◆速報コーナー:アメフト
波木がNFLヨーロッパのトライアウトに合格

 早大米式蹴球部のQB・波木健太郎(法4)がヨーロッパのアメリカンフットボールプロリーグ・NFLヨーロッパのトライアウトに合格したことが22日発表された。今後は来年2月中旬から米国で行われるキャンプに参加し、3月20日に発表される最終登録メンバー入りを目指す。
 NFLヨーロッパは、米国プロリーグ・NFLの下部組織で、NFLを目指す選手の登竜門。波木は早大のエースとして、昨年チームを初の甲子園ボウルに導くと、今年夏にはドイツで行われ、日本が連覇を達成した第2回W杯の日本代表メンバーに唯一大学生として選出。今年は惜しくも甲子園ボウル出場はならなかったが、昨年に続いて関東大学リーグMVPを受賞するなど、学生界屈指の選手。今回のトライアウト合格は以前から海外挑戦を志向していた波木にとって、その第一歩となる。

東海大に延長戦の末惜敗、2年連続の甲子園出場は叶わず
関東大学選手権準決勝 東海大戦(11月23日 東京・駒沢陸上競技場)


●早大34 7−7 37東海大○
13−7
0−13
14−7
延長
0−3

甲子園へ続く道は断たれた。関東大学選手権準決勝、早大は延長戦の末34―37で東海大に惜敗。残り1秒からQB波木健太郎が32ヤードTDランとTFPで追加点を挙げ8点差を追いつく神懸り的な粘りを見せ、延長に持ち込んだものの、あと一歩及ばなかった。

プレーオフ準決勝・東海大戦展望

最大のライバル法政を破り、Aブロックを全勝で1位通過した早稲田が、いよいよ関東大学選手権「クラッシュボウル」準決勝(23日10:45試合開始 駒沢陸上競技場)をむかえる。対戦相手はBブロック2位通過、関東屈指の実力を秘める東海大学。負ければそこで終わり、勝つことこそ全ての真の決戦が始まる。

<戦力分析>
 まずオフェンス、早稲田のオフェンスの弱点を見つけることは難しい。関東最高のQB波木(法4)を軸としてラン・パスどちらでも勝負できる、まさに付け入る隙が無いオフェンスだ。それを支えているのは関東屈指の強さを誇るOL陣。RB神(教4)、新田(商3)のランが通るのも、波木がパスを投げることができるのも彼らのブロックあってこそ。
 東海オフェンスの脅威はラン攻撃。岩崎、進士の強力RBコンビは1回のランで平均7yd(ヤード)を稼ぐトップクラスのスプリンター。スピードのあるRBに加えて大型ラインも揃っており、並のディフェンスではとても止められないラン攻撃を展開する。弱点はパス攻撃、QB石川とWR林のホットラインは強力だが1試合に1つは許してしまうインターセプトは相手に流れを与える要因になっている。ほとんどの試合で獲得ヤードを上回っておきながら圧倒できない理由はそこにある。実際、専修大戦ではインターセプトからタッチダウンを奪われ、敗戦に直接つながってしまった。
 オフェンスではやはり早稲田に軍配が上がる。むしろ、これほどバランスの取れた威力のある攻撃力を展開できるチームは関東では早稲田以外にないと言えるほどだ。
獲得ヤード (ラン) (パス) 得点 攻撃権喪失
早大 451.5 299.7 151.8 47.5 0.3
法大 379.0 237.7 141.3 29.2 2.3
※数字は1試合平均


今期、試合を重ねるごと成長してきた早稲田ディフェンス。一試合平均2本しかタッチダウンを許していないのは立派。サイズ・スピードを兼ね備えたDL陣のラッシュは強力、相手OLを圧倒してラン・パスどちらを止めるのにも貢献している。DB陣も好調で相手に思うようなパスを投げさせないだけではなく、インターセプトでチームに流れも引き込んでいる。
 東海の守備力はリーグ屈指。関東ナンバーワンの呼び声も高いDL山崎を軸としてDL、LB、DBどのポジションにもリーグ屈指の人材が揃っており、弱点は見つからない。なんといっても1試合平均ラン喪失ヤード83.2は驚異的な数字で、関東一のラン守備を誇っている。ラン守備に比べるとパス守備が弱く見えるが、1試合平均1つ以上はインターセプトを奪うなどビッグプレイの可能性を秘めており決して軽視できない。
 両チームとも高い守備力を誇るチームだが、ディフェンスでは東海に軍配が上がる。ラン守備に関する安定度は群を抜いており、どのチームにとってもこのチームから大量得点を計算することは難しい。
喪失ヤード (ラン) (パス) 失点 攻撃権奪取
早  大 294.0 139.0 102.0 14.2 2.7
東海大 244.8 83.2 161.7 18.3 2.2
※数字は1試合平均



<勝負のポイント>
 まず早稲田オフェンス対東海ディフェンス。RB神のダイブ(FBによる中央へのランプレー)を基本としてオフェンスを組み立てる早稲田にとっては、OLがどれだけ東海DLを押し込むことができるかがキーになってくる。神のダイブで確実にヤードを稼げるようなら、相手の注意が中央に集まるため、神へのフェイクからの波木のランやパスが決まって、かなり楽にドライブできることになるだろう。しかし、相手DLのほうがオーバーパワーしていた場合には、できるだけ多彩な攻撃で的を絞らせないことが大切になる。その場合キーマンになると見られるのがレシーバー陣だ。TE安村(商4)、WR吉田光(人3)、斉藤(商2)がTDパスを取ることができるような展開にもっていきたい。とにかく波木のQBキープ以外にどれだけTDが取れるかがキーポイントになる。

続いて早稲田ディフェンス対東海オフェンスに話を移す。こちらもDLがOLに対してどこまで力を発揮できるかが鍵を握っている。エースRB岩崎を止めるためにはいかに押されないかが重要なポイントになる。押されないということはそれだけ相手RBが走るコースを狭めることになるからだ。課題といわれ続けているLBだが、主将有泉も徐々にこのポジションに順応してきており完成度は高まってきている。幸運だったのはAブロックで日体、法政という強力なラン攻撃をもったチームと対戦してきたことだ。そこで得た自信と反省はこの試合に大いに活きてくるだろう。DB陣にとってはこの試合は大きなチャンスだ。インターセプトを奪えばこのプレーオフの流れにも影響するほどのビックプレイになるだろう。

試合のポイントは早稲田オフェンスが何本取ることができるかにかかっている。早稲田はトップクラスのラン攻撃を擁する法政を3本以内に抑えているだけに、それ以上の失点をすることは無いと予想される。そうなると、オフェンスが3本以上とることができれば早稲田の勝利はずっと近づくことになる。
また、力がそれほど離れていないだけに、ターンノーバーが鍵を握ることになる。東海はターンノーバーの多いチームなのでチャンスは大きいが、逆に相手からターンノーバーを奪うことも多いためミスは許されない試合になるだろう。

