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スポーツ法政 ’03 4月号

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東京六大学野球:法大 常勝復活へ! 山下哲 優勝へ向けて 応援団:愛される応援団へ アメフト:伊藤喜章 「ワセダは通過点」 コラム ラグビー:佐藤崇幸 ”荒ぶる”力を打ち砕け! コラム  サッカー:長山 絶対昇格!! 姜・荒木 攻守の要 照井新監督就任  バレー:スーパーエース 鈴木 水泳:臼田・名倉・若林 水泳との歩み レスリング:創部50周年 新たな門出 バスケ:頼れる男 タクシ 女子バスケ はつらつと 陸上競技:新生短距離 アイスホッケー3連覇いける! フェンシング:全部門制覇へ OBインタビュー:俳優・今井雅之 「法大生よ、遊べ!」

全員野球でいざ出陣!4・12開幕
法大 常勝復活へ!

東京六大学野球 春季リーグ

 早大の春秋連覇に終わった昨年の東京六大学野球。その早大から春秋共に唯一勝ち点を奪ったものの、あと一歩のところで優勝を逃した法大。01年以来、4季ぶりの優勝を狙う今シーズンは金光新監督のを迎え、更なるレベルアップを図ってきた。前評判こそは低い法大だが、「意地を見せたい」(新里賢主将)と選手の気合も十分。覇権奪回へ−。4月12日の開幕へ向け、万全の状態でリーグ戦へ臨む。

チームワーク


 9年間采配を振るった山中正竹前監督(55)が勇退し、今年1月1日付けで第10代監督・金光興二新監督が就任した。 現役時代以来、25年ぶりの「HOSEI」のユニフォームに期待が集まる今シーズン。
 昨年までの主力選手の多くが今春卒業し、その抜けた穴はチームのまとまりでカバーしていくことになる。今年の法大にとって一番の課題となるものが、守備と走塁。 この2つにはシーズンを通してスランプというものがない。「ウチは守りから入る野球」(金光新監督)というように、練習から相手に点をやらない鉄壁の守備力。 そして、前へ前へと攻める積極果敢な走塁を目指してきた。後藤(現西武)・河野(現横浜)らが抜けた今年の法大打線はいま一つ迫力に欠ける。しかし、機動力にバンドやエンドランのような小技で得点力の幅を広げるのが法大野球の特徴。 どのようにして点を取りにいくか。打線のつながりがカギとなる。
 また、投手力安定を目指す金光新監督は2月6日に同期生の江川卓氏を臨時コーチとして招いた。今後も打撃面などでOBの力を借り、指導を依頼していく予定だという。オール法政でチームのレベルアップを図る。

勝つチームへ


 今年掲げたチームスローガンは「ハート・ハード・アグレッシブ」。常に心を込めて取り組み、練習では激しく、そして試合では攻撃的になるという意味である。 金光監督は「いくら技術が高くても、心が備わっていなければ実戦で結果を残すことはできない」。つまり心・技・体、すべてが揃っていなくてはならないという事。 チームを強くするため、練習に対する心構えから一新し、甘えを許さず、厳しさとメリハリを持ってこれまで取り組んできた。
 3月3日から8日間の千葉・鴨川キャンプでは、これまで以上に練習時間を費やした。全体練習終了後には、各選手が自主的に特打ちや夜間練習などを行うなど、確実にチームの士気は高まりつつある。 新4番・田中彰(文3)は「精神的にも、私生活の中でも厳しくやっていくようになった」と話す。技術面、精神面。もう一度原点に戻り、勝負の厳しさを知ることから始まった新チーム。 最終学年を迎える4年生を中心にどんなチームを作り上げるのか。4季ぶりのリーグ優勝、そして日本一へ。新監督率いる新生法大が、桜の開花と共に新たなスタートを切る。
 
(一宮 大輔)



センバツ準V、選手権V、ベストナイン5度
金光興二新監督プロフィール

▼金光興二(かねみつ・こうじ) 1955年9月15日生まれ。広島商−法大
▼監督 89年、広島商監督に就任。92,94年の二度のセンバツ大会にチームを導く。
▼大学 1年時から正二塁手として活躍。在学4年間で4連覇(76年春〜77年秋)を含む、5度の優勝に貢献。 ベストナインに5度選出される。
▼高校 主将として73年センバツ大会で準V。同年夏の選手権では優勝、全国制覇を果たす。
▼社会人 77年、プロ野球近鉄から1位指名されるが、三菱重工広島へ入社。現役12年間のうち、 79年に都市対抗野球優勝。



山下哲 優勝へ向け全力投球

   金光新監督のもと決意を新たにチーム一丸となってリーグ戦に臨む法大に、待望の新エースが誕生した。山下哲典(文4)だ。チームのため、自分のために残された最後の一年にすべてをかける。山下が神宮のまっさらなマウンドに向かうと共に法大のリーグ優勝へ向けた熱い戦いがスタートする。

新たなエース


 山下哲典の公式戦デビューは昨年秋だった。上級生に絶対的なエースがいたことから、また山下自身の腰の怪我などもあり、出場機会にはあまり恵まれていなかった。
 しかし、最上級生となった今年は、先発候補として名前が挙がり、新たな意気込みで開幕を迎える。
 冬の間はウエイトトレーニングと走り込みをみっちりこなし体力作りに励んだ。また、2月6日の練習では、臨時コーチという形で法大OBの江川卓氏から直接指導を受けた。これは法大投手陣にとって大きなバックアップとなった。山下も江川氏からアドバイスを受け、投球の際の体重移動などを教わった。今までうまくできなかったことが、「プロの目」の的確な指摘を受け、「わかりやすく勉強になった」と本人も納得した様子。長身から投げおろす速球にさらに磨きをかけて、熱のこもった投球を期待したい。
 オープン戦序盤までは思うような投球ができていなかった山下だが、3月13日の対立命館大戦では6回を3安打無失点に抑えるなど、エースらしい投球を見せ開幕へ向けて徐々に調子を上げてきている。
 味方チームの打線が奮わない時であっても援護があるまで辛抱強く投げ抜き、自分の調子が悪くても、要所を抑えて相手チームに点をやらないのがエースの役目だ。今まで短いイニングしか投げてこなかった山下だが、これからは先発投手として試合のゆくえを左右する重要な立場にある。今期も混戦が予想されるリーグ戦だが、勝つのが容易ではない難敵相手に山下がどう投げ抜いていくかが、法大の優勝への大きなカギとなる。  

