二回戦もシーソーゲームの末、1点差で敗れた。8連勝で11季ぶりの優勝に貢献した早大に対して、6季ぶりのBクラス落ちの危機のあった慶大。リーグ戦の成績は対照的だったが最後は慶大が意地を見せる形となった。

歯車ガッチリ
 全勝優勝は失ったとはいえ、早大の快進撃は見事だった。そのビクトリーロードの始まりは東大戦だ。開幕戦で早大打線が16安打9得点と爆発すると、二回戦では鎌田祐哉(社3)が初完投勝利を挙げた。昨秋の東大に勝ち点を献上という悪夢を完全に払しょくする幸先の良いスタートだった。そこから怒とうの8連勝。最終戦まで首位打者争いに絡んだ亀井隆之(商4)、米村洋志(社4)をはじめ、そこからでも得点をとれる打線が、藤井秀悟(人4)、鎌田の両エースを盛り立てた。特に鎌田は、法大二回戦で準完全試合を達成し、立大二回戦では八回一死まで無安打に抑えるなど、勝ち星に恵まれなかった昨年から大きく飛躍した。また、野手陣はリーグ戦をとおして無失策と鉄壁の守りで両エースの好投にこたえた。  野村新体制のもと、梅沢主将中心に投打の歯車ががっちりかみ合った春季リーグ戦。優勝という最高の結果を残して、自信を付けた早大ナインが秋の神宮に戻ってくる日が楽しみだ。

早慶戦戦評
 早大は慶大の気迫の前に2連敗した。一回戦は慶大先発・山本から8安打したが要所を抑えられリーグ戦初の完封負け。連勝は8でストップした。二回戦、早大は梅沢の3点本塁打で先制するが五回に逆転を許す。六回に再逆転するが、七回に決定的な2点を奪われシーソーゲームは早大の負けで幕を閉じた。

◇5月29日(土)◇一回戦
早 大
慶 大

【早】●藤井−林川
【慶】○山本−小河
【本塁打】なし

◇5月30日(日)◇二回戦
慶 大
早 大

【慶】○平井−小河
【早】●鎌田−林川
【本塁打】なし


ワセダ 価値ある準優勝
◇第48回全日本大学選手権(6月12日から19日 神宮球場)
決勝 東都王者の前に完敗 ◇6月19日(土)◇決勝
早 大
青学大

【早】●鎌田、藤井−林川、吉本
【青】○石川−小坂
【本塁打】なし

大学日本一まであと一歩。5年半ぶりの出場となった全日本大学選手権で決勝進出を果たしたワセダ。しかし青学大に2―6で敗れ準優勝に終わった。完敗だった。自分たちの課題が随所に現れた。しかし昨年の低迷がウソのようなここまでの快進撃。「課題」と「自信」――。秋にリーグ戦連覇、日本一を狙うワセダに、今大会は最高の収穫をもたらしたに違いない。

ツメが甘い
 「(優勝を)期待していただろうけど、うちはまだまだ未熟なチーム」。決勝後、野村徹監督はこう語った。青学大との決勝戦。ワセダの抱える課題が随所で出た。投手陣のスタミナ不足、後半にたん白な攻撃――。今までは勢いと勝利の陰に隠れていた課題が、久しぶりに進出した決勝で姿を現した。「あと一本、一歩が出ない」(梅沢健主将=人4)、ツメが甘い――。リーグ戦でも8連勝で優勝を決めたあと、最終節の慶大戦で2連敗。今大会でも決勝戦で弱さが出た。「ビッグゲームをどう戦うか、もう少し大人の野球を」と野村監督は言う。

 しかし今までなかなかグラウンドで現れなかっ課題を、選手たちは初めて体で感じることができた。「今は悔しいけど、少ししたらいいステップになったと思うでしょうね」(藤井秀悟=人4)。秋に真の強さを手に入れるため、ワセダは明確な目標をつかんだはずだ。

大きな自信
 そしてワセダがつかんだものは課題だけではない。もっと大きなものをつかんだはずだ。それは「ここまで勝ち抜いた」という自信。昨年、どん底にあったワセダが大学日本一に王手をかけるまでに躍進した。三回戦、優勝候補の立命大を延長で破った。エースの藤井が8回1/3を2失点に抑え、十一回表tに四番・梅沢主将の適時打で勝ち越した。自分たちの力が全国の強豪相手にも通用することが分かった。いま選手たちを支えるものは、もう昨年の「悔しさ」ではない。勝ち抜いた「自信」だろう。

秋に向けて
 決勝後、野村監督は初めてベンチ入り出来なかった部員もロッカールームに呼んだ。そして「ワセダは勝たなくてはいけない」と言い渡した。確かに頂点には届かなかった。しかし野村、梅沢体制でスタートして半年、新生ワセダは、大きな収穫とともに最高のスタートを切った。明確な「課題」と勝てた「自信」――。今回の準優勝は、秋の日本一への近道となるはずだ。秋に選手たちは言うだろう。「あの準優勝があったから・・・・・・」と。