勝ちが全てのプレーオフ、どれだけ善戦しても負ければ意味はない。関東王者としてではなくあくまでも日本一への挑戦者として、形にこだわらずただ勝ちだけを狙う。去年は奇跡を演じたが、今年は奇跡を起こさせない。
法大との全勝対決に勝利!
関東大学リーグ戦第6戦 法大戦(11月9日 神奈川・横浜スタジアム)

○早大24 −0 21日体大●
−0
−7
−14

 関東リーグ戦Aブロック最終戦は法大との全勝対決となった。昨年はクラッシュボウル準決勝で当時関東8連覇中の法大に奇跡的勝利を収めていた。今季も甲子園へいくためにも、そして立命大への戦いを挑むためにもかならず倒さなければならない相手・法大。両者ともにプレーオフ進出を決めてはいたものの、関東一の好カードと呼ぶにふさわしい試合となった。
結果は逆転の末、24-21で早大が熱戦をものにした。


 法大のキックオフから始まったこの試合。第1シリーズから早大の攻撃の中心、QB波木健太郎(法4)、RB神聖(教4)のゲインで徐々に敵陣に攻め込むと神がTDを決め、7-0と先制。その後、DF陣が法大のパスミスが続いたこともあり、パントにおいこみ、攻守ともに上々の立ち上がりとなった。しかし、一気に流れを引き寄せるまではいかず、次のシリーズはパントで終えてしまう。第3シリーズは波木のロングゲインなどで前進。敵陣18ヤードからの2ndダウン6で2Q目に入ると、神が中央を突くダイブを繰り返すが、法大DF陣におさえられてしまい、エンドゾーンまであと5ヤードを残し4thダウン。早大はFGを狙うことになり、今シーズンキックを専門に出場している島崎泰介(教3)が登場、きっちりゴールを決め、10-0と法大を引き離す。その後は両校ともになかなか攻め込めず、均衡状態が続き、前半終了。

 後半は開始直後にDB鈴木浩太(政4)のインターセプトから攻撃権を得るとショットガン体系などを交えながら攻め込む。新田潤(社3)がランで法大DF陣をすり抜け、TDしたように思われたが、残り2ヤード付近でサイドラインをわってしまい、TDならず。しかし、この後の3rdダウンで再び新田が走り、TD。17-0とリードをひろげた。しかし、すぐに失点を許してしまう。続く早大のシリーズでは敵陣29ヤードまでいったものの4thダウン2からのギャンブルがまさかの失敗。流れが法大に傾き始める。それは3Q途中から降り出した雨とともに悪化し、4Q開始直後にまたもTDを許し17-14と一気に追い上げられてしまう。なんとか耐えたい早大であったが、雨の影響からかQB波木のファンブル、そして、QBサックを受けるなどまったく攻撃がかみあわなくなってしまい、パントするしかなかった。勢いに乗った法大はこの日好調の俊足RB伊藤善章(#29)にボールを集め、ラン攻撃を仕掛けてきた。伊藤の一人舞台を演出してしまう早大DF陣。またもTDを決められ、結局3シリーズ連続でTDに結び付けられていまい、17-21。ついに逆転された。この時点で残りは3分のみであった。雨は次第に強くなり、このまま悪い状態が続くのかと思われたが、今年の早大はここで踏ん張れるまでに成長を遂げていた。TE安村健志(法4)へのパスが連続して成功するなど、残り3ヤードまでせまる。1stダウン、2ndダウンで前進できず、あと一歩のところで苦しんだが、最後はエース波木のランでTDを決めた。24-21。残り時間28秒での逆転劇だった。そして、このままタイムアッップ。

 昨年の甲子園ボウル出場、そこで味わった悔しさから生まれた立命大を倒すという明確な目標を達成するのためのチームは完成しつつある。早大史上初のリーグ戦全勝を飾り、勢いに乗った早大はまずは関東制覇をかけてクラッシュボウルに挑む。


◆コメント
日野監督
(今日の試合について)勝ててよかったし、逆転する力がついたってこと。去年はノリだったけど、今年は実力がついた。ただ次やってどうかっていうのはある。でも法政とやるのはいいね。見応えがある。負けて反省するんじゃなく、勝って反省できる試合だった。朝倉はディフェンス2本までに抑えるといって3本、オフェンスも4本だったのに3本。1本帳尻がずれた。法政はやはり強い。今日は臨むにあたって、「プレーオフは今日から始まっている」と話した。3戦全部勝たないと。あと二つも負けては全勝の意味がない。(リーグ戦振り返って)実力は紙一重、一歩間違えればという中で、後半オフェンス、ディフェンスのバランスが良くなった。ディフェンスは2本以内に抑えたし。(去年と比べてどうですか?)実力はUPしている。去年以上。TEのパスとWRも光だけじゃなくなった。バックスも波木・神は相変わらずだし、新田が秋に育った。今年は立命を常に見据えてきたからここまで実力ついた。毎年高いところを見据えてきたけど、学生達が本当にそれを実現してくれている。
朝倉ヘッドコーチ
(試合の全体的な感想)前半はうちのペース。後半そのままいけないとこが、まだまだ。最後の(TDの)プレーは良かった。今日はむこうのラインも強く、思った以上に今日はうちのプレーはできなかった。前半17ー0で終わって一気にいかなければ。(最後の逆転TDについて)波木が落ち着いていたので、特になにも声をかけなかった。冷静だった。何も言わなくても、時間を使って攻撃することもわかっていたし。(昨年と今年のオフェンス力を比べて)相対的にも絶対的にも上がったと思う。波木、神は変わらないし、吉田光、安村のランもあるし、新田潤もいる。去年より、(レシーバーの力が)分散していていい。

#97有泉主将
前半は良かったが、後半はだめだった。17-0とリ−ドして油断しているつもりはなかったが、そこを引き締めていくのが自分の役目。#29#22対策のDFは用意していたがうまくはまらなかった。内に外にちらされた。雨で向こうのパス攻撃がなくなったのも影響したと思う。法政は去年のほうが強かったと思う。でもこのままやっていたら負ける。決勝であたる覚悟でいく。
(今日は消化試合的な要素もあったが)もちろんそれでもやる試合すべてに全力をつくす。立命とあたるまではどこにも負けないつもりだ。

#5波木健太郎
(最後の逆転タッチダウンのプレ−について)最後は神の動きにディフェンスが流れてくれて、自分が走れるスペ−スができた。あとは一対一で勝てると思っていた。(最後のシリーズについて)オフェンスは集中していた。神のダイブで時間を使えた。春横浜ボウルで立命とやったときは今日やった同じような安村へのパス通らなかった。それが頭によぎったりもしたが、今日は安村がよくとってくれた。あれが今日決まらなければ春から何も成長していないことになる。練習どおりあたりまえにやるべきこと。これで満足せず、糧にしていきたい。でないと立命には勝てない。(3Qについて)流れ悪くなった。雨も強くなった。ボ−ルをゴムボ−ルに変えた。個人的な経験として、これまで雨の試合になると良くなかった。パスミスが多かった。そのあたり、個人的に意識するものはあったが、今日はうまくできた。(プレ−オフについて)今日は全勝という目標が達成できた。法政には学ぶことが多かった。オフェンスとしてはまだまだできることはあったはず。"止められた"という反省の気持ちを持って成長しなければ。目標は法政に勝つことでもない。立命に勝つことだ。