勝利への思い


 春季リーグ戦を前に山下が掲げる目標は「まず1勝」。これまで公式戦では勝ち星がない。期待を背負いながらも、その重圧に押し潰されることなく、自分の投球ができれば自ずと勝ち星がついてくるだろう。
 「一生懸命頑張る」そう口にする山下からは最後の年にかける並々ならぬ熱意が伺える。
 遅咲きのエースが勝利への貪欲な姿勢で勝ち星を重ねていった時、法大に優勝がもたらされるであろう。 



応援団 団結−愛される応援団へ−

応援団の魅力

 長い歴史と伝統を誇る法政大学応援団。その栄えある第78代団長に選ばれたのは田中直宏(法4)。それを副団長であり、親友でもある大島秀之(4)がサポートする形で今年の応援団は活動を開始した。厳しいことで知られる応援団の練習。最後まで残った4年生はこの2人だけだった。
  2人の経歴は対照的だ。高校時代から応援団に所属し、法大応援団に自ら入部した大島。かたや応援団の存在を大学に入ってから初めて知った田中。まったく異なる道を歩んできた2人がここまで応援団に魅せられたのはなぜなのだろうか?「応援団を通して、人の痛みと気持ちを考えられるようになりました。人間関係を築いていく時には愛情が必要になりますよね。僕らはそれをここで学びましたし、それは応援に最も必要なものでもあるんです」と2人は口をそろえて答えてくれた。応援は他のスポーツのように個人に焦点があたるものではない。しかし、この2人はどんなスポーツの賞よりもすばらしいものを、応援団を通して手に入れたのだ。

身近な存在に

 そんな2人が率いる今年度の応援団のスローガンは、「団結−愛される応援団を目指して−」。応援団の原点をスローガンにしたという。リーダー部、チアリーディング部、吹奏楽部と各部の結束を強めるとともに、あえて抽象的な目標を掲げることで、自己満足に陥らずにより大きく発展していくという強い意志が込められている。また田中団長はこうも語ってくれた。「もっと学生にとって身近な存在になりたい。先頭で引っ張っていくというよりも、一緒に進んでいくような存在。学生の中の応援団、愛される応援団を目指していきたいです」と。そのために今まで行っていなかった所にも応援に出かけるという。今年は例年以上に応援団の活躍が見れそうだ。
  我々、一般の学生から見ても不思議な魅力を感じる応援団。一心不乱に応援する彼らの姿は一見の価値ありだろう。六大学野球の開幕も迫ってきている。是非、この機会に神宮で生の応援団の醍醐味を味わってもらいたい。
(外山 功)
 



アメフト 伊藤喜章
「関東王者は今年もワセダ?そんなわけないだろ」

 法大トマホークスは昨年プレーオフ準決勝で早大に敗れ関東連覇の記録が8でストップし、甲子園ボウルへの道も閉ざされた。今年はスローガン「新たな前進〜結束」のもとにチーム一丸となり関東王座の奪回、そして甲子園ボウル制覇を目指しスタートを切る。

甲子園制覇へ


 今年も法大トマホークスは例年通り2月4日から始動した。
 しかし今年は例年と異なる点がある。それは昨年まで8年間保持していた関東王者の看板を失ったという点だ。
 昨年法大はプレーオフ準決勝で早大にまさかの敗戦を喫した。「(最後のFGが入ったときは信じられなかった。負けはショックだったが気持ち的には負けてない」RB伊藤喜(以下伊藤)が語るように実力的に差がなかっただけに衝撃的な敗戦だった。
 1年時から活躍する伊藤にとって昨年は故障でわずかな試合にしかフル出場できなかったうえ、早大に敗れ連覇が途絶えるなど不本意なシーズンだった。
 そして伊藤の今年の目標は「甲子園制覇」だ。甲子園ボウルとは関東と関西の王者が大学日本一をかけて戦う試合で、これに勝利したチームが社会人王者のチームとの試合(ライスボウル)への切符を手にする。
 つまり甲子園制覇のためにはまず関東を制する必要がある。そして今年は因縁の相手であり昨年関東を制した早大とリーグ戦、プレーオフの2度対戦することが濃厚だ。

日本一への鍵


  しかし「早大はライバルではない。勝つのは通過点」と語る伊藤はあくまでその先を見据えている。
 それには関東を制しても、関西から昨季のライスボウルを制覇した立命大や関学大、京大といった強豪校が関西王者として出場してくることが関係している。関東制覇が目標のチームでは甲子園で勝てないからだ。「今年はスター選手がいないから下級生の力も結集してみんなでチーム力を上げていきたい」という伊藤のコメントからもわかるようにチーム力の向上が日本一への鍵になる。
 また昨年法大はスターターの多くを4年生が占めていたため、今年はメンバーが大幅に変更する。特に攻撃陣はOLの大部分、攻撃の司令塔であるQB等が入れ替わる。だが選手の変化についても「あまり関係ない」と語るように影響を感じさせない。

さらなる進化


 攻撃の戦術で今年もオプションを主体として用いることが予想される法大にとって、伊藤らRBの活躍はそのまま勝利に直結する。そしていとうが1年時から活躍できた細大の理由は天性のカンにある。
 普通の選手はランプレーを行うとき、デイライトがどこか考えてから動く。しかし伊藤は「自然に体が動く」と語るように直感を働かせてプレーを行うため、プレーに間ができずより長い距離をゲインできる。
 そして今年は相手を技術でかわすことを目標にしてさらなるレベルアップを目指す。
 今年は早大が打倒法政を果たしたため、他チームも例年以上に気合を入れて試合に臨むだろう。
 だがチーム一丸になり自分達の力を発揮すれば、必ず関東王者の看板を取り戻し、甲子園ボウル制覇を達成することができるだろう。     
(早坂 茂)

