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石井一がヤクルトと決裂、西武入りへ

 ヤクルトからFA宣言した石井一久投手(34)が、近日中に西武移籍を表明する。20日、都内の神宮クラブハウスでヤクルトと残留交渉を行ったが新たな条件提示はなく、約30分で終了して、事実上の決裂に終わった。石井一は、態度は保留したものの「2、3日で答えを出したい」と話しており、ヤクルトに断りの連絡を入れてから西武入りを正式表明する。

 ヤクルトから最後の慰留を受けた石井一は、渋い表情で神宮クラブハウスから出てきた。慣れ親しんだチームと別れると思えば、心境は複雑だった。駆け付けたファンから、残留を願う声が上がったが「その声に応えられるかは分からないけど、自分の選択を信じて欲しい」と決意を込めて話した。

 ヤクルトとは2日以来、FA宣言後は初めての交渉だった。事前にFAした場合を想定し、条件面の話し合いも済んでいた。提示されていたとみられる2年総額4億円程度から、この日の上積みについては「考えはあると言ってくれました」。実際には新たな条件提示はなく、大きな進展がないまま、交渉は事実上、決裂した。

 交渉にあたった大木球団取締役は「誠意をもって残留してほしいと伝えた」と最後の訴えを行った。しかし西武側は2年総額7億円以上を提示したとみられ、金額面の大きな開きは埋められないまま。「最悪の場合も考えないといけない」と、エース流出も覚悟した。

 石井一は移籍を明言こそしなかったものの「好きなヤクルトにずっと守られていくのか、人生勉強のために違う場所にいくのか。人として成長したい気持ちはあります」。何度も繰り返した「成長したい」の言葉が、ヤクルトとの決別宣言だった。再交渉の予定はなく「2、3日中には答えを出したい」と話した。あとは結論を待つ両球団に連絡するだけ。ヤクルトには近日中に断りの連絡をし、西武入りを表明する。

[2007年11月21日9時31分 紙面から]

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