#49神聖
(クラッシュボウル進出決定後の法政戦だったが)自分たちは日本一を目指しているから、負けるわけにはいかない。法政に負けているようでは立命館には勝てない。今日は勝ちにいった。(最初の攻撃の流れでのタッチダウンは)はじめは良かったが、後が続かない。まだまだ課題が残っている。(今日は神選手主体の攻撃だったが)自分はまだコーチたちの期待にこたえられる働きが出来ていない。悔しい。(途中から味方のミスなどで流れが法政にいったようだったが)雨でボールがすべったのもあったかもしれないが、自分たちの気の緩みもあった。どんな時でも100%の力でプレーできるようにしたい。(1位通過でクラッシュボウル出場について)1位通過は嬉しいけど、次からは負けたらおしまい。あくまでも自分たちの目標は甲子園で立命館と戦うことなので、1位とかは関係ない。これからの一戦一戦を大事にしたい。

#4安村健志
(逆転のTDにつながるパスプレーを3本成功させたことについて)こういう大事な場面で自分がやらなければと思った。ここでやらなければ自分が(QBから)TEになった意味がないと思った。ああいうシュチュエーションを想定していた。練習通りやろうと思った。(今季のここまでを振り返って)部史上初の全勝優勝は嬉しい。でも法政も去年(リーグ戦は)全勝したけど、(プレーオフ初戦で)うちに負けた。今日くらいは喜んでもいいが、(次試合に向けて)また引き締め直したい。(今季のここまでの自分自身のプレーを振り返って)自分が試合で活躍しなくても、チームが試合に勝てばいい。

#20斉藤直人
(今日の試合について)
勝ててよかった。負けたら意味がない。法政は去年うちに負けていたけど、勝てるだろうと思っていたはず。今日勝って、勝てないかもというのを植え付けたかった。戦術を隠したつもりはない。隠して勝てる相手じゃないし。アサインメントを間違えてしまって4thダウンギャンブルの失敗につながった。あそこで流れが変わってしまったので、安村さんがパスとってくれてよかったです。(プレーオフ進出について)4年生が苦労してきて今日勝たなかったら崩れていた。でも、勝って自信になったので、おもいっきりやるだけ。4年生とのチームを二週間で終わらせたくない。来年とか考えずにワンプレーワンプレーしっかりやりたい。そうすれば甲子園でリッツにも勝てると思う。


#77村井雄太
(法政のディフェンスの印象は?)DLは正直思っていたほどじゃなく、弱かった。LBはでかいですけどね。去年にくらべてDL中2枚は他の大学と大して変わらない。今日は正直自分たちでリズム崩してしまった。集中していたらもっと楽に勝てた。(今日の最後のドライブについて)出る前に「ここで取れなかったら甲子園じゃ勝てない」といわれた。集中力は本当に今季一番だった。自信があった。(今季のOLはどうか?)セットしてから周りをみて声をかけられるようになった。セットしてからのコミュニケーションがよくなった。(次の東海は?)DLでかくて、強い。東海のDLは関東一。OLで押し込んでいきたい。中のランで。(神について)神が持ってくれれば出る。出なかったらOLの責任。信頼関係はあります。(立命のDLは意識している?)2回やっている分他のDL強いと感じない。あまりに強くて。(去年は関東制覇はOLおかげといわれましたけど、その自負は今年ありますか)ありますね。(オフェンス)11人中5人がOLなんでやっぱ引っ張っていかないと。

早大無敗で2年連続クラッシュボウル出場を決める
関東大学リーグ戦第5戦 関東学院大戦

 リーグ戦第五戦、対戦相手はここまで3勝1敗の関東学院。実力的に見れば早稲田のほうが上だが、QB小松とWR山田のホットラインを中心としたパス攻撃と堅実なディフェンスには定評があり、決して侮れない相手。ここまで無敗の早稲田は、続いて行われる法政・日体戦の結果次第でクラッシュボウル進出が決まるという大事な一戦をむかえた。

 早稲田のリターンで試合開始。1Qからいきなり早稲田オフェンスが爆発した。第一プレー、QB波木(法4)がTE安村(商4)に42ヤードのパスを決め敵陣に攻め入ると、OLで勝る早稲田が有利に攻撃を続け、新田潤(社3)が先制のTD。ディフェンスも好調を維持、DB前田(政3)の2試合連続のインターセプトで攻撃権を奪うと、直後に波木が神へのハンドオフフェイクから敵陣を駆け抜けて独走、2本目のTDを奪う。さらに勢いは止まらず、波木から吉田光(人3)へ44ヤードのロングパスが通って三本目、極めつけは新田潤の今日2本目となる80ヤードのランニングTD。1Qで早くも28対0として勢いの差を見せ付けた。
第2Qは関東学院が意地を見せた。6分8秒に新田潤の3本目のラッシングTDで点差を広げたが、関東学院の変則的な陣形からのパス攻撃に悩まされ、自陣に攻め込まれ、TDを許してしまう。その直後、関東学院にオンサイドキック(もう一度自分たちが攻撃権を得るためにわざと短いキックをける)を成功され、攻撃権を奪われるが何とかでフェンスがしのいで前半終了。

 後半は関東学院のリターンから。早く悪い流れを断ち切りたい早稲田は、相手の反則で得た攻撃権を活かし、新田潤の4本目のTDで再び突き放して流れを取り戻す。いいリズムはディフェンスにも伝わった。DL藤原(教2)が、プレッシャーを受けたQBの手からこぼれたボールを奪い、まさかのインターセプトタッチダウン。その後のシリーズで8点を返されたものの第3Qは49−15で終了。
 むかえた最終の第4Q、新田潤の今日5本目のTDに始まり、波木に代わって入ったルーキーQB新田洋(スポ1)が2つのTDパスを成功。兄弟だけで4Q全てのTDを稼ぎ出して70−15として試合終了。圧勝で連勝を5に伸ばした。

 オフェンス・ディフェンスともにラインが勝っていたため、圧倒的な試合となった。ディフェンスは多少慌てたところがあったものの、しっかりと相手QBにプレッシャーをかけていたし、3つのターンオーバーを引き起こしたのだから及第点といえる。オフェンスは相変わらずラン・パスともに完成度が高い。また、この試合では、神ではなく新田潤中心でも点が取れることを証明した。課題は第2Qに見られたような勝負所での反則だ。これからの試合、少しのミスが命取りになる。詰めの甘さは残してはいけない。

 直後の試合で法政が勝ったため、早稲田の2年連続クラッシュボウル進出が決定。次週、横浜でAブロック1位をかけて法政と対戦する。「関東=法政から関東=早稲田へ」(朝倉ヘッドコーチ)真の関東王者へむけて、立ち止まるわけにはいかない。