▼伊藤 喜章(いとう・よしあき)
昭和57年5月26日生まれ。ポジション…RB。日本大学第三高出身。法学部政治学科3年。高校からアメフトを始め、以後一貫してRB。1人で1試合520ヤード獲得という驚異的な記録を持つ。法大入学後は1年時から公式戦に出場し、甲子園ボウルでも活躍。170cm73kg。



 


コラム 遥かなるエンドゾーン
新たなる前進〜結束

 日大が全盛だった90年にフリーズオプションを導入し、92年に20年ぶりの関東制覇、97年、00年には学生日本一にも輝き、01年には日大が77年〜84年にかけて達成した関東リーグ8連覇にも並んだ。チームの代名詞であるスピード溢れる「オプション」攻撃を中心とした爆発的な得点力を武器に、関東王者として90年代の学生フットボール界をリードしてきた法大トマホークス。だが、昨プレーオフで早大に残り2秒から劇的な逆転負けを喫し、連覇記録も途切れた今年、法大は転機を迎える。
 今年のスローガン『新たな前進〜結束』は「連覇が終わり、今年は新たなスタートを切る年。落ちてからそのままにならないように」(主将・DTあい澤)という思いを込めてつけられた。
 学生日本一の20回を数え、日本フットボール界の主役であった日大は90年の学生日本一を最後に低迷。01年には創部史上初の2部との入れ替え戦にも出場するなど未だにその長いトンネルから抜け出せないでいる。そのことが常勝を誇った名門チームでさえ、一度狂った歯車を元に戻し、再び日本一に輝くことがいかに難しいことかを物語っている。
 「昨年は幹部が突っ走っていたが、今年は下級生も交えながらみんなで前進していきたい」(あい澤)と今年チーム一丸での『日本一』に挑む法大。今年の法大は例年より4年生が少ないため、今年のチームの方針を決めるミーティングにも、主将あい澤ら幹部を中心とした4年生だけでなく、RB伊藤喜(法3)、QB永浦(文3)ら3年生も積極的にチームを引っ張っている。
 「昨年負けた4年生、支えてくれている親やコーチのためにもみんなで学生日本一をつかみとりたい」とあい澤は今年の目標を語った。法大の真価が問われるの勝負の年。あい澤は「甲子園まで負けるつもりはない。どこが来ても蹴散らすだけ」と今年にかける意気込みを語った。昨年の雪辱を晴らし、『日本一』へ挑む今年の法大トマホークスから目が離せない。
(アメフト取材班)

▼あい澤俊太(あいざわ・しゅんた)
昭和56年8月17日生まれ。ポジション…DT。日本大学第三高出身。文学部日本学科4年。高校からアメフトを始め、OL/DLとして活躍。3年時には主将を務める。法大入学後は2年時にDTのスターターを獲得。今年はチーム事情によりDEへ転向。今年DTに復帰と共に主将に就任。178cm100kg。
  


  

ラグビー 新主将・佐藤崇幸 
力強く前へ!”荒ぶる”力を打ち砕け

 3年連続国立の土は踏むものの、大学日本一にまではなかなか届かない法大。「みんなでまとまって同じ目標に向かって頑張りたい」。そう語るのは新主将・佐藤崇幸(社4)。目指す目標はもちろん大学日本一だ。

迷いながら

 昨季はリーグ戦通産8トライを決めるなど、今や法大ラグビー部にとって欠かせない存在となったFL佐藤崇幸(以下佐藤)。
 5歳の頃からラグビーを始め、法政二高出身と聞けば、順風満帆にこれまで歩んできたように見える。しかし主将として出場した花園では抽選で敗退。ケガも重なり大学に入ってしばらくはサークルにも所属していた。それでも再度奮起し、ラグビー部に入部したのは「やっぱりやるなら上を目指せるところでやりたいと思った」から。そんな佐藤に「彼ならやってくれる」(HO谷口)とチームメイトからの信頼も厚い。
 「悩んだ時期があったから今がある」と語る佐藤。悩み、苦しみ、迷いながらじっくりと歩んできた佐藤ならば主将として今年のチームをうまくまとめてくれるに違いない。

リベンジへ

 今年の法大は昨季からのメンバーが多く残る。「4年生が抜けた穴は大きいが、違った奴が違ったチームを作っていく。不安はない」という佐藤。麻田前主将(現トヨタ)からは「今のチームは悪い面も良い面も両方あるが、悪い面を改善していけばもっと良いチームになる」とアドバイスされたそうだ。
 また今年はラグビーの年。大学選手権は試合数が多くなり、さらに厳しい戦いになることが予想される。佐藤にライバルを尋ねると、「リーグ戦では関東学院大、選手権では早大」という答えが返ってきた。リーグ戦優勝の関東学院大に、学生王者早大は、大学日本一を目指す上で避けて通れない相手だ。
 昨季国立で敗戦した早大との対戦では「早大の一人一人の強さ、フィットネスの違い」を感じさせられたという。「春のオープン戦では早大に勝ちたい」とい佐藤。国立のリベンジを張るのオープンで果たし、好スタートが切れるか。雪辱を胸に頂点を目指す法大から今年も目が離せない。

▼佐藤崇幸(さとう・たかゆき)
180cm、80kg。法政二高出身。社会学部4年。ポジション…FL。兄は法大OBの佐藤幹夫(現近鉄・NO.8)
▽今年の課題…「ケガをしないように、しても早く治せるように」
▽読者に一言…「今年は試合多いんで、観に来てください」




