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スポーツ法政コラム「オレンジ特急箱根行き」

法大まさかのシード権落ち

<スポ法の全日本大学駅伝リポート>

 学生3大駅伝のひとつ全日本大学駅伝(愛知・熱田神宮〜三重・伊勢神宮)が、11月3日に行われた。

 昨年は5位、シード権獲得という成績を残した法大。今年もシード権獲得、そして更に上の順位を目指し戦いに挑んだ。

 スタートは愛知の熱田神宮。法政大学の1区は黒田将由だ。最初に弾みをつけるためにも黒田のスタートダッシュに期待がかかった。

 黒田はスタート直後から先頭で集団を引っ張っていった。しばらくは全大学がひとつの集団となっていたが徐々にばらつき始めていった。崩れていく集団を常に黒田は先頭で引っ張りつづけた。このままでいけば区間賞の期待がかかった。しかし終盤東洋大、そして駒大に抜けだされてしまい、4位で2区長嶺貴裕にたすきをたくした。ここまではトップとの差はほとんどない。

 しかし2区長嶺はたすきを受け取った後、山梨学院大、日大に抜かれ、第2集団からも少し離されて、一時は6位に順位を下げてしまう。だが終盤混戦を抜け出し、ラストスパートをかけた長嶺は4位で3区岡田拓也にたすきをつないだ。以前のインタビューで法大のエース土井洋志が語った「(法政は)3位を狙えると思っている」の言葉が現実味を帯び、ますます期待がかかってきた。

 スピードのいる3区を任された1年の岡田は初めて大学駅伝を走る。どんな走りを見せてくれるのだろうかと期待が高まった。しかし岡田は競っていた早大らに離され、更に後続に抜かれてしまい結局8位でたすきを先輩・有原忠義に渡した。まだレースは中盤、8位ならまだまだこのあとの巻き返しで十分6位以内のチャンスがあった。しかし8位でたすきをもらった4区有原だったが、中盤の9位争いの集団巻き込まれ、必死にくらいついていこうとするが、集団から遅れだしてしまい12位でたすきを渡した。

 5区坂野清志、最後の全日本大学駅伝となる6区早川謙司、7区佐藤浩二が頑張りを見せるもシード権獲得となる6位には遠く及ばなくなっていた。この時点で土井の言った3位、成田監督が目標としてあげたシード権獲得の6位以内には黄色信号が点滅してしまった。シード権獲得のためには土井の追い上げ次第となってしまった。

 最長区間となる8区を走るのは先の箱根駅伝予選会1位、全日本インカレ・ハーフマラソン1位となった法大のエース土井。彼に全ての期待がかかった。本人も「区間賞をとりたい」と述べていたとおり区間賞の可能性も高い。しかし心配な部分がある。今の調子を聞かれた土井は「いっぱいいっぱい。かなりきつい」と答えていたことだ。「でもなんとかなるでしょう」のことばにエースとしての意地が感じられた。土井までたすきを途切れさせずつなげてきた7人の選手、法大で出場することができなかった他の部員、そして応援している多くの人の思いすべてをのせて重くなったたすきを土井がかけて走る。いつもは静かな伊勢神宮までの道に、今日は最終ランナーを応援するために多くの人が集まっている。声援を送る人の前に追い上げを見せた土井が力走する。五十鈴川にかかる宇治橋前のゴールに9番目に順位をおし上げた土井と、無事つながったオレンジのたすきが到着した。

 残念ながらシード権獲得を逃し9位に終わってしまった法大。しかし箱根駅伝まではあと2カ月残っている。この次の上尾ハーフマラソンで弾みをつけ、箱根駅伝に期待をかけたい。

(長野恭子)


※次回は、11月13日(水)更新、「マネージャー裏話」(仮)をお届けします。

<バックナンバー>
新生法大の走りを見せてくれ!<全日本大学駅伝直前リポート>

「土井だ!土井が来た!!」<箱根駅伝予選会リポート>


協力大学スポーツ新聞






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