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安房21世紀枠で甲子園初出場/センバツ

 創部108年目の安房(千葉)に春がやってきた。午後3時ちょうど21世紀枠での甲子園初出場を告げる電話が鳴った。グラウンドで一報を聞いた早川貴英監督(43)、岩沢寿和主将(2年)らの目から涙がこぼれ落ちる。房総半島の南端、旧安房国が生んだ伝統校に新たな歴史が加わった。

 少子高齢化が進む館山市で、文武両道を実践する。部員35人全員が地元中学の軟式野球部出身。高校再編成計画により、4月には安房南との統合が決まっている。グラウンドは共用で、陸上部が走る時は打撃を中止しなくてはいけない。「個々の力は差があっても、それが9人になった時には力通りの結果にならないのが野球」(早川監督)と全力プレーがモットーだ。

 約10年ぶりに再結成するX JAPANのYOSHIKIとTOSHIは同校のOB。応援歌にはヒット曲「紅」を演奏する伝統があり、YOSHIKIからは100周年にドラムセットが贈られたことがある。そのドラムを応援で使うプランも浮上。エース佐野公亮投手(2年)は「校歌を聞いて欲しい」と偉大な先輩に勝利を誓った。

 海に囲まれる立地で、19日には寒中水泳で気合を入れた。岩沢主将は「甲子園でも全力プレーを目標にします」。房総半島の南端から、胸を張って遠く甲子園に乗り込む。【前田祐輔】

[2008年1月26日9時17分 紙面から]

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