コラム 栄冠目指して 主力選手大胆予想

 佐藤崇幸主将、金澤良副主将(経4)の新体制のもと、新たなスタートをきった法大。いったい今年はどんな選手がチームを引っ張っていくのだろうか。少し気が早いかもしれないが、今年、チームの主力となる選手を予想してみた。
 第一列目はPR中村(工3)、福田(社4)、にHO谷口(社4)、水山(法4)と昨季からのメンバーが残る。大きな変化はなさそうだが、期待の新人PR山内がその成長次第では台風の目となりそうだ。
 今や法政の大きな武器となったラインアウトのカギを握るのLOは、佐藤平(経4)と吉田(経3)が有力。身長195センチの篠塚(社2)も気になる存在だ。
 第3列は人材が豊富。FLは主将の佐藤崇、大隈(社3)、NO.8は磯岡(経3)が有力。だが、昨季リザーバーの岡崎(経3)、武藤(経4)に加え、今年U19日本代表に選ばれた高根(社2)とポジション争いは激しく、目が離せない。
 麻田、坂本の4年生コンビが抜けたハーフ団は、山本監督もい「一番頑張ってもらいたい」と語る今期注目のポジション。SHは昨季リザーバーの穂坂(営3)、唐田(経3)、SOは今年U19に日本代表に選ばれた森田(経3)が最有力だ。
 CTBは昨季その活躍が高く評価された副主将金澤、新人ながらもレギュラーに定着した野村(経2)、21日に行われた全専大戦で活躍した磯田(社4)が有力。
 WTBは和田(経3)と好本(法4)が有力。ケガの回復次第では小笠原(社2)に鮮烈復帰もありうる。昨季WTBとしてチーム最多のトライを決めた小吹(経4)は今季FBとしての出場が濃厚。ケガをした遠藤の代わりを務めた藤谷(社3)も有力候補だ。
 法大の今期の目標は「個人のベースアップ」。「組織の力だけでは通用しない」(山本監督)ことを実感させられた昨季の早大戦。個人のレベルアップは、最終的にはチームとしての強さになる。「トップレベルといえる選手を30人作りたい」という山本監督・まだシーズンは始まったばかり。予想をはるかに上回るような選手たちの成長に期待したい。
(後藤 芳恵)




サッカー 長山一也 
1部と2部の壁を越えて… 絶対昇格!

新生法大サッカー部スタート。第77回関東大学サッカーリーグ開幕まで、あとわずか。法大は、今季、監督、コーチらスタッフ陣を一新。また、チームも長山新主将(社4)を筆頭に、ここまで順調な仕上がりを見せている。昨季は2部リーグ3位の成績に終わった法大。しかし、今季はスタッフ、選手ともに確かな手応えを感じている。目指すは優勝して1部昇格。まずは前期リーグ戦首位ターンだ!

長山「負ける気がしない」


 「1部昇格、それしかない」。今期の抱負を長山は何の迷いもなく言い切った。 新キャプテン、長山一也。大学1年から圧倒的な存在感を見せつけ、2年時は アシスト王にも輝いた。昨年は怪我にこそ泣かされたが、「色々勉強になって、 必要な経験だった」とふり返る。法大の頼れる、指令塔である。
  長山は「主将をやることにより、自分の意識も、サッカーに対する姿勢も集中して できるようになってきている。すごく楽しんでいる」。さらに、昨年の4年生の ありかたに影響を受け 「プレーでも言動でも、まず先頭に立ってチームを引っ張っていきたい」と、力強く語る。
 試合中、チームの動きが止まった時、空気が緩んでしまった時、長山は必ず"パンパンパン" と何度も手を叩いてチームメイトを鼓舞し、最後まであきらめるずに戦うよう自ら示す。 ピッチの中央でチームを温かく包み込む、長山らしい、新キャプテンの姿だ。
 ここ数年、あと一歩で1部昇格を逃してきた法大。 リーグ戦はもちろん、数ある試合に出場し、誰より経験豊富な長山は 「技術面ではうちの選手もぜんぜん負けていない」と、1部と2部の壁など、 ものとも感じていない。
 「自分からサッカーをとったら何もない。これからもずっと、 年をとってもサッカーをしていきたい」。 何よりもサッカーを愛する心と、チームを想う熱い気持ちー。 これが長山を成長させ続ける原動力なのだろう。熱き戦士たちの闘いが今、始まる。 私たちは応援することしかできない。頑張れ、長山一也!頑張れ、法大イレブン!!
(大橋 裕子)




荒木・姜 攻守の要

 昨年後期、残留争いを強いられた法大はラスト3試合を3連勝で飾り3位へと躍進 した。その原動力となったのが、FW荒木洋太(社4)とDF姜成浜(経3)であ る。
 「試合に出られない悔しさよりも、出たらやれるという気持ちの方が強かった」。 第12節からスタメンに名を連ね、3試合で5得点を叩き込んだ荒木は昨年を振り 返ってこう語った。チームはそれまで3試合連続で完封負け。そして荒木は出場機会 に恵まれていなかった。それだけに彼の活躍はチームに勢いをつける好材料となった のである。オフの間、荒木は昨年1年間意識的に取り組んできたパスの精度や状況判 断をする力を上げることに更に磨きをかけつつ、新しいものも得ようと練習に励んで きたという。今期は1年を通じて試合の中で彼の勇姿を見ることが出来るに違いな い。
 一方、攻撃でついた勢いを堅実な守備で支えたDFの1人が姜である。前期こそ怪 我の為出場を果たせなかったが、後期は全試合にスタメンで出場。1試合平均1失点 という安定した力を見せたDF陣の中で力を発揮した。しかし本人は「チームを引っ 張っていく力が足りなかった」と自らのプレーを振り返った。更に「今期はチームの 為に献身的なプレーを心がけたい」と成長を誓った。彼らしいガッツ溢れるプレーで DFの中心となり、チームを勝利へと導いてくれることだろう。  法大の攻守の要ともいえる荒木と姜。2人の見つめる先には1部昇格という大きな 目標がある。昨年後期の勢いをそのままに彼らが突き進めば、その目標も現実のもの となるはずだ。 
(松本 美希)




照井新監督就任

 法大サッカー部の新監督が、照井博康氏(前法大サッカー部コーチ)に正式に決定した。同氏は、2月上旬から監督代行として指揮をとってきたが、そのまま監督へ就任する形となった。
 昨季リーグ終了後、横谷前監督が辞任を発表したため、後任の決定を急いでいた。当初は、2月上旬を決定の目処にしていただけに、遠征直前になってようやく腰を落ち着かせた感のある法大。しかし、照井新監督は「選手たちに動揺はない。良い雰囲気で練習に励んでいる」と、チームの中に不安はほとんど感じられない。むしろ、「チーム状態は昨年より上」と、自信さえ覗かせた。また、今季新たにコーチとして川勝良一氏(元ヴィッセル神戸監督)も入閣。プロ選手を指揮してきた川勝新コーチの存在も、抱く自信を裏付けるものとなっている。
 「1部昇格をただ果たすのではない。2部リーグで優勝して、1部昇格を果たす」。5年間の横谷体制から、照井新体制となり、一つの節目を迎えた今季。自信を確信へと変え、法大は大きな壁を乗り越えてゆく。
(大野 純一)




