陽気なだけじゃない! ロッテ新外国人のケニス・バルガス内野手(ツインズ3A)が15日、台湾ラミゴとの練習試合で2月28日のソフトバンク戦以来、30打席ぶりの安打となる2点適時打を放った。

2月の練習試合では26打数10安打、打率3割8分5厘と好調だったが、3月からのオープン戦では20打数無安打11三振と苦しんでいた助っ人。1本に復調の兆しが漂った。

2点を追う6回1死二、三塁、追い込まれてからの7球目。134キロの直球を右翼線へ運んだ。「基本的に真っすぐを狙っていた。今までの打席では低めに手を出したり、高めに手を出したり、いろんな球に手を出していたので、そういうのをやめて、高めにゾーンを上げていこうと思った」と明確な狙いがあった。代走が送られベンチに下がると「ファンの皆さんに愛を届けました。ファンの皆さんも長いこと待っていたと思うのでお待たせしました」と投げキッスを振りまいた。

陽気なだけでなく、まじめな一面も持つ。試合前の打撃練習ではコーチに自ら歩み寄りアドバイスを求める。「初めてのリーグなのでいろいろ相談しますし、わからないことがたくさんあるので『自分はこう思うけどどうですか? 』ということを聞きました」。試合後も「今からミーティングをしてきます」とコーチ室へ向かった。

久々の安打は左打席で放ったが、その手には右打席用の32・5オンス(約921グラム)のバットが握られていた。「(球速の)遅いピッチャーだったので、右用の重いバットを使いました」。左打ちを始めたのは、ドラフトで米大リーグのツインズに指名され入団した09年から。元々は右打者のため、通常左打席では32オンス(約907グラム)と少し軽めのバットを使用するが、この時ばかりは違った。

これまでのオープン戦では無安打。それでもふてくされることなく、明るく振る舞う。「まだシーズンに向けての準備期間。(オープン戦で今まで)結果が出なかったのは残念だけどそんなに気にしてない。シーズンが始まったら1打席も無駄にできないのでそれに照準を合わせていきたい」。開幕まで残り2週間。いつも明るくベンチを盛り上げる陽気で勤勉なプエルトリカンの存在が、チーム浮上の鍵となる。【久永壮真】