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スポーツ法政 '04 2月号

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箱根駅伝:予選会からの大躍進 オレンジの戦士たち 甲子園ボウル:日本一ならず  ラグビー:夢は託した アイスホッケー:氷上に咲いた頂上への希望 男子バスケ:新たな舞台へ挑戦は続く 特集記事:知られざる絆

箱根駅伝 予選会からの大躍進 進化への道程

箱根路にオレンジ旋風が帰ってきた。 1月2日、3日に行われた第80回東京箱根間往復大学駅伝競走で11時間17分42秒の4位という成績を収めた。 法大は5位で往路を終えると、続く復路では一時は2位に順位を上げる力走を見せ、3年ぶりにシード権を獲得した


復活の走り


 序盤、成田道彦監督の予想通りにレースは進んだ。1区は、1年生から唯一選ばれた圓井(つむらい)彰彦(社1)。「一番心配していた」(成田監督)というが、8位という好位置で長嶺貴裕(経4)にタスキを渡した。ここで順位を9位に落としてしまうが、3区満を持して登場の黒田将由(社4)が6位にチームを押し上げた。そして混戦の中4区岡田拓也(経2)が、山登り5区佐藤浩二(経3)につないだ。佐藤は成田監督の予想を遙かに超えた走りを見せ、往路5位でゴール。チームに勢いをつけた。  
 復路山下りを任されたのは、下りのスペシャリスト白田雄久(社2)。期待通り、2位に順位を上げた。7区山口航(社2)も粘りの走りで、原田誠(社2)へタスキをつなぐと、原田は区間2位の快走を見せ、追走した。9区中村洋輔(社4)は伸び悩んだが、アンカー秋山和稔(経2)は最後のデットヒートをかわし戦後最高順位タイとなる4位でフィニッシュした。

4位の重み


 この順位に成田監督は「上出来。うちが良かったと言うより、他大がこけてくれたから」と謙虚に答えたが、この結果に法大の進化を見て取れる。近年、法大は坪田・徳本・土井と大エースが引っ張るエース依存型のチームであり、彼らの出来が勝敗を左右していた。特に象徴的だったのが昨年。土井・黒田など主力の欠場で16位と沈んだ。だが、今年のチームは違う。全員が自分の役割を果たして走るという総合力のチームに変わった。昨秋の全日本大学駅伝では「選手自身が自分の役割をよくわかっていない」(成田監督)と言われたチームが見事に進化を遂げた。  
 来年はシード校として、予選会を戦わずにすむ。これは、ピークを本戦に合わせられると共に、過酷な駅伝シーズンの日程としては、選手の負担が減り故障対策になる。さらに来年は、今年山でチームを牽引した佐藤・白田が残る。また、2年生五人も主力として経験を積んだ。これに今年の課題として成田監督が挙げる「2区・9区を任せられるエース」が育てば、更に上位が見込めるチームへと進化するに違いない。
(森 隆史)