バレー スーパーエース鈴木寛史
勝敗のカギを握る男

去年のチームの核であった4年生が抜け、法大バレー部は、新たな体制で今季に挑もうとしている。

新体制 


 3年生ながら主将に抜擢されたのは鈴木寛史(法3)。1、2年時では、センターとして活躍していたが、今季からスーパーエースとしてチームを支えることになった。鈴木は全日本ジュニアチームでも主将を務め、スーパーエースをポジションとしている。その実力は全日本代表の田中幹保監督も注目する程。吉田監督は主将に選んだ理由について「勝敗の鍵を握っている」からだと言う。そして、チームの核として「点取り屋」になることを期待している。チームが苦しいときは、どうしても鈴木にトスが回ってくることが多いと思われるが、「大事な所で決められるアタッカーになりたい」と鈴木は語る。もはやチームに欠かせない存在となった。
 副主将には、中西(営3)と安部(法3)。中西は1年時からセッターとしてチームを支えている、経験豊富な選手。そして安部は去年の秋季リーグでセッターからリべロに転向し、言わばチームの守りの要となった。この2人がプレー、メンタル面においてチームを鈴木と共に引っ張っていく。
 去年は満足できる結果をリーグ戦やインカレで残せなかった。それだけに、今季は上位争いに絡みたい。安部は「1戦1勝」を目標にし、目の前にある試合に集中して臨もうとしている。他大学の戦力を見ても、安定した戦力を維持している為、1試合1試合が大変重要になってくるだろう。
 今年のチームは「攻撃を重視」(監督)していく。その中心的存在となるのは、もちろん主将の鈴木だ。監督も期待を大きくよせているが、鈴木は「団結力」が勝利の鍵になると信じている。スーパーエースの一撃に加え、チームのまとまりのあるプレーが出れば勝利は自ずと見えてくる。  
(稲葉 聡)




水泳 期待の3選手に聞く 水泳との歩み

 目標は高く高く。それはアスリートなら当然の事かもしれない。しかし足下がぐらつ くようなら見上げる視界も安定したものにはならない。目標には短期的なものと長期 的なものとを設定する必要がある。今回、水泳部の選手達に合宿所での取材に応じて もらった。すでに水泳部のシーズンはもう始まっている。昨年度1年生にしてバタフ ライの選手として日本代表合宿にも参加した期待のホープ臼田健太郎(?2)。そし て昨年のインカレ50m自由形優勝、アジア大会日本代表と不動の法大のエースであ る名倉直希(社4)。最後に主将の若林瑞(経4)、1年時にインカレ200m背泳 ぎで優勝以来、度重なる怪我に泣かされ調子を落としていたが昨年の日本選手権で光 明を見出し取材時には「100m背泳ぎで日本新を出す」との強気な発言も聞く事が できた。
 この3人は「短期的な目標は?」と尋ねると口を揃えて「日本選手権で結果 を出す事」と言った。「大学を卒業後は水泳と、どう関わっていきたいか?」との質 問をぶつけると臼田は「小さい子供に夢を与える様なスイマーになりたい」名倉は 「生涯、スイマーでいたい」若林は「社会人で水泳を続けないようならコーチになり たい」と水泳に対する思いは三者三様だ。そんな熱い思いの彼らを今年も追い掛けて いきたい。
(箕輪 成晃)




レスリング部〜創部50周年記念祝賀会〜 
新たな門出

 レスリング部が先日、創部50周年記念祝賀会をホテルグランドパレスで開いた。そ こには幸せそうな表情を浮かべる大勢のOBの方々、こういう場所には慣れていない のか隅でかたまって談笑する在校生、まだ右も左も分からなく緊張した面持ちでウロ ウロする少し居心地の悪そうな新入生が出席していた。OBの方々は幸せそうな表情 もさることながら、皆、一様に誇らしげだった。みんな共に鎬を削りあった仲間達と 最も多くの時間を共有したレスリング部という存在を誇らしく思っていたのだろう。 数々の方達の祝辞も「レスリング部であった事を誇りに思おう」というような内容の ものが多かった気がする。
 そんな「卒業後に所属していた事を誇りに思わせてくれる 部」が4月から新体制で新たなスタートを切る。今年、伊藤洋平(人間環境3)を新 主将に据えて、これから彼を中心に始動する。そしてこの大きな節目の年、スポーツ 法政新聞会は今まで以上にレスリング部に注目していきたい。
(箕輪 成晃)




バスケ エース、そして主将として
頼れる男 タクシ

 昨季、優勝候補の一角とされながら、不本意にも2部降格争いを演じてしまった法大バスケ部。過去2年間、コーチ不在での厳しい戦いが続いていたが、再出発となる今季は新たに佐藤崇行氏がコーチに就任。屈辱をバネにリベンジに燃える法大は主将のタクシ直人(営4)を中心に新たな法大バスケを確立し、悲願のリーグ戦優勝を目指す。

絶大な信頼


 「会場に人が入るプレーをして、楽しくバスケをやる」とプレースタイルを語る新主将・タクシ。1ON1と3Pで2年の時からエースとして活躍し、2年連続で得点・3P王のタイトルを獲得した大学屈指のSGである。以前は個人技に頼りすぎる面もあったが、上の学年になるにつれ周りを活かすアシストが見られるようになった。時にはPGとして司令塔の役割を果たしたり、インサイドから得点をしたりとあらゆるポジションをこなし、苦しい状況では声を出し、強気なプレーでチームを引っ張り支えてきた。「何の問題もなく決まった」(タクシ)というのもチームメイトからの絶大な信頼の表れだと言える。
 エースとはチームの顔であり、頼れる存在である。しかし、やられると相手が勢いづくという宿命を持つ。エース、そして主将としてのタクシの活躍が法大の鍵となることは間違いない。

