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大場が紅白戦初先発で鮮烈デビュー
ソフトバンクの大学・社会人ドラフト1巡目指名の注目ルーキー大場翔太投手(22=東洋大)が鮮烈デビューを飾った。19日の紅白戦に初先発し、最速149キロの速球と多彩な変化球で川崎、多村、松中ら主力を抑え、3回1安打無失点に封じた。水島新司氏作の野球漫画「あぶさん」にも登場するが、そっくりの快投を演じた。王監督は開幕ローテ入りを「確約」し、開幕投手候補にも名乗りを上げた。
大場は軽くしこを踏んでマウンドに立った。半袖アンダーシャツからのぞく鉄腕をしならせ、先輩打者を楽々と料理した。初回2死から多村の初球で最速149キロをマーク。最後は外角スライダーで見逃し三振に仕留めた。2回には主砲松中を遊直。フリーとシート打撃から3度目の対決で初勝利した。打者10人に33球を投げ、1安打無四球、無失点。ファンから大きな拍手をもらった。
大場は「思い通りの投球ができた。変化球でカウントを取って、追い込んで打ち取ることを考えて投げました。スピードは気にしてなかったけど、何球か力のある球が行ったので続けたい。直球も変化球も厳しいコースに投げられた。ストライク先行で無四球でしたし」と振り返った。
速さの異なる2種類のスライダーとフォーク、チェンジアップと全種類を投げた変化球もコーナーを突いた。楽天など6球団スコアラーが視察したが、速球の球威、変化球の制球力に警戒を強めた。松中は「他の打者と対戦しているのを見てると頼もしいよ」と、大型新人の力を認めた。
スター性もある。野球漫画「あぶさん」の20日発売号で大場が初登場。紅白戦で3回を投げ、9人目の山崎の代打で主人公あぶさんと対決し、投直でパーフェクトに抑える。現実の世界も8人目までは完全投球。山崎に右前にポテンヒットを許したが、1日早い「主人公」になった。
王監督は「変化球でも直球でも何でもストライクが取れる。十分、合格点ですよ」と開幕ローテ入りを確約。「なるべく楽なところから使いたい。開幕戦はプレッシャーもかかる。チーム事情はあるが、彼の持ち味が出るところで使いたい」と開幕候補の1人としても考えている。
この日は大場が友人とカラオケやラーメン店に行った話題で先輩たちの笑いを誘った。自然と輪の中心となり大物の雰囲気が漂う。「今日を生かしてオープン戦に備えたい」。途中からセットポジションで投げる余裕も見せた。大学・社会人ドラフト1巡目で6球団が競合した大物ルーキーは、まだ片りんをのぞかせただけだ。【押谷謙爾】
[2008年2月20日9時1分 紙面から]
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