<ソフトバンク2-1日本ハム>◇7日◇みずほペイペイドーム

接戦をものにできるのは強さの証しでもある。ソフトバンクが今季7度目の延長戦で今季4度目のサヨナラ勝ちだ。「こういう勝ちは大きいよ。よく粘ってね。近藤も打ったし、最後は周東もね。ほんと大きいね」。王球団会長の声のトーンも弾んだ。

2位日本ハムに2・5ゲーム差に詰め寄られて迎えた本拠地での3連戦。6日の初戦を山川の2本塁打などで逆転勝ち。この日の第2ラウンドは一転して緊迫ゲーム。それでもホークスは負けなかった。延長12回の最後の攻撃。先頭近藤が二塁打で出塁。代打野村勇が申告敬遠で歩かされて巡ってきた無死一、二塁の場面。打席に入ったリチャードはカウント1-2と追い込まれながら低めのスライダーに食らいつき、バットを折りながら中前に運んだ。変化球の対応に苦慮し続けたロマン砲だが、この打席はしっかりと対応しサヨナラ劇のアシスト役となった。「僕は小久保監督に恩返しがしたい。とにかく頑張るだけです」。開幕1軍入りはできなかったが、背水の気持ちで「今」に臨んでいる。師匠と仰ぐ山川の存在も大きい。試合中のベンチでは1打席ごとに打撃内容について語り合い、試合後の2人での打撃練習は日課だ。もう7年目。覚醒の一打になってもらいたいものだ。

チームにとって大きな1勝だった。これで日本ハムとの通算成績が998勝となった。パ・リーグ6球団で各対戦カードの勝ち星が1000勝に到達したチームはまだない。あと2勝を挙げればホークスの対日本ハム1000勝の金字塔を打ち立てることができる。3連勝でメモリアルに王手をかけたいものだ。