早慶戦100周年記念試合速報

「夢の早慶戦」 軍配は慶大に挙がる

 晴天の空の下、行われた早慶戦100周年記念試合。結果はオールドボーイ戦11−8、全早慶戦3−2で慶大がどちらも勝利した。しかし早慶両校卒のスーパースターが顔をそろえたこの試合は、全体的に勝ち負けだけでははかれない魅力の詰まった試合となった。
慶大
早大
【慶大】 長田−志村−清見−小林基−平井−参鍋−亀井
【早大】 和田−小宮山−越智−生出−佐竹−三澤−鎌田−江尻−大谷−宮本

 13時プレーボールの記念試合。選手がグラウンドに現れアップを始めた時から内野席の観客からは歓声が上がり、カメラ片手にネット際には人が群がった。和田毅、仁志敏久、高橋由伸などのプロ野球選手がそれぞれの母校のユニフォームを着ての登場は、わかっていたこととはいえ観客の心を躍らせたのだった。また鳥谷敬などプロ入りの決まった選手もともにプレーすることから、その姿に来年、あるいは数年後を重ね合わせて見るものもいた。
 早大の先発は六大での活躍も記憶に新しい和田。湊川に二塁打を許すものの、その後3番の高橋からは見事に三振を奪い、ピンチを切り抜ける。するとその裏、二死走者なしから仁志がセンター前に落ちる当たりを放つと、突っ込んだセンター早川のグラブをすり抜けて3塁打に。4番鳥谷の打席で慶大先発・長田が暴投し早大が先制する。
 しかし2回、小宮山が先頭打者の池辺を四球で出すと、大川に右越え本塁打を打たれ逆転をゆるす。4回にも生出が早川にソロ本塁打を打たれリードを広げられた。その裏に武内、由田の現役コンビがともに二塁打を放って1点差に追い上げる。
 その後試合はこう着状態となり、両校ともに安打は放つが点にはつながらず。早大はプロ選手を多数起用しての豪華投手リレーを見せたが、一発に泣くかたちとなった。

<早スポ記者の観戦記>
 この試合、勝ち負けよりも様々な対決や競演が注目された。まずは今年の日本シリーズで実現はならなかった和田(ダイエー)と高橋(巨人)の対決。また、越智や佐竹といった早大現役投手と高橋との対決もファンを喜ばせた。また、仁志と鳥谷の二遊間コンビも見もので6回に飛び出したダブルプレーなど、球場内からは歓声が起こるプレーを見せてくれた。次期主将の田中は比嘉が出場しなかったため初めて背番号10を背負ってのプレーとなった。仁志が交代するまで三塁を守ったが、仁志のプレーには刺激を受けたことだろう。
 しかし高木大成はベースコーチとしてグランウドには立ったものの、プレーヤーとしての登場はなしと寂しい結果だった。
 個人的には早大のOBに視線を送る場面が多かったが、両校の選手は久々に母校のユニフォームに袖を通し、シーズンオフにも関わらず締まったプレーを見せてくれる場面が多かった。現役選手との混合チームという形での試合は現役の選手に大きな刺激を与えたことだろう。来季以降のリーグ戦、そしてこれから新しい歴史を刻んでいく早慶戦において、様々な名勝負・名選手が生まれていくことを期待したい。