波木爆発!ヤマ場の日体大戦に爆勝 プレーオフ進出に王手
関東大学リーグ戦第4戦 日体大戦(10月26日 東京・等々力硬式野球場)

○早大63 −0 14日体大●
14−0
−14
35−0

開幕3連勝で迎えた、プレーオフ進出争う最大ライバル日体大戦。早大はエース波木が232ヤードを走り、パスでも152ヤードを獲得。ディフェンスもインターセプトやファンブル奪取を連発し、重要な一戦に圧勝。勢いに乗ると手のつけられない、早大の真の姿を示した勝利で、プレーオフ進出に王手をかけた。

日体大はランのチーム。昨年関東2位のラッシングを記録した杉原をはじめ快速ぞろいのRBは法大に匹敵するほどの層の厚さを誇る。早大ディフェンスがいかにそれに対応できるのか、3週連続で続くAブロック3強との最初の対戦のを迎えた。
 
絶好の秋晴れの中、日体のリターンで試合が開始された。試合開始直後の第一シリーズ、早大ディフェンスは相手の得意なランプレイを完璧に封じ込めフレッシュ(もう一度攻撃権を得ること)を獲得させない。いい流れで攻撃権を得た早大オフェンスは1Q5分38秒、QB波木健太郎(法4)が中央へのランで一気に37ヤードを駆け抜けて先制。さらに1Q終了間際にDB前田毅郎(政3)インターセプトで攻撃権を得ると、2Q開始直後の11秒またもや波木がキープして敵陣を切り裂き独走、66ヤードのタッチダウン。その後も波木からWR斉藤直人(商2)への31ヤードのロングパスで追加点を奪い前半を21−0で終えた。

 早大のリターンで後半開始。1、2プレイを神(教4)のランでヤードを稼いでむかえた第3プレイ、波木が投じたパスは美しい軌道を描いてWR吉田光(人4)手の中へ、惜しくもタッチダウンは逃したが49ヤードのロングパスを成功させる。直後のプレイで波木が今日3度目のタッチダウンを決め28-0勝負は決まったに思えた。しかし、ここから日体大の反撃が始まる。日体大のエースRB杉原に61ヤードの独走でタッチダウンを許し7点を返されると流れは日体へ。続くオフェンスも止められると、じわじわと攻められ、3Q終了間際にWR米山のランでさらに7点を返され、いやな雰囲気で第4Qむかえる。しかし、早大オフェンスが一瞬で悪い空気を振り切る。波木のキープ、斉藤へのパス、神のランといつもどおりの攻撃で一気に敵陣へ攻め入ると第4プレイ驚きが待っていた。波木から、安村健志(法4)への真横へのパス、受け取った安村が斉藤へパス。これが決まってタッチダウン、35-14として勝負を決めた。その後も神が二つルーキーQB新田洋(スポ1)も公式戦初タッチダウンを決め、もうお祭り騒ぎ、最後はここまで二つのインターセプトを決めていたDB渡辺大地が三つ目のインターセプトを奪うとそのままゴールラインまで駆け込み63-14。オフェンス、ディフェンスともに圧倒して完勝、4連勝で勝ち点を12とした。


 残るは2試合、次の関東学院大戦に勝利すればプレーオフ進出が決まる。オフェンスは波木が全開でタッチダウンを量産、課題だったディフェンスも力を発揮し始めてきた。スキは無い。プレーオフ進出をかけて、万全の体制で関東学院大を迎え撃つ。

◆コメント
朝倉ヘッドコーチ
Q 今日のゲームプランは?
A 日体は両面(O,Dともに出てる選手)が多いので、前半揺さぶって彼らのスタミナを消耗させ、後半に一気に突き放す予定でした。ゲームプランどうりの
ゲームになったと思います。
Q ディフェンス良かったですね
A 練習しましたからね。慶應戦でやらてから危機感を持ってやってきましたけど今日ようやくいやな感じを吹っ切れましたね。
Q渡辺選手について
A合宿で怪我して出ていませんでしたけど練習もがんばってたし、意気込みを感じた。
Q 専修について
A 経験者が多く、フットボールを知っているいやらしいチーム。逆転負けのイメージもあるし、いやらしいチームですね。もう1つは東海が出てくると思いま
す。
Q法政は
Aスピードのあるチーム、やっぱり強いですね。
Q次の試合
Aコーチングもしっかりしてるし、うちと似たタイプのチーム。4,5本対2本ぐらいの試合にしたい。

#97有泉主将
Q 今日のゲームプランは?
A 日体は4番や2番のランが特徴のチームだとスカウティングでわかっていました。そのとうりに来たのでやりやすかったです。それへの対策としては集まりを早くすることを意識しました。
Q 今日のディフェンスは?
A 今日はキャリアーへの早い集まりができました。練習どおり一人が止め、後から来たやつがボールをかき出すということを意識したのが、二度のファンブルフォースにつながったと思います。
Q3インターセプトの渡辺選手について?
A今日の大地は最高でした。
Q今年の法政は
A例年どおり完成されたいいチームだと思っています。
Q次に向けて
A次勝てばプレーオフが決定するのでしっかりと関東学院に勝ちに行きます。

#5波木健太郎
パスがね・・。試合前の練習からあまりよくなかった。悪くはなかったけど、雑にいきたくなかったから、置きにいってしまった。(途中WRになったことについて)(新田)洋に一本取らせたかった。特に意味はない。(新田洋について)まだ1年生だけど、自分が1年生の時を越えている。まだ粗削りなところもあるが、経験をつむことが大切。期待し
ている。来年からはチームの中心になってくる。(オフェンスの出来について)最後まで点を取れたのが良かった。自分は230ヤード走ったが、(自分は)100ヤードでも いいから、レシーバーにもっと(パスを)振り分けていきたい。(これからの試合について)今日の1勝は大きかった。プレーオフ進出が近づいているが、まだ決まったわけではないし、残り(リーグ戦)2試合を落としたら意味がない。油断しないで、残り2試合に臨みたい。

#4安村健志
オフェンス、ディフェンスとも良かった。試合が進むリズムが良かった。(4Qで見せたダブルパスについて)試合前から今日はやるぞって感じだった。いつも準備していた。あれで(TDをとれて)流れがもどった。でも自分としては(自身の投げたパスが)不満。あれはアジャストしてくれた(斉藤)直人のおかげ。(専修のプレーオフが決まったが?)あっちのブロックは専修と東海が勝負強い。どっちが来ても勝つだけ。プレーオフに向けた研究はまだしてない。とりあへず、次の試合を必ず勝って、法政戦を迎えたい。

#20斉藤直人
負けたら終わり、勝ったらプレーオフが見えてくる試合だった。DFがランに強く、止めてくれたし、OFも良くパスも決まってうまくかみ合った。(1本目のTD)狙い通りのプレー。相手がランケアしていたので、奥を狙うことがレシーバーで意識されていた。(ダブルパスからの2本目のTD)だいぶ前から用意していたプレーで練習していた。安村さんが元QBだったし。(今後は)まず関東学院に勝ってプレーオフを決めたい。四年生と今のチームでできるだけ長くやりたい。あとは一週間おきだから、コンディションをしっかりしていきたい。


