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福留初安打、初打点、出塁率10割デビュー

3回表カブス1死二、三塁、福留はメジャー初安打の左前適時打を放つ(撮影・加藤哉)
3回表カブス1死二、三塁、福留はメジャー初安打の左前適時打を放つ(撮影・加藤哉)

<オープン戦:ジャイアンツ6-12カブス>◇28日(日本時間29日)◇アリゾナ州スコッツデール

 【スコッツデール(米アリゾナ州)2月28日(日本時間同29日)=佐藤直子通信員】カブス福留孝介外野手(30)が、ジャイアンツとのオープン戦の初戦で好スタートを切った。「3番ライト」で先発出場。第1打席の初球で昨年手術した右ひじ付近に死球の“洗礼”でヒヤリも、崩されることなく四球、左前適時打を放った。ストライクゾーンの違い、動くボールへの対応など、まずはクリア。初安打&初打点&出塁率10割のデビューに「いい形でスタートが切れました」と、存在感をアピールした。

 技ありの一打だった。3回一死二、三塁の得点機で迎えた第3打席。カウント2-2から外角チェンジアップにうまくバットを合わせる。ワンバウンドした打球が三塁手の頭上を越えて左翼前へ転がった。会心の当たりではないが、狙い通りの一打。それでも事もなげに振り返る。「広く空いていたんで『あそこら辺に飛んだらいいな』と思ったら飛びました」。記念すべきメジャー“初安打初打点”を献上したジ軍コレイアは、悔しさを通り越し「難しい球を左に運ばれた。いい打者だね。イチローに似ているよ」と脱帽だ。

 早くも適応能力の高さの片りんをみせつけた。“ゴロキング”の異名をとったヤンキース松井、オープン戦で苦しんだレイズ岩村など、日本人左打者はルーキーイヤーに苦労しがちだ。ストライクゾーンの違い、動くボール。越えなくてはいけない壁がある。そのために取り組んできたのが、できるだけボールを引きつける打法。そして微妙に動くボールを左方向に打ち返す練習を繰り返してきた。

 背番号1の打撃を評するとき、ピネラ監督は必ず口にするセリフがある。「左方向に打てるのがいいんだ」。バットコントロールはもちろん、いかに体に近いポイントで打つか。しかし不安はなかった。外角に広いとされるストライクゾーンについて「こんなもんかなって。言うほど広くも感じなかった」と苦にもしていない。2度の五輪、WBCなど豊富な国際経験も後押しとなっている。

 何よりもチームの一員と認められていることを象徴するシーンがあった。第1打席の初球だった。「当ててきそうな雰囲気があった」との予感通りに、先発ロウリーから右ひじ付近にぶつけられた。ベンチに戻ると、「ぶつけようか?」とカ軍の先発デンプスターから“報復”のオファーを冗談まじりに受けたが、「ノー・サンクス」と断ったという。

 4年総額4800万ドル(約50億4000万円)の高評価で入団し、日米メディアの注目を浴びている。そんな中でのオープン戦の初戦。「お客さんが入って(野球を)やると楽しいですね。なんかアメリカに来て野球をやってるって感じがします」。初モノずくめで上々のスタートを切ったルーキーが、勝負強さと野球センスでファンの心をつかむ日もそう遠くない。

[2008年3月1日8時57分 紙面から]

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