県内各高校の卒業式が2日に行われ、駿河総合では、オリックスのドラフト2位紅林弘太郎内野手(18)が出席した。球団寮に入った1月6日以来、約2カ月ぶりの帰静に「向こうでは野球のことばかり考えていたので、落ち着きますね」と笑顔を見せた。

新型コロナウイルスの感染防止のため、規模を縮小した卒業式となったが「(式を)やれない学校もあるので、やれただけよかった」。野球部には、同部卒業生のネームプレートを並べる掲示板などを寄贈。後輩たちに向け「野球部で2年半やりきらないと、ここに名前が載らない。しっかりとやりきってください」とエールを送った。

先月に参加した、プロ入り後初のキャンプを「苦しかった」と振り返った。すでに2軍の練習試合に3試合出場し、3安打と結果を出している。それでも、1軍選手たちのプレーを目にし「何もかもが違う。自分はこれまで何をやってきたんだと感じさせられた。現在は1から野球を教わっています」と話した。

気心知れた仲間たちとつかの間を過ごし、英気を養った。この日のうちに帰阪し、3日にチームへ再合流する。「2軍でいろんな経験をして、与えられたチャンスを生かせるようになっていきたい」。高校生から真のプロ野球選手へと成長する。【河合萌彦】

○…高校3年間で最も印象に残ったことを問われた紅林は、意外にも野球以外のことを挙げた。「3年のときの体育祭ですね。みんなと楽しめたので」。自身は走り幅跳びに出場。1位に輝いたが、グラウンドの端で行われたために目立たず。「もう少し女子からキャーキャーいわれたかったな」と笑った。プロの舞台で活躍し、女子だけでなく、多くのファンからの声援を集めてみせる。