#41渡辺大地
(今日の試合、活躍したがどうだったか)今日は本当に運が良かった。(タッチダウンは 狙っていたのか)いや、狙ってはいない。自分は足が遅いが、みんながブロックしてくれ た。(3つのインターセプトは)1つは狙っていたが、残りは相手が投げてくれた感じ。( 今後の目標は)チームが立命館に勝って日本一になること。

守りからリズムつくり快勝
関東大学リーグ戦第3戦 帝京大戦(10月13日 東京・等々力硬式野球場)

○早大36 −0 7帝京大●
21−0
−0
−7

 開幕2連勝後、3週間の試合間隔が空いた早大。休み明けの対戦相手は、昨年苦杯をなめさせられ、早大ディフェンスが苦手のパス攻撃を主体とする帝京大だった。この相性の悪い相手に対し、早大はディフェンスが粘り強く守って流れを引き寄せると、オフェンスがそれに応え得点を奪う形で、点差を広げ最終的には36−7で勝利。3連勝でリーグ戦を折り返した。

 昨季の帝京大戦、パス守備が課題だった早大ディフェンスは帝京ショットガン攻撃の前に壊滅、オフェンス陣の度重なるミスも手伝って、まさかの敗戦を喫した。あれから一年、今季も早大ディフェンスの課題はパス守備。早大「最初のヤマ場」(朝倉孝雄ヘッドコーチ)帝京大戦がやってきた。

 直前の集中豪雨から一転、青空の下試合は帝京大の攻撃からスタート。最初のシリーズ、ミドルパスでファーストダウンを許す。すると今度は、パスカバーを意識し下がったLB陣とDL陣の間スペースをランで突かれ、2回のダウン更新で自陣40ヤードまで攻め込まれる。翻弄され気味のディフェンス陣だったが、次のプレーで、CB鈴木浩太(政経4)がミドルパスをインターセプト。常日頃大きな声でディフェンス陣を鼓舞する副将のビッグプレーで最初のドライブを無失点に抑える。
 一方のオフェンスも立ち上がりはいまいち。QB波木健太郎(法4)のパスが決まらず、リズムをつかめない。迎えた3回目の攻撃は相手のパントのミスもあり敵陣33ヤードの好ポジションから。ここで早大はパスがダメならと、RB神聖(教4)のランで前進最後は神自らの5ヤードTDで先制する。
 続く帝京大の攻撃。またもミドルパスとドロープレー(パスと見せかけてのランプレー)で自陣12ヤードまで前進される。しかし、このシリーズを、相手の3回連続パス失敗などもあり、ギャンブルまで凌ぎ、無失点で切り抜ける。そしてようやくオフェンスがエンジン全開。神のダイブを中心としたランプレーで5回のファーストダウンを重ね、最後はまたも神がエンドゾーンへ飛び込み14−0とする。 前半は残り約30秒。しかし、早大の勢いは続く。LB柳生永(政経3)のインターセプトですぐに攻撃権奪うと、残り2秒敵陣42ヤードからのファーストプレー。ショットガン体系から波木が左ライン際マークをはずしたWR吉田光(人3)へパスを通す。吉田は追ってきたタックルを振り切り、今季初キャッチでの初TD。21−0で前半を折り返す。

 後半は早大の攻撃から。今度はRB新田潤(社3)のランを中心にダウン更新を重ね、最後はこの日3本目となる神のTDでリードを広げる。4Qからは若手中心のオフェンスを試す。期待のルーキー、QB新田洋(スポ1)が波木に代わってリーグ戦初登場。最初のシリーズこそ、緊張からかミスを重ねすぐに攻撃終了となるが、次のシリーズでは自らのキープで前進し、最後はWR斉藤直人(商2)へのTDパスを通すなど、十分な働きを見せた。結局試合は36−7で終了。1TDは許したものの、苦手の帝京大オフェンスを粘り強く抑えたディフェンス陣の健闘が光る。

 これでリーグ戦は第4節を終了し、折り返しとなる。4節終了時点で、早大、法大、日体大、関東学院大が3勝0敗。帝京大、東大、慶大が0勝4敗。上位、下位が完全に分かれる結果となった。そして、次節からはいよいよ上位4校同士の対戦が始まる。Aブロックは早大、法大の2強を日体が追いかけ、その下に関東学院大が続く構図。早大は日体大、関東学院大、法大と順に対戦していくのだが、プレーオフ(上位2チームが出場)を争う上で最大のライバルとなる日体大。最初のヤマ場を乗り切った早大が次節、最大のヤマ場を迎える。

◆コメント
朝倉ヘッドコーチ
去年の借り返せた。今までの2戦は格下。ここからサバイバルレース。勝ててよかった。準備はいい準備ができた。前半3本取れて、後半メンバー変えたら点取られてちょっと攻撃も沈んだ。(OF)風が強くパスで崩せなかった。途中でランに切り替えた。(DF)今日は出されても粘り強いDFを目指そうといった。最初のシリーズを防げたのがよかった。インターセプトが大きかった。(次は日体ですが?)強い。法政も手ごわいけど、一番手ごわいかもしれない。特にDFが。苦戦するかも。とにかく次は本当に大事。

奈良OFコーディネーター
(ここまでのOFを振り返って)1戦目はよかったけど、2戦3戦目はそんなによくない。天候のせいもある。パスで崩せなかった。ランはそこそこ出てる。(波木のパスについて)波木のパス能力はもともと高い。コントロールもいい。あとはレシーバーとのコンビネーション。今年にはいってからはパスの練習時間も増えたし、W杯もあった。(神)昨年よりいっそう大きくなった。相手は嫌だと思う。ダイブに関しても、穴をつくのが上手くなった。(OL)去年と比べて抜けた穴は大きい。いま出てる村本なんかはまだ一年だし。ダイブは全体的に相手にケアされているから出にくくはなっているのかも。(新田)春に自信つけた。中のプレーに自信持っている。あとはもうちょっと思い切りプレーしていい。

#97有泉主将
勝ったのは良かった。ディフェンスは外のプレーで二回ぐらいまくられたが、それ以外はプラン通りだった。今日の基本体型は3-4だった。これはLBが多いぶん、ランプレーを防ぐための帝京用のディフェンス。3週間あいたが一週目は全体をまとめる形で二週間は対帝京の練習をおもにやっていた。日体は強いっす。今までとは違うワンランク上の相手。オフェンス次第。オフェンスがとれないときにディフェンスがどこまでふんばれるかが鍵。一つも落とせない。

#5波木健太郎
勝って良かった。今までの2戦は格下相手だったから、今日は去年負けていることもあり、勝ったことは結果としてよかった。ただ内容は個人的には良くなかった。(序盤リズム悪かったが?)プラン的にはパス。一発を狙っていた。それを決められなかった。雨が降ったとか、革のグローブたとかあるが、チームの雰囲気を悪くした。どういう状況でそれは言い訳にならない。日本代表なら…と言われたけどその通り。いかなる状況でもやることが大事。