目標は優勝


 「昨年まではコーチ不在でバラバラなままやっていたけど、今年は新しいコーチが来たからいろいろと考えなくてよくなった。考えに納得してついていけば結果はついてくる」(タクシ)。新体制になり、タクシを中心に4年生がチームをまとめて練習に励んでいる。全員が同じライン上に立っているため、レギュラー争いが激化。それがチームにとって良い相乗効果となっている。大型Cを擁する大学が上位を占める状況の中、法大はインサイドの選手が抜け、高さは昨年より劣る。しかし「バスケには色々なスタイルがあるから、心配していない。」(タクシ)と新たな法大バスケへの期待が膨らむ。
 「目標は優勝。ファンダメンタル(基本的)な体力や能力は既にあるから技術とモチベーションの維持が大事。それをわかっているやつが多ければ勝てる」と語る主将の目に映るのは降格危機という試練を乗り越えて優勝を果たした法大の姿である。
(高坂 知永)




中で勝負する

 レギュラークラスの選手が抜けたインサイド陣で、飛躍が期待されるのがセンターの町田洋介。
 1年生として臨んだ昨季は、得意のミドルシュートを武器に活躍。しかし他大のセンターと勝負していくなかで、「体作りが足りない」と課題も見つかった。
 今季の役割は「リバウンドを多く取り、インサイドで点を取ること」。それはより一層、中での勝負に挑まなければならないことを意味し、課題を克服できるかがポイントになってくる。
 ウエートを強化してインサイドを制したとき、法大は優勝に向けて大きく前進する。
(朝山 雄次)
   



女子バスケ はつらつと

 新主将、熊谷絵里子(経4)率いる新生女子バスケ部が始動。今年は大型選手を欠くが、それを逆手に取り、スピードのあるチームに仕上がっている。現在の目標は5月に行われるトーナメントでベスト8に残り、最終日まで試合をすること。「明るく楽しく元気よく試合に勝つ!」をモットーに、目の覚めるようなはつらつとしたプレーを見せてくれることだろう。



陸上 今年は俺たちが魅せる番だ!
新生短距離陣

始動の春

2003年の始まりを告げる箱根駅伝も終わり、法大陸上部は新たな春を迎えた。
冬の間は、駅伝を中心に長距離選手ばかり注目されがちであった。 しかし、短距離選手たちはその間も着実に練習を重ね、活躍の場を待っていたのだ。 2月21日から3月2日まで、沖縄で合宿を行っていた短距離選手たち。 すでに彼らは始動している。
今まで、法大短距離の柱といえば110mHの日本記録を保持している内藤真人であった。
今春、短距離主将として選手たちを牽引してきた彼は卒業した。 実業団のミズノに入社し、社会人となる。 今後内藤は日本の枠を超え、世界での活躍が期待されている。
内藤中心の話題ばかりであった法大短距離。 しかし、短距離にはまだまだ光る選手たちがいる。

新しい力

成田監督は、「今年の短距離は、400mHの堀田尚利(経4)、大槻雄太(経4)、200m伊藤友広(経3) が中心となって、引っ張っていって欲しい」と語る。 監督も名を挙げるように、この3選手は、昨年の関東インカレや全日本インカレ等では、 上位に食い込む成績を残した。
彼らを中心に、内藤の抜ける短距離を盛り立てて欲しいという、監督の期待が伺える。
監督の期待を受ける一人、堀田は「期待されているなら頑張らなくては、と思う。 自分自身、今まで順調に調整出来ている。短距離の皆も怪我無く調子が良い」と笑顔で語る。
そして「まず、(4月5日に行われる)六大学対抗陸上競技大会がある。 最近優勝していないので優勝できるように頑張りたい。その後、5月上旬には関東インカレ。 出場する400mHで大槻と1,2位でゴール出来たら良いなと思う。 また自己ベストタイムを出すことが目標」と具体的な目標を掲げた。 目前に迫る大会に向け意気込みも十分のようだ。
堀田と同様400mHで活躍する大槻、関東学連選抜のアメリカ合宿に参加した伊藤も練習に励んでいる。
今、陸上短距離に新しい風が吹こうとしている。
学生チャンピオン内藤の後を受け、彼らは短距離の柱となるか。 彼らのシーズンは始まったばかりである。 期待を込めて、活躍を見守っていきたい。
(市川希美)




飛び出せ!!未来のスターたち

 今年も法大陸上部は、左表の12名をはじめとし、多くの新入部員を迎え入れた。底知れない実力、あふれる才能を持つ彼ら。更なる成長を求めて、名門法大陸上部の門をたたいた。
 すでに彼らは練習に参加し、大学スポーツを肌で感じとっている。法大の時代を担う逸材として、期待は高まるばかりだ。今後彼らの活躍から目が離せない。頑張れ期待のルーキー!



アイスホッケー 3連覇いける!

 4月6日から関東大学選手権が始まる。チームの主力が卒業し、レギュラーに大幅な変動が見られるなか、今年から監督に昇格した斎藤竜志・新監督率いる新生法大アイスホッケー部は、来るべき大会に向けて順調な仕上がりを見せている。
 4年が抜け、その穴を埋めるのは試合に出ていなかった下級生達だ。しかし彼らは「出ることに飢えている」(斎藤監督)だけに「気持ちは負けない」(松田圭介主将・法4)。レギュラーは固定ではなく、みんなにチャンスがある。チーム内のレギュラー争いは全体のスキル向上をもたらし、チームにとってプラスに働くだろう。だが、大会を戦い抜いていく中で一番重要な事。それはチームが一つに結束する事だ。そこで松田主将ら新4年生が心掛けている事は、学年の壁を取り払うことだ。このためチームには常に一体感がある。
 「4年生が団結してフォローしていきます。いい意味でついていくから、俺達を優勝に導いてほしい。」(松田主将)というように、監督と選手達の絆は固い。4年の抜けた穴が埋まり、チームが一つになった今年の法大に敵はない!
(山本 啓介)




