DeNA山崎康晃投手(26)が球史に刻むジャンプアップを果たした。7日、横浜市の球団事務所で契約更改交渉を行い、年俸1億5000万円から1億円アップとなる2億5000万円でサインした。4年目の今季は、キャリアハイに並ぶ37セーブで、初めて「最多セーブ投手賞」を受賞。5年目では巨人菅野を超える史上4位の高額年俸となった。将来的なメジャー挑戦にも高い関心を示しながら、チームの日本一を誓った。

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満面の笑みを浮かべながら、山崎は会見場に足を踏み入れた。「納得いく金額でサインができました」。1億円アップとなる2億5000万円で契約更改。プロ5年目では、球団史上最高額で、プロ野球界でも史上4番目の高額年俸に「そういう評価はプロ野球選手としてうれしいこと。責任、行動、言動とか、さらに気をつけなければいけない。アスリートとしても人としても、一流になっていきたい」と言い聞かせた。

新人と外国人を除いたチーム57番目の契約交渉は、クローザーらしく大トリ。37セーブで初の「最多セーブ投手賞」獲得も金額に反映され、大きなジャンプアップとなった。一方で4つの黒星を強く意識する。「1つでも少なくして、1勝に変えることはできないか、その4敗の重さを痛感した」。責任感を口にするのは、もっと高く跳び上がる日を見据えているからだ。

今オフの契約更改で、主将の筒香が将来的なメジャー挑戦を宣言した。山崎は10月に侍ジャパンの一員として日米野球に出場。野球の本場で、力試ししたい感情は、年々増している。「いつか自分も筒香さんのような存在になれればいいと思う。(メジャーには)非常に興味はある。自分の可能性を信じているし、明確な目標でもある。体がボロボロになる前に、トップの人と力比べをしたいという思いが一番」と、強い関心を示した。

球団幹部は、この日の交渉の場でのメジャー挑戦に関する要望は否定したものの、「いつかはそういう話をしないといけないかもしれないね」と覚悟はしている。海を越える前に日本でやるべきことは分かっている。山崎は「ベイスターズが日本一になってからの夢」と大きな夢を胸に秘め、日本の頂点を目指す。(金額は推定)【栗田成芳】

▼来季5年目の山崎が年俸2億5000万円でサイン。プロ5年目までに年俸2億円以上は13人目(DeNAでは初)で、山崎は13年摂津(ソフトバンク)2億9000万円、09年ダルビッシュ(日本ハム)2億7000万円、17年大谷(日本ハム)2億7000万円に次いで4位。セ・リーグでは17年菅野(巨人)2億3000万円を抜いてトップとなった。個人成績に加え、チームの優勝で年俸が大幅にアップするケースが多いが、山崎は優勝経験がない。4年目まで優勝がない選手としては青木(ヤクルト)の2億2000万円を上回る最高年俸だ。