#4安村健志
今日の試合の出来はチームとしては20点くらい。最初もたついたのがわるかった。自分のプレーは10点。ブロックもパスも全然だめだった。雨の影響でボールがゴム質に変わって、QBとの呼吸が合わなかった。オフェンスラインは最後まで集中を切らさずに良かったと思う。ディフェンスもがんばってくれていて良かった。合宿では体を鍛えようというよりは、精神的な部分を高めようとした。プレーの合わせとか。ただこの試合ではその合宿で話し合ったことが全然だせなかった。リーグ戦では今日の帝京がヤマだと感じていたので、ディフェンスが良かったので、まぁ良かった。次の日体はディフェンスが良いので、今日良くなかった分、がんばりたい。

#49神聖
今日はいまいち。前半の2,3シリーズで得点できなかった。オフェンスがだめ。今日はディフェンスに助けられた。去年負けてたせいもあり絶対負けない気ではいたが、点数をつければ50点。なぜだかわからないが、初めからハドルのリズムも悪くなんかおかしかった。雨も影響したのかもしれない。これまであまり走れていないので、いっぱい走りたい。次回は山場に入るが一つも落とせない。

#1吉田光
今日は雨で大変だった。グラウンドがわるかったし、ボールもゴムに変わって影響もあった。それによってQBとのタイミングも悪かった。(TDについて)ボールをとったらエンドゾーンの前だったから、走り抜けた。今シーズン、ボールに絡んだのは始めてだった。(レシーバー)今年はユニットとしてみんなが試合で動くことを意識している。相手がどんなチームであろうと、相手に合わせるのではなく、常に自分たちの形で戦えなければいけない。 昨年、春と立命に敗れて、アメフトを始めてから、初めて目標が出来た。ふだんの練習からいつも立命を意識しないと、勝てない。立命は一番強いオフェンスを相手にディフェンスの練習をしている。これからあたるチームとの一戦、一戦が大切。本当に毎試合が大切。今は一戦、一戦が財産です。

#16新田洋
(初出場の感想)自分が出場するのは勝ちが決まった試合だが、今日の出来はあまり良くなかった。(ミスについて)試合慣れはしているので、緊張ではない。雨のせいにしてはいけないがそれもあったし、集中力がなかった。(大学と高校のプレーの差は感じるか)全然違う。高校のアメフトは遊びと言ってはいけないけれど、真剣ではなかった。大学では、1プレー1プレーの重要性を感じる。(目標)コーチに「今はまだ甘えられるが、波木がいなくなったらそうはいかない。今のうちに学べるものは学んでおけ」と言われた。今はそれが目標。

◆今後の日程
10/26 日本体育大  等々力球技場
11/2 関東学院大学  大井第二球技場
11/9 法政大学  横浜スタジアム


格下相手に思わぬ苦戦
関東大学リーグ戦第2戦 慶応大学戦(9月20日 東京・等々力硬式野球場)

○早大36 −7 21慶大●
15−8
14−0
−6

 雨中での試合となった早慶戦。序盤、格下の慶大相手に先行を許す展開となるが、WR斉藤直人(商2)のキックオフリターンTDをきっかけに流れをつかみ、最終的には36−21で勝利。内容は悪いながらも、鬼門であった第2戦を制し、開幕2連勝とした。

 慶大の攻撃から試合開始。早大は2度ファーストダウンを更新されると、次の自陣40ヤードからプレーであわやTDというパスを通される。最後は残り1ヤードからのランプレーでいきなりの失点。早大もQB波木健太郎(法4)の個人技によりすぐさま同点に追いつくが、直後慶大にまたも深くまで攻め込まれてしまう。ここは相手のFG失敗に助けられるが、続く早大のファーストプレーで神聖(教4)が痛恨のファンブル。慶大にこの絶好ポジションからの攻撃を確実にTDに結びつけられ(トライフォーポイント=TFPでのプレーも成功)7−15とリードを許す。一昨年、昨年と、初戦を制した後の格下との第2戦を自滅で落としてきた早大だけに嫌な空気が流れる。

 だが、この流れを一発で断ち切るビッグプレーが飛び出す。直後の慶大のキックオフを早大リターナー・斉藤がそのままエンドゾーンに持ち込む、キックオフリターンTD。ライン際でバウンドした球を捕るタイミングを一瞬ずらしてから、一気にライン際を駆け抜けた。TFPでのプレーも成功した早大はその後流れをつかむ。神のTDで前半をリードして折り返すと、後半もRB新田潤(社3)と神のTDで得点を重ね、守っては慶大の攻撃を1TDに抑え、36−21で試合終了。オフェンスは雨天のため、パスを控え、波木・神のランを中心に展開、ファンブルとインターセプトを1つづつ犯したが5本のTDを奪い、ディフェンスもオープンのランやQBの個人技にてこずりはしたが、課題であったパスの守備は健闘するなど、まずまずの内容。しかし、あくまで最強・立命大を倒すことを目標としている早大。当然試合後コーチ、選手達に笑顔はなかった。

◆コメント
朝倉コーチ
負け試合。今までのワセダならモノにできなかった負け試合をモノにできたということは良かったが。(斉藤)直人のリターンTDがなければ負けていた。オフェンスはミスがあったし、守備も後半は持ち直した反面QBの個人技にやられた。

#97有泉彰人主将
初戦は緊張して試合に向き合えるけど二戦目は緊張が解けやすく緩んだムードになりがちなのでそこら辺を気をつけ無ければいけなかったんですけど。やってはいけないことをしてしまったということですね。
#5波木健太郎
今日の試合は全然だめだった。こんなプレーをしていては、プレーオフ進出も危ない。勝ったけど、負けた試合だと思いたい。
#49神聖
OFがつまらないミスを連発したり、うまく攻められなかったのが苦戦の原因。今日は慶應が良かったのではなく、うちがダメだった、改善することはいっぱいありすぎて挙げられません。
#20斉藤直人
第一戦で活躍できていたので、今回もと思って試合前の練習から自分が舞い上がってました。今日はDFがごてごてになってしまっていOFも良くなかった。(キックオフリターンTDについて)少しは流れを変えられたが、もう少し・・長いゲインのプレーがもう少しできたらよかった。


秋季リーグ開幕!早大圧勝も気を緩めず
関東大学リーグ戦第1戦 東京大学戦(9月6日 東京・大井第2球技場)

○早大56 −0 7東 大●
14−0
14−7
21−0

 9月6日より秋季リーグが開幕した。昨年度、初の関東制覇を果たした早大は厳しい夏合宿を経て二連覇を目指す。追われる立場となり、マークも厳しくなるが、昨年の甲子園ボウル、春の横浜ボウルで完敗した立命大へのリベンジに向けた戦いとなる。大学生唯一W杯代表に選ばれ世界を経験した波木を中心にチームは整った。