(坂井裕之)

決勝への道のり
東農大生物産業学部戦。四回に梅沢の本塁打で挙げた1点を先発鎌田が守り切って初戦を突破した。準々決勝は藤井が好投したが九回二死無走者から同点に追いつかれ延長へ。十一回、内野安打の寺嶋を梅沢が適時二塁打で返し勝ち越し。3時間弱の大熱戦の末、立命大を振り切った。

鎌田好投 1点差逃げ切る ◇6月16日(水)◇二回戦
早 大
東農大

*東農大は東農大生物産業学部
【早】○鎌田−林川
【東】●松田−伊沢
【本塁打】(早)梅沢(四回=松田)

優勝候補立命大に競り勝つ! ◇6月17日(木)◇三回戦
早 大
立命大

(延長十二回)
【早】藤井、○鎌田−林川
【立】田中、山田、●平本−小谷
【本塁打】(早)中西(五回=田中)

菊池好投 神宮初白星 ◇6月18日(金)◇準決勝
青森大
早 大 ×

【青】●内山、今野、佐々木、長内−小野泰
【早】村上、○菊池−林川
【本塁打】なし


六大学野球速報

早稲田スポーツ野球部優勝号外の1面 ◆99、東京六大学野球春季リーグ戦(4月10日〜5月30日 神宮球場)

明大に2連勝 11季ぶり優勝

 ワセダが鮮やかに復活した。5年半(11季)ぶりの優勝だ!! 首位決戦となった第6週の明大戦。一回戦を4−1で快勝。優勝に大手のかかった二回戦は鎌田が力投し、明大を8安打2失点に抑え4−2で逃げ切った。ここまで6連勝の早大が2連勝し、早慶戦を前にして8連勝で最短優勝を決めた。

 5年半という長い年月に加え、昨年は早大史上ワーストの9連敗を喫し、どん底まで落ちた。しかし野村徹新監督を迎えた新生ワセダは、今季会心の8連勝で念願の優勝。多くのファンが待ちに待った結果だった。29日からの早慶戦には10連勝、全勝優勝の期待がかかる。

藤井投打に活躍 明大に先勝

◇5月15日(土)◇1回戦
早 大
明 大

【早】藤井−林川
【明】山本、長尾ー的場

鎌田完投! 優勝決めた

◇5月16日(日)◇2回戦

転送が中断されました!

明 大
早 大 ×

【明】大須賀、長尾、池田、山本、−的場
【早】鎌田ー林川


◆前節までの結果

東大に白星発進

◇4月17日(土)◇1回戦
東 大
早 大 ×

【東】遠藤−丹波
【早】藤井、江尻、村上ー林川

鎌田好投で連勝 勝ち点1

◇4月18日(日)◇2回戦
早 大
東 大 <>

転送が中断されました!

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【早】鎌田−林川
【東】井上、真鍋、中河原ー丹波

藤井1失点完投 法大から1勝

◇4月25日(土)◇1回戦
早 大
法 大

【早】藤井−林川
【法】前嶋、安藤ー浅井

鎌田準完全! 法大から勝ち点

◇4月26日(日)◇2回戦
法 大
早 大 ×

【法】藤井、松崎、石川、内山、安藤−浅井、佐藤博
【早】鎌田ー林川

藤井2勝目 立大に先勝

◇5月8日(土)◇1回戦
早 大
立 大

【早】藤井−林川
【東】多田野、矢島、上重、持永、速水ー坂本

野村監督、継投策ピタリ 勝ち点奪う

◇5月9日(日)◇2回戦
立 大
早 大 ×

【立】上野、矢島−坂本
【早】鎌田、江尻、菊池ー林川

早大 優勝間近!!

 完全復活間近だ。昨年、早大史上ワーストとなる9連敗を喫するなど、どん底まで落ちたワセダ。しかし、今シーズンは開幕から6連勝。これは早大にとって、じつに33年ぶりとなる快挙。6試合とも危なげのない試合で白星を重ねた。伝説となっている1960年(昭35)の早慶6連戦を戦った野村徹監督が就任し、野球部は当時のような輝きを取り戻しつつある。15日からの対明治戦は現在の首位決戦。ともに勝ち点3でならび、この試合の行方が優勝を大きく左右する。しかし、明大は東大に1敗を喫しているため、優勝戦線は早大に軍配が上がる可能性が高い。最短では早大が明大に2連勝し、慶大が法大に1敗でもすれば今週中に優勝が決定する。6年ぶりの優勝は目前だ。そして、それが低迷するワセダスポーツ復活ののろしとなる。


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