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山田洋次監督次回作「母べえ」構想明かす

「山田洋次の原風景」に駆けつけた山田洋次監督。右は檀れい
「山田洋次の原風景」に駆けつけた山田洋次監督。右は檀れい

 木村拓哉主演「武士の一分」が大ヒット中の山田洋次監督(75)が5日、34年ぶりに吉永小百合(61)とタッグを組む次回作「母(かあ)べえ」(08年公開予定)について明らかにした。この日、大阪・高島屋で開幕した「山田洋次の原風景」展に「武士-」に出演した女優檀れい(35)とともに出席。山田監督は「時代劇を卒業して次は昭和15~16年が舞台。『武士』の幕末と現代とのちょうど真ん中ぐらい。セミ時代劇です」と語った。

 原作は野上照代さんの「父へのレクイエム」。太平洋戦争開戦(41年12月8日)前後を舞台に、戦時下でも懸命に家族を支える母の姿を描く。今月下旬、埼玉県川口市に造られた40年代の街並みのセットから撮影に入る。

 山田監督は「去年6月に『武士-』が完成し、8月ごろから脚本や準備に入った。開戦の年、その時代に暮らしていた家族の物語で、主人公はお母さん。あのころは本当に大変だった。何もかもが手仕事だった時代。(母は)朝から晩までよく働いていたなあ、という記憶がある。戦争が迫ってくるつらい時代、今の世にどうしても語り残していきたい」と力を込めた。

 防衛庁が「省」に格上げされ、教育基本法が改正され、今度は憲法改正に向けて動きだした安倍政権。そんな緩やかな右傾化の現状の中、山田監督は庶民派の代表として“銃後の苦難”を描く。

 主演の吉永は、山田監督とは「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」(74年)以来、公開年で数えれば34年ぶりのタッグ。「吉永小百合さんが(母を)やってくださる。彼女にとってもきっといい仕事になる。いや、いい仕事にしなくてはいけない。彼女へのオマージュのつもりで撮る」。ともに日本映画を支えてきた大女優との“共闘”にも意欲を見せた。

[2007年1月6日8時45分 紙面から]

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