オリックス若月健矢捕手(23)が盗塁阻止率向上へ「アメフト」の動きを取り入れていることが22日、分かった。

2月に行われたNFLスーパーボウル覇者ペイトリオッツの世界最高峰クオーターバックのトム・ブレイディらの動きを動画で研究。「野球のスナップスローみたいに、ロングパスでも小さいテークバックで投げているので、参考になります」と説明した。

きっかけはアメフトを題材にした漫画「アイシールド21」だ。「野球をやってなかったら、やりたかったですね」と現在もアメフトにハマっており、NFLの他にも日本のライスボウルも動画でチェックしているという。自主トレ期間中には実際にアメフトボールでキャッチボールを実施。キャンプにもボールを持ち込んだ。

成果は早くも表れた。今キャンプでは驚異的な盗塁阻止率をたたき出している。チーム方針で積極走塁を掲げているとはいえ、紅白戦6試合で盗塁企図10回中で7回阻止。鈴木バッテリーコーチは「粗削りの部分もあったけど、ここ数年でスローイングも安定してきた。足の状態も良くなって、トレーニングで体幹がぶれずに下半身もしっかりしてきた」と評価する。

他にもさまざまな工夫を重ねる。握り替えを素早く行うためにミットのポケットを昨年から浅くした。また送球時に後ろに引く癖があった右足を前に出すよう意識して取り組んだ。昨季は3割6厘だった盗塁阻止率を「投手との共同作業にもなりますけど、4割はいきたい」と設定。今季はアメフト仕込みの正確なスローでチームを勝利に導く決意だ。【古財稜明】