フェンシング 全部門制覇へ

連覇に向けて


 関東大学リーグが4月22日に駒沢体育館で開幕する。法大フェンシング部は学生フェンシング界で常にトップクラスに君臨しており、 リーグ戦では現在、フルーレ部門で7連覇中。2000年のリーグ戦ではエペ部門、サーブル部門も制し3部門制覇という偉業も成し遂げ ている。今年も「優勝」という言葉のみを目指して日々練習に励んでいる。主将の大坪昭仁(文4)は「今年は例年よりも練習量が増えて 今のところすごくいい状態にチームが仕上がっている」と優勝への確かな手応えを語った。リーグ戦において法大のライバル校となるのが 専大である。昨年も専大とは3部門全てで優勝争いを演じた。結果はフルーレ以外の2部門を専大が制し総合優勝を果たした。今年のリー グ戦も各部門、専大との試合が大きなカギとなってくる事は間違いない。一方、女子も2000年にサーブル部門で優勝を果たすなど男子 に負けず好成績を収めている。男子だけでなく女子の戦いぶりにも注目である。

チームの為に


 「今年のチームのセールスポイントはチームワークのよさ」と語る大坪。「率先してチームを引っ張っていくような存在はいないがすごく チームがまとまっている」という。もう一つのセールスポイントは選手一人一人が持っているフォア・ザ・チームの意識。大坪自身も「個人 の成績よりもチームの成績のほうが優先」と語る。この2つのセールスポイントが新たな法大の強さを今後作っていくに違いないだろう。常 勝軍団・法大は開幕に向けてチーム一丸となって着実に突き進んでいる。総合優勝の王座奪還を目指して視界は良好である。
(亀田 考明)




スポ法OBインタビュー
「法大生よ、遊べ!!」 今井雅之登場

芸歴17年を誇る法大出身の実力派俳優・今井雅之。
 スポ法OBインタビューに2度目の登場!前回のインタビューでは聞ききれなかった彼の内面に迫った。
 その多忙な大学生活と彼独特の視点から見た芸能界と映画界、そして役者論を熱く語ってもらった。

大学生活?

―――なぜ大学に入ったんですか?
 まず俺は俳優になりたかったんだけど家族からは反対されていたんだよね。親父と兄貴が自衛官で将来は幹部になることをすすめられていたんだ。中学生の頃から映画が大好きだったんだけど現実もあるしな。親に自衛官を2年やって夢が覚めなければ俳優をやって良いと言われたので、とりあえず自衛隊に入った。でもやっぱり俳優になりたかったから自衛隊は辞めて、少しでも演技の勉強になるかな?って思って大学に入ったんだ。
―――法政を選んだのはなぜだったんですか?
 まぁ軽く江川のファンだったていうのもあったよね。青学、法政、日大に合格したんだけど、何か六大学って男の大学!って感じがして憧れてたんだ。青学と迷ったけど、どこかナヨナヨしてる気がしてさ。(笑)でも法大に入ってから青学に行けば良かったと思った。だって法政ってコンパ無いしさ。何より青学生はモテたんだよ!(笑)
―――どんな大学生活を送っていらしたんですか?
 俺、走るのが好きだから朝、代々木公園を2周走ってたね。それで市ヶ谷まで自転車で通学。授業から1限から出て…って言っても授業中はずっと寝てたけどね。(笑)昼休みはESS(英語サークル)に参加してた。今もそうだけどハリウッドに憧れてたからさ。それで大学の授業が終わったら六本木にある夜間の演劇学校に行って深夜から早朝5時までバイト。その後、やっと家まで帰って2,3時間寝るっていう生活プラス舞台を2,3掛け持ちしてた。でもノーギャラだからバイトしてたんだ。やっぱり自衛隊にいたからとか関係なく若かったからできたんだと思うよ。彼女がいなかったっていうのもあるかな。俺、全然モテなかったからさ。(笑)
―――法大生としてはどんな生活を送ってらしたんですか?
 六大学野球は、よく観戦しに行ったよ!当時の法政は別名「飯田橋体育専門学校」って言われるほどスポーツが有名で強かったからね。もう今では神宮に足を運ぶ事はないけどスポーツ新聞では法政の事を気にしてるよ。
―――好きなスポーツは何かあったりするんですか?
 今、注目しているのはプロレスだね!俺はね、格闘技はずっと好きなんだ。あ、後はマラソンかな?今、自分でやってるスポーツはジョギングだけ。
―――アルバイトは何をやってらしたんですか?また就職についても何かありましたら、お聞かせ下さい。
 英文科だからバイトや外国人の案内とか色々と応募したんだけど全部落ちちゃったよ。何かコネがあったわけじゃなかったし仕方がないから深夜のバイトをやってたわ。少し大学を出たというプライドはあったんだけど。それで27歳の時に本を書いたんだ。これが「お金がない」につながっていったんだよね。

芸能界は…

―――「THE WINDS OF GOD」のこだわりや製作秘話などがあったら教えてください。
 どうしても映画に近い脚本が書きたかったんだよね。シンプルな言葉で人を感動させる事がやりたかったんだ。当時はこういうのは少なかったと思うよ。でも映画にするまでに5年もかかったからね。5年だよ!信じられる?やっぱりね、この世界はコネが何もない人には厳しいんだ。「THE WINDS OF GOD」に関しては、この点が一番辛かったね。
 −芸能界に入るまでの苦労話とかあったら教えてください。
 自分は本当にゼロから始めた人間。今の自分の周りには自分を利用してやろう!って人間がいない。もし昔の自分にそういうチャンスがあったら24時間くっついていたと思うよ。今はね、自分の若い頃のような人がいない。みんな口だけでさ。自分は大学卒業の頃は本当に死に物狂いだったよ。利用できるものがあったら何でも利用してやる!って感じで利用できるものを常に探してたね。
―――実際に芸能界に入ってからは、どうでしたか?
 30歳の時に「シャワーを借りられた事」が一番うれしかったなぁ。後は「飯が食える」って事。「練習終わってから飲みに行ける!」のも嬉しかった。今まではバイトだ何だで、そういう事はできなかったから。芸能界はいざ入ってみると「空手10年やって初めて試合に出た」ような感じ。そしたら周りがみんな弱かったみたいな。(笑)でも俺のような叩き上げで来た奴には、それでも十分うれしかったんだけどね。実は。(笑)
―――事務所を独立されましたよね?そこには何か確信はあったんでしょうか?
 35歳で独立したんだけど、やっぱり確信っていうより自信だよね。自分の力以外の 何かに頼らなくても、もう自分の力でやっていけるんじゃないかな?って思って。で もそれは、それまでに過ごしてきた10年だったりが良かったからなのかもしれない ね。

