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グライシンガー巨人入り決定的
ヤクルトを自由契約となったセス・グライシンガー投手(32)の巨人入団が決定的であることが9日、明らかになった。巨人は先発投手の補強を重要課題とし、グライシンガーの調査を水面下で進めてきたが、2年契約で契約金、出来高を含めた総額5億円(金額推定)でほぼ合意に達した。今週中にも正式決定となる運び。来季、日本一奪回を目指す原巨人に今季16勝でセ最多勝の右腕が加わる。
巨人に先発右腕の大黒柱が加入する。ヤクルトを自由契約となったグライシンガーとの契約交渉が、9日までにほぼ合意に達した。契約の詳細を詰める作業が残っているが、今週中にも正式決定できる運びとなった。
今季の推定年俸4600万円のグライシンガーに対し、巨人は現実的な条件提示をし、誠実な交渉を重ねた。2年契約で、契約金、出来高払いを含めた2年間の総額は5億円程度で収まるとみられる。国内では阪神とソフトバンク、メジャーでも獲得へ興味を示す球団があると伝えられていた。
今月に入り今季年俸の10倍以上、2年10億円をめぐる攻防になるとみる報道もあった。だが現実は、日米を巻き込んだマネーゲームの争奪戦には至らなかった。飛び交う情報に踊らされない巨人の調査力、交渉力が実を結んだ。
今季5年ぶりリーグ優勝を果たしたが、先発投手で年間通してローテーションを守ったのは高橋尚、木佐貫、内海の3人だった。夏場以降は中2日の登板を強いられるなど、決して盤石ではなかった。グライシンガーは中4日の登板もこなせ、故障もない。今季リーグトップの209投球回を投げ、与四球わずか31。抜群の制球力で大崩れする心配もない。白羽の矢が立つのも当然の流れだった。
実力は折り紙付きだ。来日1年目の今季、16勝でいきなりセ最多勝を獲得。防御率も2・84と巨人高橋尚と最後までタイトルを争った。自軍の攻撃時、ベンチで全配球をメモして自身の投球を復習する姿はおなじみ。まじめで研究熱心な姿勢も申し分なく、チームに好影響を与えることは間違いない。
来季の巨人先発陣は極めて強固な布陣となる。エース上原の先発復帰は既定路線。完全復活し12勝を挙げた木佐貫とグライシンガーで右腕3本柱が形成される。左腕は今季の最優秀防御率の高橋尚、最多奪三振の内海がローテーション入り当確とみられる。残り1枠を野間口、金刃らで争うハイレベルな競争となる。上原に代わる守護神として、クルーンの獲得がすでに決定。6年ぶりの日本一奪回へ、原巨人は死角なく補強を進める。
[2007年12月10日9時25分 紙面から]
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