2軍の千葉・鎌ケ谷で腕を磨く若手や、ケガで調整中の注目選手たちなどの近況を報告します。

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昨季、1軍デビューを果たした日本ハム姫野優也の脳裏に焼き付いていることがある。「1軍の経験がなかったので、これが本当に生活をかけて戦っている人たちなんだなと初めて感じました」。本拠地札幌ドームの大観衆…ではない。印象的だったのは、舞台裏だった。

10月2日にプロ初昇格。ベンチで戦況を見つめていた時のことだ。清宮や横尾ら控え選手たちが皆、一斉にベンチから消え去った。「どこに行くのかなと思ったら、みんな(ベンチ裏で)バットを振ったり準備をしていた。やっぱり1軍の選手はこれくらい生活かけてやっているんだな」。自身も2軍で意識してきた準備の大切さ。しかし、それをはるかに超える1軍選手の意識レベルに、思わず舌を巻いた。「みんな自分がどこで使われるのかを先読みして、そこに対しての準備をしている」。自分に何が足りないかが明確になった。

独特の緊張感も味わった。翌3日の西武戦(札幌ドーム)、8回の守備でプロ初出場。「緊張した。地に足がついてない感じで、頭の中が真っ白でした」。さらに4日の楽天戦(楽天生命パーク)では1番右翼で初の先発出場。「チェンジアップ、スライダーがすごかった」と、松井裕に圧倒され、3打数無安打と悔しさが残った。春季キャンプは沖縄・国頭で2軍スタートとなる。「ファームで打率を残して競争に勝って、1軍で2ケタ試合に出たい」。高卒4年目の若武者が飛躍を狙う。【山崎純一】