堂々のデビュー戦を果たした。楽天のドラフト1位ルーキー藤平尚真投手(18)が「日本生命セ・パ交流戦」の阪神1回戦(甲子園)でプロ初登板初先発した。5回を5安打2四死球で2失点に抑えたが、初黒星を喫した。昨夏、神奈川・横浜高のエースとして野球ファンに鮮烈な印象を残してから、1年もたたずに、プロとして聖地に戻ってきた。次回登板で、プロ初勝利を手にしてみせる。

 えんじ色の楽天のユニホームに身を包んだ藤平が、聖地に帰ってきた。プロ入りしてからは、敵地と変わった甲子園のマウンドに上がった。深呼吸し、見慣れたはずの景色を眺めた。「どこからも楽天ファンの声が聞こえなかった」と阪神ファンの歓声を全身に浴びた。デビュー戦は、5回2失点でプロ初黒星を喫した。「緊張はなかった。自分にとっては、いい経験になりました。これからやるべきことも見つかった。得るものが多かった」。すがすがしい表情が、堂々の84球を証明した。