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沢尻騒動に行定監督「映画がかわいそう」
- 韓国女優ぺ・ドゥナ(左)と対談を行った行定勲監督(撮影・近藤由美子)
【釜山6日=近藤由美子】「沢尻騒動」に揺れる映画「クローズド・ノート」の行定勲監督(39)が釜山映画祭に出席し「映画がかわいそう」と話した。主演女優沢尻エリカ(21)が不機嫌な態度で公開初日舞台あいさつに臨んで以来、初めて取材に応じた行定監督はファンへの謝罪も口にした。公開日までの沢尻の奮闘を知るだけに、かばいながらも不機嫌な態度ばかりに注目が集まる現状に戸惑いを見せた。
「クローズド・ノート」は釜山映画祭の特別招待作品として上映。野外上映会場のチケット5000枚が即日完売するほどの人気だったが、騒動の余波による混乱を避けるという理由で、沢尻の欠席が決まった。同会場では前日「HERO」が上映され、主演木村拓哉(34)が歓迎を受けた。主役抜きの「クローズド-」は、行定監督、東宝の臼井央プロデューサーが観客の前に立った。
行定監督は「世界初披露が韓国でうれしい」と感激したが、沢尻の欠席について「惜しいな、と思う。本当は出演者が出ている方が分かりやすいでしょう。1人で緊張もするしね」と、苦笑いで複雑な胸中を明かした。
沢尻が不機嫌な態度で臨んだ9月29日の初日舞台あいさつで、行定監督は「女優としてすごい成長を見せた」などと、主演女優をたたえた。その場を繕うためでもあったが、沢尻の努力も知っていたからこそフォローした。撮影現場でとことん話し合い、全国キャンペーンはそろって8カ所回った。この日も日本からの取材陣を前に「キャンペーンには常に彼女もいた。何度も同じことを聞かれるけど、精力的にやってくれた。満足しています」と振り返った。
公開初日の不機嫌の理由は「よく分からない」と首をかしげた。「あの舞台あいさつがあったのは朝イチでしょう。最初の観客の方々には申し訳ないと思います」とファンにわびた。一方、騒動にばかり注目が集まる現状に「いろいろな報道があるけど、映画を見てほしい。映画がかわいそう」と本音を漏らした。
行定監督は3日に釜山映画祭入りしたため、沢尻が涙で謝罪したテレビインタビューは見ていない。「これまでで一番キャンペーンを多くやった」と話すほど作品に力を注いできただけに、誰よりも後味の悪さを感じている。
[2007年10月7日7時58分 紙面から]
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