世界のホームラン王の目の前で、巨人坂本勇人内野手(28)が2打席連続アーチを決めた。6回の第3打席で均衡を破る7号先制2ランを放つと、8回の第4打席は8号ソロ。先発山口俊投手(29)の移籍後初勝利をアシストした。この日はOBのソフトバンク王貞治球団会長(77)が77年に756号の本塁打世界記録を樹立してから40周年を記念したイベントが実施された。偉大なレジェンドに、現代の巨人を引っ張る主将が頼もしさを示した。

 打球の行方を、目で追うまでもなかった。打った瞬間、坂本勇はスタンドインを確信した。0-0の6回1死一塁。右足にしっかりためたパワーを、数センチ短く持ったバットに乗せた。一塁へ走りだすと同時に、雄たけびを上げながら巨人ベンチに向かって右拳を突き出した。5月10日の阪神戦以来となる7号2ラン。「久しぶりに完璧に打てた。つないで、つないでと思っていた。それで大きいのが打てて良かった」と珍しく喜びをあらわにした。