 早大は東大を相手に56-7と快勝し、好スタートを切った。

 1Q、いきなりのショットガン体制でQB波木健太郎(法4)からWR斉藤直人(商2)へのロングパスが通ると、勢いに乗った早大はRB神聖(教4)、RB新田潤(社3)のランで前進、開始2分31秒でいきなりTDを奪う。その後のキックは公式戦で始めてキックを任された斉藤がきっちり決め7-0。東大はリターンをファンブル。早大はそれをリカバーし、攻撃権を得た。しかし、その後はラン、パスを交えFDを積み重ねたものの神がFGを二本はずし、流れを引き寄せられないまま2Qへ。

 DF陣の安定で相手に攻撃をさせない早大。2Q開始直後、波木から斉藤へのロングパスがまたもや決まると斉藤が30ヤードランをみせ、TD。キックも決め14-0。その後は時間をかけながら徐々にゲインをして、最後は波木のダイブによるTD、藤原裕樹(教2)のキックで追加点を入れ、21-0で折り返す。

 3Qは東大からの攻撃。一度FDを奪われた後の第二シリーズ、FDまで5ヤードあったため、早大はパントをリターンするチームにしたが、東大はパントフェイクをしてきたため、早大DF陣は意表をつかれてしまう。そのため、相手に勢いを与え、TDを許す。キックも決められ21-7。しかし、早大はすぐに反撃。吉田光(人3)ひのロングパスのあと、神がDF陣を振り切りTD、その後東大がリターンを再びファンブルしたボールをリカバーし、神が連続TD。一気に35-7と突き放す。

 4Qは疲れの見える東大を攻め込み、波木のランでまずTD。その後も後半から調子の出てきた新田がゲインを重ねながらDF陣を突破すると2本のTDをきめ、相手を寄せつけず、56-7の快勝となった。

◆コメント
朝倉コーチ
目標が0失点、5TD以上だった。オフェンスは始めのFG2本がいけない。TDを取らないと。後半向こうの足が止まってから点を取ってもだめ。むこうがベストの状態で圧倒しないと。チームの誰もが喜んではいない。

#97有泉彰人主将
ゲーム前から五本以上取れる予定でした。序盤に二度惜しいところでTDを取れず、FGも外してしまったのは反省すべきです。そこで確実に取ることが勝負どころでの強さにつながると思います。ディフェンスラインは去年からのメンバーが多くいて力がある。自分を含めLBが守備の課題だと考えます。
#5波木健太郎
56点じゃまだまだ、勝ったことはいいが、内容を求めると納得はできない。立命や法政に勝つためにはまだまだ。後半はいいかたちだったが、前半の2本の失敗したFGは、FGではなくTDをとらなくてはいけなかった。自分の流れが悪かった。(4年目の開幕はさすがに緊張はなかった?)緊張した。始めのプレーは特に。春から試合にもそれほど出てなかったから。けど、ファーストプレー(ショットガンからの斉藤直人へのロングパス)が決めれてよかった。ずっと前から最初にあのプレーをやることは決まっていた。
#4安村健志
今日の試合は個人的には前半熱中症の影響でだめだった。後半、一本波木から良いのもらったのは良かった。チームとしてはまだまだ(得点を)決められるところで決まってないから、そこらへんをきっちり決めたかった。春は何も思わなかったけど、秋はシーズン開幕を迎えるにあたって、最終学年だし、スターターとして迎えたということを含めて緊張した。
#49神聖
初戦ということで、まず勝てたことがいい。しかし、「圧倒する」という目標からすると出足の第1Qの内容に不満が残る。個人的にも、チームとしても春、そして夏とやってきたことの成果を見せたいというテーマをもって試合に臨んだ。今日の自分の結果は良かったと思う。 次は早慶戦。だからもちろん勝ちたいと強く思うが、春にやったときはいまいちな内容だったし、去年つまづいた第二戦ということもあるので、春からの成長を見せ付ける試合をしたい。
#20斉藤直人
一本目のロングパスは試合前から狙っていたので「取ろう」と思って。成功して安心しました。TDのプレーもコーチから狙うと言われていて、相手DFの守備体型がやりやすい形だったし、問題なくできました。キックをすることは合宿後に言われたばかりでまだ不安で。二本決まってよかったです。でも、トライフォーポイントの時だけみたいなんでそれだけ練習しました。
#28新田潤
東大相手にチームは勝って当たり前、個人としてどれだけ走れるかをキーとしていた。もっと走るつもりだったがいまいち…悔しい!途中、自分のキャリーのコールがなくて焦りました。後半はよかったから五分五分かな。OLが乗ってきてたからひっぱってもらえました。


日本代表壮行試合に波木が出場

6月22日、7月にドイツで開催される第2回ワールドカップに向けて、日本代表は在日米軍オールスターと川崎球場で壮行試合を行い、90―12で完勝した。この試合には学生としてはワールドカップメンバーにただ一人選出された早大ビッグベア―ズの波木健太郎も出場を果たし、1Qはリターナーを務め、3、4Qでは本来のポジションであるQBを務めた。出場時間こそ短かったが、2本のTDパスを決めるなど、その才能の一端を見せた。「今日はインターセプトされるなど、ミスが多かった」と本人は自分のプレーに対して納得のいかない様子ではあったが、「あれくらい活躍してくれれば、十分だよ」と阿部代表監督は合格点を与えた。 「代表チームで自分は一番下の方だが、高いレベルで練習させてもらうことは勉強になるし、楽しい」と話す波木。また「社会人の皆さんが気を遣って頂けるので、すごくやりやすい」とすっかりチームにも馴染んだ様子だった。ワールドカップ開幕まで、あと少し。万全の状態で臨んでほしい。


半年ぶりの再戦 またも立命大に完敗
ヨコハマボウル 立命大対早大 (6月1日 横浜スタジアム)

 6月1日、横浜スタジアムで、ヨコハマボウルが行われ、昨年度の日本チャンピオン立
命大パンサーズと関東王者早大ビッグベアーズが激突し、早大ビッグベア―ズが28―77で敗れた。昨年の甲子園ボウルのリベンジに燃えていた早大だったが、序盤から攻め込まれる場面が多く、終始、苦戦を強いられた。今季、日本一を誓う早大にとって、昨年同様、今年も立命大は大きな壁となりそうだ。



 完敗。「全く相手にならなかった。」と早大の主将有泉彰人(人4)が語るように、昨年、ライスボウルを制し、名実ともに日本一となったチームの底力は違っていた。QB高田を中心とする多彩なオフェンス。持ち前の身体能力を十分に生かした鉄壁とも思えるディフェンス。立命大の圧倒的な力の前に、またしても早大は涙をのむ結果となった。 
 立命大の攻撃からはじまったこの試合、開始23秒で早大はいきなりTDを許してしまう。「あの失点でチーム全体が慌ててしまった」とTE安村健志(法4)が振り返るように、この失点がきっかけとなって、その後もズルズルと失点を重ねてしまう。結局前半はTB新田潤(社3)の1TDのみに抑えられ、7―42で終了。後半も立命大の一方的なペースかと思われたが、早大はなんとか落ち着きを取り戻し、徐々にリズムをつかんでいく。特に攻撃はQB波木健太郎(法4)が2TDを奪い、またこの試合から導入したショットガンが随所に決まるなど、冴えを見せた。しかし、立命大も着実にチャンスをものにし、点差を広げていった。