オレンジの戦士たち

   1区でルーキー圓井彰彦(社1)が箱根デビューを果たした。「後半しんどかった」と語るが、それでもトップと56秒差の8位とまずまずの走り。主将長嶺貴裕(経4)も「いい流れを作ってくれた」と圓井を評価した。今後は将来の法大エースとなるために、今回見つけた課題をクリアしていってもらいたい。
   法大の4位躍進に大きな貢献をした佐藤浩二(経3)。昨年も5区にエントリーされながらも直前で外れた。過去の悔しさをバネに挑んだ今回、初めての箱根で難関の5区を果敢に挑んだ。頂上付近では強風に苦しめられ、最後の下りはとても辛かったという。それでも、終始佐藤の力強い走りは際立っていた。区間3位という立派な走りを見せた佐藤の評価は高い。 
最も注目をあびたのは、白田雄久(社2)だ。レース序盤で1分以上差のあった2位までの3校を抜き去った。猛スピードで山を下る白田の走りに、魅せられた人も多いだろう。自らポイントとしてあげた宮ノ下以降は苦しくなったが、それでも抜かれることなく走りきった。区間賞を狙っていた白田にとっては、区間5位の成績に「ちょっと…」と納得がいかない様子。今回の結果を受けとめ来年こそは区間賞をとるに違いない。
 8区2位の好成績であった原田誠(社2)。予選会総合139位の不調が嘘のような快走を見せた。自分のペースを守って走りつづけ、どんどん後続との差を広げていった原田。それでも、「前(東海大)との差をつめることができず、申し訳ない」と語った。区間2位にも「2位は嬉しいが、走りには納得がいかない。(1時間)6分台では遅い」と現状には満足せず、まだまだ上を目指しつづけている。そんな原田の姿勢からは、今後更なる躍進が期待できそうだ。
 長嶺貴裕は、主将として走りで1年間チームを引っ張りつづけた。法大躍進の1番の功労者といえる。ケガからの復帰戦だった黒田将由(社4)。チームのために冷静に走り、順位を3つ上げた。法大エースの輝きは失われていないことを走りで証明した。そして10人の選手、サポートにまわった部員達、彼らの力が一つになってこの好成績に結びついた。


甲子園ボウル 厚かった関西の壁 立命大に完敗

 

2年ぶりに甲子園ボウル出場を果たした法大トマホークス。日本一をかけて立命大パンサーズと対戦。しかし、関西王者の壁は厚く、法大は大敗を喫してしまう。


夢届かず


 試合は法大のレシーブから始まった。オフェンス陣は伊藤喜(法3)・小沼(法4)の俊足RBを使い、立命大に襲い掛かる。1Q開始早々、立命大のミスプレーによって法大がビックチャンスを掴むも、タッチダウンに結びつかず、フィールドゴールトライも失敗してしまう。その後も、ラン攻撃を主体とした攻撃で前進を試みるも、立命大の強力なディフェンスに阻まれ、思うようにゲインができない。一方ディフェンス陣も立命大の繰り出すパス攻撃やラン攻撃をカバーしきれず、1Q5分過ぎにタッチダウンを奪われると、乗りにのった立命大に、次々と得点を許してしまう。何とか反撃を試みるも、想い届かず。
 後半に入っても立命大の勢いはおさまらない。QB高田を中心とした多彩な攻撃に惑わされ、立命大の得点ばかりが進む。しかし、3Qも終わりにさしかかったその時、1年生RB丸田(文1)が72ヤードのキックオフリターンを決めるなど、徐々に法大が本来の勢いを取り戻す。すると4Q開始直後、丸田はQB永浦(文3)からボールをピッチされると、左サイドから48ヤードを一気に駆け抜け待望の甲子園初得点をあげた。
 結局、法大は丸田のタッチダウンだけに留まり、立命大に61対6という大敗を喫した。  

雪辱誓う


  この結果に大森監督は「こうなることはある程度予測していたが、もう少しロースコアでと考えていた。これが今年の法大の実力。もう1度作り直してまた来たい」と雪辱を誓った。主将の会沢(文4)は「立命大有利といわれていても挑戦者として、最後まで気持ちが切れることなく集中してプレーできた。学生コーチとしてチームに残るので、今回中心だった3年生を中心として、甲子園で勝てるチームを作りたい」とトマホークスの再出発を約束した。 
 また、1年生ながらビックプレーを連発した丸田は、甲子園ボウル敢闘賞に選ばれた。丸田は「(タッチダウンを決められたことは)うれしかった。立命大は体格のいい選手が多いから、スピードで振り切れると思ったが、ダメだった」と厳しい表情を見せたが、立命大との再戦にむけて「もっとスピードをつけ、体重も増やしたい」と、決意を新たにした。
 法大と立命大の間には大きな差があった。フィジカル面もそうだが、何よりも個々の能力の差が大きかった。だが、どんなに一方的な試合になろうとも、彼らは絶対にあきらめることはなかった。むしろ、自分たちよりも強い相手と戦えることを心から楽しんでいるようにも見えた。この甲子園での経験は、彼らにとって大きな財産になったことだろう。甲子園での悔しさを胸に、次こそ日本一を果たしてくれることを期待したい。  
(高梨 幸江)
 


