中日大野雄大投手(32)が7回3失点で約1カ月ぶりの3勝目をつかみ、7年ぶりの交流戦勝ち越しに導いた。5回に山川に2ラン、7回も先頭山川の二塁打から犠飛で1点を失いながらゲームメーク。「みんな交流戦で優勝したい思いが強い。前回、前々回はチームの足を引っ張った。みんなのおかげでつかめた1勝です」。4回までもらった5点の援護に押され、交流戦ラスト登板で結果を出した。

前回4日オリックス戦で自身2連敗、4敗目を喫した後、OB岩瀬仁紀氏(野球評論家)から電話をもらった。「フォームに前のカベができていないから球が差し込めない」。歴代最多1002試合登板のレジェンドの助言にヒントがあった。3回に山川から奪った空振り三振は143キロ直球。スピード以上にキレが戻った球がエースに試合勘を取り戻させた。

これで西武戦は5試合に投げて3勝1敗。最後に勝った16年は、くしくもこの日と同じ6月11日で舞台もメットライフドームだった。救援陣の負担が高まっていた中、9回5安打2失点、145球で完投し、先発投手の責務を完遂した。「あの試合は僕の3本の指に入る試合だった。すごく覚えている。悪いイメージじゃない」。5年ぶりの敵地マウンドで再び仕事をやり抜いた。

与田監督は「ゲームを作ってくれた」とエースの仕事ぶりに目を細めた。交流戦も残り2試合で2位に再浮上。初優勝の希望をつなぎ、指揮官は「明日も勝つだけです」と力を込めた。【伊東大介】