 「一からやり直しです」と主将有泉。春の総括として臨んだこの一戦。結果が結果だけに試合後、選手たちは一様に悔しい表情をにじませていた。だが、OL宮川哲就(政経4)が「秋に向けて立命以上を目指す」と闘志を燃やすように、選手たちの気持ちは秋に向けて、そして甲子園に向けてすでに切り替えられている。「春は1対1に重点をおいてきた。夏から組織力をどんどん高めていく」と朝倉ヘッドコーチ。また「QBとレシーバーがもっとアジャストしなきゃいけない」とQB波木も語るようにまだまだチーム全体として、改善できる部分はある。「うちはこれまで負けることで多くのことを学んできた。この敗戦をプラスにもっていきたい」と日野監督からも力強い言葉が聞けた。これまでも何度も奇跡をおこしてきたビッグベア―ズ。この敗戦を機にさらにレベルアップした姿が見られるに違いない。まだ秋に向け、時間は残されている。


波木がW杯日本代表に選出! 

 早大のエース、QB波木健太郎(法4)が7月にドイツで開催される第2回W杯の日本代表メンバーに学生として唯一選ばれることが、29日発表された。
 波木は、恵まれた身体能力、特に抜群の脚力から繰り出されるランを武器とし、高校時代から脚光を浴び、早大入学後も1年時から活躍。昨季は早大の甲子園ボウル初出場の立役者として関東大学リーグMVPも受賞。現在学生ナンバーワンQBの呼び声高いプレーヤー。
 それでも今回の日本代表における、アメフトの最重要ポジション・QB枠3人の中に、学生である波木が選ばれたことは大抜擢と言える。記者会見で波木は阿部敏明・日本代表監督とがっちり握手。別れ際に阿部監督が述べた「期待してるよ」の言葉に波木への期待感がうかがえた。
 今後、日本代表は6月14日から練習を開始し、6月22日の壮行試合(対在日米軍 川崎球場)を経て、7月10日〜12日に開催される第2回アメリカンフットボールワールドカップに臨む。


波木健太郎
「選ばれたことについてはうれしい。学生唯一ということもうれしい。ただ、自分より能力の高い学生選手もいるので、申し訳ないと言ってはおかしいが、その分も自分が代表で頑張りたい。自分だけが何かを得られればいいのではなく、得たものをチームや学生界に伝え、フットボールをもっと広めていきたい。出場機会は少ないかもしれないが、学生だからといってひくのではなく、どんどん挑戦していきたい。」

阿部敏彰・日本代表監督
「QBは3人しかいない。(波木)学生であるとかは関係ない。上背があり、クイックパスが投げられるし、レシーバーやリターナー、パンターとしての起用も考えている。(社会人アサヒビール・シルバースターと早大の)合同練習で見て、アスリートな選手であること、試合経験が豊富なことをかった。これからさらに能力を見てみたい。(波木の特長である)走るQBとして使う予定はないが、ショットガンを使う可能性もあり、そこのところはオフェンスコーチと相談したい。」


早慶戦で慶大に圧勝! ヨコハマボウル・立命大戦へ弾みつける
第51回早慶対校戦(5月18日 味の素スタジアム アミノバイタルフィールド)

大学日本一を目指す米式蹴球部が、春季恒例の早慶対校戦で慶大を36−7で下し、春の最終目標、ヨコハマボウルでの立命大戦(6月1日 横浜スタジアム)に弾みをつけた。

1Q3分に、QB波木健太郎(法4)から、今季QBからTEへ転向した安村健志(法4)へのTDパスが通り先制。ファーストシリーズで幸先よくTDを奪ったことで早大オフェンスは波に乗る。2Q2分に残り2ヤードからRB神聖(教4)がダイブでエンドゾーンへ飛び込むと、9分には、この日再三鋭いカットバックからのビッグゲインを見せていたRB新田潤(社3)もTDを挙げて前半を21−7で折り返す。
3QにはRB島崎泰助(教3)のFGで加点すると、4Q2分、またも波木から安村へのTDパスが通る。残り5ヤードから、波木の右へキープするのかと思いきや、波木はディフェンスが右に集中してがら空きのエンドゾーン左に走ったフリーの安村へパス。早大の新たなホットライン誕生を強烈にアピールした。そしてとどめは残り15秒、新田潤の弟でもある、ルーキーQB新田洋(スポ1)の目の覚めるような25ヤードのオプションキープでのTD。その一瞬の加速力は波木に匹敵するスピードだった。
結局試合は36−7で終了。ディフェンスは慶大に13回のファーストダウンを許すなど上出来とは言い難かったが、要所でインターセプトや主将のDL有泉彰人(人4)QBサックなどが飛び出し最小失点で切り抜けた。
一方、オフェンスは今季も破壊力が十分であることを物語った。なかでも今季からスターターとなった2人、この試合のMVP安村と両チーム一の189ヤードを獲得した新田潤の活躍が光った。


1Q 2Q 3Q 4Q 合計
早 大 14 12 36
慶 大

◆コメント

#97有泉彰人主将
前半ディフェンスが足を引っ張った。後半からよくなってが、それではまずい。ディフェンスが頑張ればオフェンスはあと2〜3本TDを取れてたはず。とにかく今日はディフェンスが足を引っ張ってしまった。立命大戦ではディフェンスで勝てるゲームにしたい。
個人的には今日出た課題、具体的にはDLとしての基本的なレスポンス(守備エリア)をカバーできていなかったことを、修正し臨みたい。


#5波木健太郎
今日のオフェンスの出来はほぼ100%に近い。去年よりオプションは少なくパスが多く、幅広い攻撃を目指している。去年までは走れないと悔しかったが、今は感じない。社会人との練習やパス練習で考え方が変わった。やっとQBになったということでしょうね。安村とは頭のなかで通じ合っている。(新田洋については)まだ荒削りなところもあるが能力的には自分は負けているかも・・・。経験は不足しているが身体能力は高い。早慶戦は1・2年と負けていて去年はスターターではなかったから、最後にこうして勝てて良かった。立命戦は一発TDよりも時間を使って攻めて相手に攻撃させないことと集中力が大切だと思う。

#4安村健志
今日はオフェンスは良かった。自分はMVPをもらったが新田(潤)だと思っていたからびっくり。波木からのパスは3年間QBとして一緒に練習してきたのでだいたいどこに来るのか分かる
今日はケガをおしての出場だったが落ち着いて練習通りプレーできた。まだブロックなどの細かいプレーにミスが多いのが課題。それと、ポジション転向後5〜6キロ体重を増やしたがもっとふやしたい。今日はランプレーが多かったが立命大戦ではランプレーをもっとしてきたい。全員がベストのプレーをしなければ、立命大には絶対勝てない。

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