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石井一ファン感謝デーで退団あいさつ

大勢のヤクルトファンの前で、ポケットに手を入れながら笑顔で移籍報告した石井一（撮影・鈴木豊）
大勢のヤクルトファンの前で、ポケットに手を入れながら笑顔で移籍報告した石井一（撮影・鈴木豊）

　笑って許して？　ＦＡで西武移籍が決まった石井一久投手（３４）が、ヤクルトのファン感謝デーで退団あいさつをした。スワローズでは見納めとなる背番号「１６」のユニホーム姿でステージへ。神宮球場に集まった１万９２２９人が息をひそめるなか、マイペースな左腕は飾らない言葉で沈黙を破った。

　「西武に移籍することになりました」。単刀直入の第一声に、場内からどっと笑いが起きた。「新しい環境で苦労してこそと思い、決断した。そんな感じて行ってきます！」と締めた。石井一らしい言葉に、笑い声が上がり「頑張れ」の激励も飛んだ。数少ないヤジは、温かい拍手にかき消された。

　「僕は自由人。みなさんもいろいろ勝手にやってるなと思ったんでしょう」と“石井ワールド”に引き込んだ。ユニホームも「トレーナーが欲しいというのであげます」と湿っぽさは皆無だった。しかし、１２年間在籍したヤクルトを離れるからには覚悟がある。「来シーズンが終わったときに石井をとって良かったと西武の方に思ってもらいたい」とこの時ばかりは表情を引き締めた。【柴田猛夫】

［2007年11月24日9時43分　紙面から］

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