16年ドラフト1位の吉川尚輝内野手(22)が、二塁手の定位置確保に燃えている。1年目の今季は新人合同自主トレ中から右肩痛で出遅れ、春季キャンプは3軍スタート。5月9日に1軍初昇格し、17日ヤクルト戦(東京ドーム)では初のスタメン入りを果たしたが、5試合の出場に終わった。「今年は何も貢献できなかった」。悔いの残る1年だった。

 周囲の期待は大きい。持ち味は50メートル5秒7の俊足と高い身体能力を生かした守備範囲の広さ。10月3日のヤクルトとの最終戦(神宮)ではプロ初安打を含む3安打1盗塁の活躍で、打撃でも大器の片りんを見せた。高橋監督も「守備の動きはいいし、打つのもね。軽快な動きで、来年に楽しみなバッターだと思う」と期待をかけている。二塁手は今季前半、中井を中心に山本、辻などが守ったが固定に至らず、後半からはマギーが守った。阿部から「ドラ1のポテンシャルがあるし、一番期待している」と言われる吉川尚にも、チャンスは十分だ。

 12月は台湾ウインターリーグに派遣され、来年1月には坂本勇と自主トレに臨むなど、忙しいオフを過ごす。「自分は全てにレベルアップしなければいけないので、学べるところを全て学んでいきたいです」。貪欲な22歳の成長が、4位に終わったチームの浮上のカギを握る。【巨人担当 桑原幹久】