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接戦に差をつけたメンバーの意思統一
<中大のリーグ戦総括&来季展望>
今年のリーグ戦は関東学大が全勝で5年連続優勝を飾った。例年どおり関東学大・法大の2強体制ではあったが、山梨学大を除く5チームの実力差があまりに拮抗していたことに驚いた。3位から7位、流経大、東海大、日大、大東大、中大の5チームでの結果を見ると、10試合中1トライ差以内の試合が6試合といかに混戦だったかが物語っている。
その中で順位がついたのは、各大学が目指す戦い方をどれだけ貫き通せたかだった。今年大躍進した流経大は、その典型だった。ルーキーのアンダーソンを中心にBKでの展開を心がけ、リーグ戦直前の交流戦で明大を破ったことで一気に勢いづいた。また日大はスクラムに力を入れFWでの勝負にこだわり貫いた結果の選手権出場獲得となった。東海大も高速BKで持ち味を十分に発揮した。一方で選手権出場を逃した大東大、中大は、形はあったもののその精度が低かったことが敗因となった。
中大は昨年以上のメンバーが揃ったが、BKの要でもある二木が膝の故障で試合に出られなかった事が響いた。また攻守ともゴール前での集中力が欠けていた。混戦の4試合全てが1トライ差。すべて逆転負けだった。攻撃の面でも1人が突破したあとに、続く選手がいなく、得意のカウンターも威力が半減してしまった。また調子の波も激しく、関東学大戦のように調子がよければ、2強を脅かす勢いがある反面、法大戦のように無得点の試合もあり、常に良いコンデションで試合にのぞめなかった。
しかし、SO升本やルーキー・有田といった下級生が今大会を通して経験を積み、成長していることが来年以降の大きな収穫でもあった。
ラグビーは波乱の少ない試合と言われているが、試合に対する気持ちや1つのプレーで試合の流れが変わってしまうのも確かである。来年以降も関東学大、法大の2強時代は続いていくが、他の大学も2強に迫らんばかりの勢いで力をつけている。王者・関東学大も選手権しか考えていないと足元を掬われる日が来るかもしれない。
(東一哉)
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