どっしりとしたたたずまいから、西武高橋光成投手(21)が35球投げ込んだ。27日、埼玉・所沢での自主トレで辻発彦監督、小野和義投手コーチら首脳陣が見守る中、捕手を座らせブルペン投球を行った。「まだ6、7割くらい。試合の中でアピールして開幕ローテを狙っていきたい」。秋季キャンプで抱えた右肩の不安をぬぐい去った。

25日までの約2週間、沖縄・石垣島でマリナーズ菊池雄星の自主トレに同行した。「メジャーリーガーの方なので、少しでも吸収できるようにしようと思った」。ウエートトレーニングを本格導入し、体重増を図る中で意識は指先と足先に張り巡らせた。「身長がでかい分、手足も長い。そこを大きくしないと体を操ることができない」。190センチの身長を最大限に生かすための体作りは、自然と公称90キロの体重が105キロにまで増えた。

あくまでも投球のための肉体改造。「左足をぶれずに踏み込むこと。しっかりと踏める感覚を得た」。練習密度に心が折れそうになると先輩の“喝”が入った。「僕が集中しきれていないとき、雄星さんに“喝”を入れていただいた。僕が意志が揺らぐところがあるので『誰かに頼らずやれるようにしろ』と怒ってもらいました」と愛の喝を受けた。

高校時代、名をはせたドラ1高卒投手という点で、菊池と同じ系譜をたどり今季で5年目。背番号は13に変更し「恥じない1年にしたい」と飛躍を誓った。【栗田成芳】