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朝青龍が折れた、モンゴル一時帰国を断念

普天王(右)を豪快に投げ飛ばし勢い余って上がり座敷に吹っ飛ぶ朝青龍
普天王(右)を豪快に投げ飛ばし勢い余って上がり座敷に吹っ飛ぶ朝青龍

 師匠の裸の説得に、初めて横綱が折れた。朝青龍(27=高砂)が25日、希望していた年末年始のモンゴル一時帰国を断念した。出げいこ先から東京・墨田区の高砂部屋に戻り、風呂に入った途端、湯船の中で待ちかまえていた高砂親方(52=元大関朝潮)に「帰国はダメだ」と説得された。意表を突かれ、防戦一方となり、帰国理由も説明できず「分かりました」。これまで師匠の言うことを聞かず、わがままを通したきた朝青龍が、初めて親方に寄り切られた。

 朝青龍が師匠に立ち合い負けした。午前11時、春日野部屋での出げいこから高砂部屋に戻ってきた。体についた泥を落とそうと、風呂に入るやいなや、湯船につかっていた師匠がいきなり声を掛けてきた。

 高砂親方 おう、(朝)青龍。モンゴルには帰らない方がいいぞ。

 風呂から上がった後、自分から正式に帰国希望を伝えるはずが、思わぬ奇襲にさすがの最強横綱も、たじろいでしまった。

 朝青龍 えっ? でも…。年末年始、けいこが休みの間だけでもいいんで、帰りたいんですが…。

 現役時代さながらの「ぶちかまし」で優位に立った師匠の出足は止まらない。

 高砂親方 今はみそぎの時期だぞ。謝罪会見をしても、世間は納得してないぞ。初場所でしっかり土俵を務めて、帰国すればいいじゃないか。

 一気に土俵際に追い込まれた朝青龍に、反撃の余地はなかった。

 朝青龍 はい。分かりました。師匠。

 高砂親方によると、2人のやりとりは「ほんのわずか」。モンゴル帰国をめぐる裸の師弟対決は、師匠の圧勝に終わった。

 「完敗」した朝青龍は部屋を出ると、冗談を交えながらも、帰国断念の意思を明らかにした。「帰るよ。ウソ、ふふ。帰らないよ。帰らない。おれは(国内の)どっかに行くよ。子供には会えないな」。

 前日、朝青龍は報道陣の前で「子供に正月は一緒に過ごすと約束している。何で帰っちゃいけないのか、悩んでいる。親方に相談したい」などと打ち明けていた。これまで師匠と意見が食い違っても、最後は横綱がわがままを押し通すパターンが続いていた。だが、今回ばかりは海外渡航届を提出することもなく、潔く帰国をあきらめた。

 仮病疑惑による2場所出場停止処分が決まって以来、弟子が師匠の言うことを聞かない師弟関係は「角界の常識を壊した」と非難されてきた。しかし、朝青龍はモンゴルでの療養中に親しい関係者に「自分のせいで師匠が世間に攻撃されるのは申し訳ない」と話していた。9日の高砂親方の52回目の誕生日には焼酎をプレゼントし。これまで放任主義だった師匠も、朝青龍をけいこ場で指導するようになった。度重なる騒動で2人の関係も、少しづつ修復していた。

 部屋を出た後、朝青龍は高砂親方に報告と確認の電話を入れていた。

 朝青龍 報道陣には帰国しないと伝えました。師匠もよろしくお願いします。あと確認ですが、休みの期間に、温泉とかに行くのはいいでしょうか。

 高砂親方 それはいい。

 雨降って、地が固まってきたようだ。【柳田通斉】

[2007年12月26日8時58分 紙面から]

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