ラグビー 夢は託した

準決勝で関東学院大と対戦した法大。しかし相手の強力FWの前に21−48で敗北。国立での勝利は今年も手にすることが出来なかった。


 
 選手権1回戦では大会最多得点記録となる126−0で福岡工大に圧勝。プール戦である2回戦も東海大、京産大を下し、4年連続の国立進出を決めた。プール戦第3節、早大戦は12−19で惜敗。しかし昨季の覇者相手に1トライ差まで詰め寄る善戦で、準決勝に向け期待が高まった。準決勝の相手は関東学院大。リーグ戦の決勝戦で敗れ、再戦を約束した相手である。戦いの場を秩父宮から国立に変え、「新たの法政でがんがる」と山本監督も意気込んで語った。
 前半開始早々、関東学院大に先制トライを許す。さらに4分、14分、20分と立て続けにトライを奪われる。法大も25分にラインアウトからモールで押し、最後はNO8磯岡(経3)が飛び込んでトライを決める。しかしその後1トライ返され、前半を7−33という苦しい点差で折り返す。
 後半4分、さらに1トライを奪われ後がない法大。しかしここから法大が執念の反撃を見せる。後半28分、SH穂坂(営3)がトライを決める。さらに30分、左右に展開しつないだボールを再び穂坂がインゴールに叩き込み、21−38とする。残り10分、猛追する法政だったが、強力な関東学院大FWのDFを突破することが出来ない。逆に38分、関東学院大のPGが決まった瞬間、ノーサードの笛が鳴った。結局法大は21−38で決勝にこまう進めることが出来なかった。
 試合後、「ラインアウトに対するDFがかなり研究されていた。ラインアウトを攻撃の起点にするという我々のチームスタイルが出せなかった」(山本監督)。また「セットプレーが安定しなかった。相手のFWに圧倒されて、DFが受けに回ってしまった」(FL佐藤崇主将・社4)。
 日本選手権を最後に引退する4年生が4年間追い続けた大学日本一の夢。彼らの思いは後輩たちに受け継がれ、来季こそリベンジを果たしてくれるだろう。
(後藤 芳恵)
 


アイスホッケー 氷上に輝いた頂上への希望


 第76回全日本学生氷上競技選手権大会が、1月6日から9日まで栃木県日光市で行われた。
 シード権のある法大は2回戦から登場。相手は関東2部の専大。開始10分に先制点を入れ、そのまま流れに乗って9―3と快勝。松田主将(法4)は「今日は足を動かすことに重点をおいた。明日からが本番」と余裕のコメントだった。
 準々決勝は今季力をつけてきている中大との対戦。嫌な点の取られ方をしたが、3−2で倒した。準決勝の東洋大戦では第2ピリオド(以下ピリ)で一気に突き放し、5−2で勝利。この勢いに乗って決勝戦に挑んだ。
 因縁の対決とも言える明大戦。1ピリ開始直後2点を先制されるもすぐに西原(営2)が取り返す。2ピリで同点に追いつくが、その後2点を失い2−4とリードされる。3ピリ再び西原のゴールで1点差まで詰め寄った。「いける!」(松田主将)。明大ゴールへ突き進むが、なかなかDFの壁を崩せない。逆に5点目を入れられてしまう。その5秒後、法大優勝の4文字は無残にも氷上に散った。
 「明大に先に点をとられたのは予想通り。苦しい展開だったが、みんな勝つことだけを考えていた」そして「いいチームだった。主将として優勝は出来なかったが、悔いはない」と松田主将は振り返った。
 今大会のベスト6にDF松田主将とFW西原が選ばれた。松田主将が「西原は元々良いものを持っている」と言う様に、来季の得点源になるだろう。          
(土田 麻子)


