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康生オール1本で全日本切符/柔道

井上康生(左)は生田秀和から内またで1本勝ち(撮影・蔦林史峰)
井上康生(左)は生田秀和から内またで1本勝ち(撮影・蔦林史峰)

<柔道:関東選手権>◇2日◇神奈川・相模原市総合体育館

 柔道男子100キロ超級の井上康生(29=綜合警備保障)が、北京五輪代表入りへ「シドニー戦法」に活路を見いだす。この日は4連続1本勝ちで優勝し、全日本選手権(4月29日、日本武道館)の出場権を獲得。5位に終わったフランス国際から帰国後、シドニー五輪当時の姿をビデオで研究。前へ圧力をかける「原点」の柔道で成果を見せた。五輪代表争いは絶望的な状況だが、4月の国内選考2大会で奇跡を起こす。

 「シドニー五輪」への回帰で奇跡を呼ぶ。たとえ勝っても五輪代表入りは難しく、負ければ最後-。絶望的な状況をはね返すために、井上は金メダルを取った8年前に活路を見いだした。「(当時は)組み手や技の以前に前に前に出て、自信がみなぎっていた。必要あると感じた」。

 2月のフランス国際で5位に終わり、五輪代表は絶望的な状況になった。父明さんは「帰国後、3日間は声もかけられなかった。あんなことは初めて」。その時、シドニー五輪のビデオを自室にこもり見た井上は、明さんに「おれは強かったんだ。こんな勝ち方をしていたんだ」とこぼしたという。

 最重量級に転向後、大きく、重い外国勢をどのように内またで投げるか、にこだわりすぎていた。「考えすぎていた。僕の柔道は前に出ることだった」。世界選手権と全日本の3連覇の映像も繰り返し見て、前に出て、圧力をかけて大内刈り、大外刈り、そして内またと多彩な技を繰り出す最高の自分を思い出した。

 内また中心から前に出ること中心の練習内容に変えて臨んだこの日は、格下相手に前に出るリスクから背負い投げを食らいそうにもなったが「それを乗り越えて僕は勝ってきた」。決勝では生田に大内刈りを見せての内またで1本勝ちし、成果をのぞかせた。

 100キロ超級の代表最終選考会となる全日本選手権出場を決め、わずかな望みをつなげた。新妻亜希さんの見守る前で1年ぶりの公式戦V。残すは結果も内容も問われる国内選考2大会のみ。「ゼロに近い可能性でもあきらめないのが僕の精神」。柔道家井上康生のすべてをぶつける。【菅家大輔】

[2008年3月3日9時4分 紙面から]

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