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桃子最年少21歳で賞金女王/女子ゴルフ

今季5勝目を挙げ、史上最年少賞金女王となった上田は、インタビュー中涙ぐむ
今季5勝目を挙げ、史上最年少賞金女王となった上田は、インタビュー中涙ぐむ

<女子ゴルフ:大王製紙エリエールレディスオープン>◇最終日◇18日◇香川・エリエールGC(6355ヤード、パー72)◇賞金総額9000万円(優勝1620万円)

 上田桃子(21=加賀電子)が今季5勝目で、史上最年少賞金女王を決めた。強風の中で72とスコアをまとめて通算7アンダー。初日から首位を守る自身2度目の完全優勝で、今季獲得賞金は1億5900万円を突破。最終戦を残してランク2位横峯さくら(21)に約4570万円の大差をつけ、96年福嶋晃子の23歳148日を抜く、21歳156日の最年少女王に輝いた。無名のプロ入りから2年4カ月。屈辱を何度も乗り越え「反骨の女王」が誕生した。

 万感の思いがこもっていた。18番グリーンで30センチのウイニングパットを決めると、上田はギュッと右手を握り締めた。「ずっと追われている立場で、いろいろなモヤモヤがあった。毎週、緊張し続けてきたことから、やっと抜け出せたので。いま、すごく幸せです」。今季5勝目で決めた21歳での最年少賞金女王。負けて何度も赤く染まった瞳が、喜びと達成感でちょっぴり潤んだ。

 「涙の誓い」から女王への道は始まった。高校を卒業した05年2月、江連忠に弟子入りするため、故郷熊本を離れ神戸に来た。引っ越しの手伝いを終えて車で出発した両親を、マンションのベランダから身を乗り出し見送りながら大粒の涙をこぼして叫んだ。「私、絶対1回でテストに通るからねーっ!」。実家のブティックは当時経営が行き詰まり、貯金は底を突いていた。それでも、快く送り出してくれた両親に少しでも早く恩返ししたかった。

 約束通り一発合格したのが05年7月。だが、無名のプロはデビューから2戦連続予選落ち。江連門下生は実力上位から、指導を受けられる掟(おきて)がある。同期の諸見里は3試合でシード入りし、いつも上田は後回し。「私も早く先生に見てもらいたい」。走ればすぐに息切れしたスタミナ不足の体を解消するため、朝晩30分ずつでも走り始めた。力まずクラブを振る癖をつけるため、厚い軍手をはめ何百球も打った。

 試合に負けて涙し、心の傷を負っても、新しい試合が来ると気持ちを新たにした。上田の家にトロフィーを飾る棚はない。優勝記念品はすぐに倉庫にしまう。「負けた試合はもちろんだけど、勝った試合も私、すぐ忘れるんです。さあ次って感じで」。この日も2番からの連続ボギーで首位から陥落したが、逆境をはね返した。6番パー4。20ヤードのアプローチを放り込むバーディーで、息を吹き返した。

 涙を流すたびに強くなり、ついに歴史を塗り替えた。「今日は自分に勝てたかなと思います」と笑った。来季の米ツアーには「日本と半分半分出られればいい」と出場義務の15試合をメドに参戦するつもりだ。「反骨の女王」が次に目指すのは、世界の頂点。これからも後ろは振り向かない。前だけを見て、進み続ける。【木村有三】

[2007年11月19日9時30分 紙面から]

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