 


男子バスケ 新たな舞台へ 挑戦は続く

 1月2日、4年生最後の大会である全日本バスケットボール選手権(オールジャパン)が幕を開けた。1回戦の相手は北海道代表の札幌大。実力の差を見せつけ、終始法大ペースで試合が進み、難なく初戦を突破した。続く2回戦、JBL4位の松下電器との対戦を迎える。高さ、そしてパワーのあるプレーに圧倒されつつも、そこにはのびのびとバスケットをする選手たちの姿があった。確かな力の差は感じたが、4Qには、4年生だけでプレーする場面もあり、試合の勝敗に関係なく、4年間苦楽を共にしてきた仲間たちとのバスケットを楽しんでいるように見えた。
 この大会をもって、法大のユニフォームを脱ぐ4年生。チームを支え、引っ張って来た澤岻(営4)、板倉(法4)の大きな柱もチームを離れる。かつては二人が中心のチームで、彼らに頼っていた部分が多かった。しかし、秋のリーグ戦、インカレを通じて大いに成長した山田(法2)、小川(営2)を中心としたガード陣、高久(法1)などの台頭があり、バランスの整った点の取れるチームへと変貌を遂げた。そんな頼もしい後輩たちに心配は要らないだろう。
 初戦の大東大戦は「緊張してカチカチになっていた」(佐藤コーチ)と法大らしさをまったく出せないまま敗戦。いきなり窮地に追い込まれてしまう。続く日大戦。「最後まで切れずに粘り強くできた」(末廣・営1)。どんなに点差が離れようと諦めずに食らいついていく。要所で澤岻(営4)が得点・アシストでチームを引っ張る。ラスト2秒、山田がフリースローを決め、1点差で辛くも勝利。最終戦へ望みを繋いだ。
 澤岻はJBL1位(今大会優勝)のアイシンへ、板倉はJBL3位(今大会ベスト4)の東芝への進路が決まっている。JBLという日本最高のレベルでバスケを続けていく。二人はより大きな舞台へと活躍の場を移す。社会人の中で活躍するためには、さらに高い技術、スピード、精神的強さが求められる。法大での経験を活かし、成長した二人に、来年のオールジャパンで再会することになるだろう。               
(藤井 聡子)
  

 

特集記事 知られざる絆

 1月2日、箱根駅伝平塚中継所。そこには3区を走り切った黒田将由(社4)と、 サッカー部主将・長山一也(社4)の姿があった。この2人が親しい友人であることは、 どれくらい知られているだろうか。
 1年時から同じ授業が多く、自然と友人になったという2人。「マサにはサッカー部 のチームメイトとは違う形で支えてもらった。マサ自身の活躍も刺激になって、 マサの存在がモチベーションにもなった。」(長山)
 「陸上はずっと、個人競技だって思っていた。でも、チームが一丸となればすごい 力になれるってことを、かっちゃんを見てて、かっちゃんから教えてもらった。」(黒田)
 11月3日サッカー、1部ー2部入替戦。長山はユニホームの下に、黒田から もらった陸上部のユニホームを着てピッチに立っていた。得点を決めた時 チームメイトを、そして応援席にいた黒田を驚かせるため。「結果は残念だったが、 頑張ってる姿を見て励まされた。今度は自分が頑張る番。」黒田は言った。
 サッカーと陸上、競技のスタイルは全く違う。けれども、違うからこそ見えるもの、 分かり合えるものがある。
 互いの成長、頑張りに励まされ、切磋琢磨してきた4年もの年月。2人だけの強く、 深い絆がそこにある。 
(大橋 裕子/下田 晶子)
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