ロケの裏側

―――日本の映画界について何かありますか?
 92年位だったかな?その位の時期からアメリカに行くようになったんだけど、日本 に帰ってきたらビックリしちゃったよ。何これ!?ままごと?学芸会?みたいなさ。 (笑)アメリカの全てが良いとは言えないけど、やっぱり先進国の中で演劇や映画に 関して一番遅れているのは日本だと思うね。だってさ、スピルバーグのスタジオとか 無茶苦茶凄いよ!!日本ではロケでやるようなシーンでもスタジオの中にセット作っ ちゃうもん。そういうハード面の充実が足りないと思う。アメリカや韓国、中国は国 が協力してくれるんだよ?日本じゃ規制が厳しくて、なかなか街中での派手な撮影と かできないんだよ。日本は戦争に負けて、とにかく経済、経済だったから芸術に関し てはとても遅れていると思うんだ。
―――「T・R・Y」の中国ロケの感想は何かありますか?
 中国も日本より凄い。上海へ行ったけど料理は美味しいし、すごく安いしさ。本当に 安かったなぁ。日本人はお金があるって思われてるし実際に持ってたからすごくモテ て良かった!(笑)ロケでは待ち時間が長かったりと色々モチベーションを維持する のが難しい状況もあったけど落ち込まずにテンション高い状態でいられるように努力 してたよ。
―――今井さんが気になる芸能人だったり注目している芸能人ってどなたかいらっ しゃいますか?
 やっぱり芸能人はオーラが無いとダメ。高倉健さんは以前から憧れてはいたんだけ ど、まさかあれ程とは思わなかったね。色々と想像してはいたものの実際お会いした ら本当にオーラが凄かったね。憧れの人だよ。他には女性では宮沢りえさんもオーラ があるよね。日本の女優さんの中では珍しいと思うよ。後は北村一樹かな。まだ彼が 無名の時に1度共演したんだけど「こいつは絶対に売れる!」って思った。何より彼 は眼に力がある。そういう人は売れる。間違いない。俺が目指しているのは「存在感 が恐い」「奥行きのある演技が出来る」俳優。「笑ってても恐い」みたいなね。でも そういう人はハリウッドに行っても通用する。向こうは本当に違う!演技に対して向 こうはactingになると態度というか意識のレベルが高い。日本人はプライドか ら入って「こんな演技は出来ない」とか言っちゃう人もいるんだよね。アメリカでは 監督と役者が話合う時間があって、そこでお互いに意見を交換しあえるんだ。だって さ後で屁理屈こねたり演劇論とか語るやついるけど、そんなの仲間内で語ってないで 監督に言えっつうの!(笑)アメリカ人の舞台に上がってものを創る時の眼は凄いよ !!
―――今後の活動予定か何かは、もう決めてらっしゃるんですか?
 20年舞台をやってたんだけど今年は初めて舞台をやらないんだ。しばらくは休ん で、でも映画を創っていくんだ。アメリカとやっていきたいね。後半の人生全てを賭 けても良いから同じエネルギーでやり続けたい。映画が出来るまでは色々な番組にも 出て金稼いでさ。(笑)ヤクザ映画とか良いな。年内に上手くいけば1本映画を撮れ るかもしれない。まぁ、もし今撮れなくても、いつか絶対に撮る!!

メッセージ

―――最後に新入生に向けて一言お願いします。
 遊べ。とにかく遊べ。こんな時期は、もう無いから。そりゃ試験に受かりたい人は 勉強すりゃいいんだけど…。でも実験出来る良い時期でしょ?スポ法だってセミプロ じゃん。やれるんだったら今の内にどんどん挑戦した方がいい。俺は大学とは社会の 予備校だと思ってるよ。だっていきなり社会に出たら辛いと思うよ。今なら職業欄に 学生って書いて何でも出来るじゃん。俺は学生という肩書きがあったからこそ演劇に 打ち込めたんだ。「東大や早慶に入れなかったから…」なんて気持ちとか引きずって る人は、そういう事で大学生という貴重な時間を無駄にしてはいけない!「俺が法政 を有名にしてやるんだ!」ぐらいの気持ちで頑張って下さい!!

取材後記

 楽屋に入ると、まずその存在感に圧倒された。そしてピンと張り詰めた空気の中、インタビューは始まった。カメラマンとして参加することになった私はそのインタビューの行く末が少し不安になっていた。
 しかし話し始めると、この空気は柔らかいものに変わった。質問の意味を汲み取って、思ったことを素直に口にしてくれた今井さん。そんな彼に我々、取材班は好感を抱かずには、いられなかった。
 お忙しい中、取材にご協力頂きました今井さん。誠にありがとうございました。我々、スポーツ法政新聞会一同、更なるご活躍を期待しております。

<特別取材班>
聞き手・一宮大輔 書記・しま田愛 カメラ・箕輪成晃

◆今井雅之(いまい・まさゆき)
 1961年4月21日・兵庫県生まれ。高校卒業と同時に自衛隊に入隊するが役者への情熱が捨てられず一年半で除隊。その後、82年に法政大学文学部に入学。そして、それと同時に役者生活に入る。86年に大学を卒業後、舞台デビュー、テレビデビューを果たした。この後、順調にドラマ、舞台にと幅広く活躍し代表作には「お金がない」、「味いちもんめ2」、「お見合い結婚」などがある。
 なお自身で脚本を書いた「THE WINDS OF GOD」は88年の初演から日本国内のみならずアメリカ公演でも大成功を収めた。小説化にも至った本作はは好評を得る。91年に文化庁主催芸術祭賞で史上初の原作・脚本・演技の三賞で受賞。93年には国際連合作家協会主催の芸術賞を受賞。最新作には織田裕二主演の「T.R.Y」がある。
 現在はドラマ・映画・バラエティと、その活躍のフィールドを更に広げ精力的な活動を続ける。本人の希望する映画制作活動を行うために今年に入ってから少し活動を控えているが、その個性豊かな役柄を演じ分けられる高い演技力には定評がある。





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