【台北=亀山泰宏】楽天岸孝之投手(34)が、今季初実戦で貫禄を見せた。

台湾・ラミゴとの親善試合に先発して3回2安打無失点。「感覚が良くない中、何とか打者と勝負できた」と言いつつ、毎回の4三振を奪った。44球のうち、投球の軸に据える直球とカーブが42球を数えた。「真っすぐはイマイチ。カーブは悪くない」。最後のイニングとなった3回2死一塁では廖健富を迎えた。昨季打率3割8分7厘を記録して「ネクスト大王」の呼び声も高い20歳を追い込むと、初めてチェンジアップを解禁。左飛に仕留めた。

通算122勝、昨季最優秀防御率に輝いた日本を代表する右腕は、地道な作業を丁寧に積み重ね、その美しい投球フォームを揺るぎないものとする。2月1日から本格的に投げ込むのが珍しくない現代の日本球界にあって、今キャンプで初めて捕手を座らせたのが2月11日。その間はブルペンで目の前にトンボを置いて踏み出す左足の位置を安定させるなど確認を繰り返し、立ち投げ、立て膝状態と慎重に階段を上がった。

開幕投手の座を争ってきたエース則本昂が首を寝違え、予定していた登板を2度飛ばしている。クイックモーションで間合いを調節するなど順調に課題を消化し「イニングを重ねて、球数を増やしていきたい」と今後を見据えた。