野球

楽天田中、中田との対戦希望「抑えたい」

ＣＭ発表会でテレくさそうに上戸彩とポーズをとる取る田中（撮影・長島一浩）

　楽天田中将大投手（１９）が１８日、日本ハムの注目ルーキー中田翔内野手（１８＝大阪桐蔭）とのプロでの再戦を望み、抑えると貫録を見せた。２人は高校時代に、夏の甲子園準決勝で対戦し、３打数１安打１三振。田中は中田に、対戦するために１軍に上がってこい、とのメッセージを送った。この日は、女優・上戸彩（２２）と共演する初のＣＭ撮影を札幌ドームで行った。だが、慣れない撮影では３歳年上の美女に、リードされっぱなし。メラメラとメロメロの１日だった。

　上戸の隣にピッタリと寄り添っての会見で、戸惑いとハニカミを隠せない田中が、中田の質問になると、勝負師の顔に戻った。

　田中「彼が（高校）１年の時に１度対戦しています。向こうも雑誌や紙面（のインタビュー）で僕の名前を出しているので、対戦して抑えたい、と思っています」。

　０５年８月１９日。２人は対決している。甲子園の準決勝だった。２年生エースとして全国の頂点に立った夏の１シーンを、忘れてはいない。１年生ながら大阪桐蔭の５番一塁で先発した中田との対戦は３打数１安打。３打席目の対決で、詰まりながらの中前打だったが、打たれた感触は覚えているという。日本ハムに入団が決まり、さまざまなメディアに登場し、１歳年上の新人王への意識を語っている姿に、田中は注意を払っていた。

　「先輩」としてのアドバイスを問われると「僕はそんなこと言う立場ではありませんが、２軍の試合ではなく、１軍で対戦できるよう頑張って欲しいし、僕も頑張りたい」と話した。１日も早く１軍に上がって来いという、中田への再戦を希望するメッセージだった。

　中田が日本ハムに入団したのも因縁めいている。母校が駒大苫小牧の田中にとって、北海道は第２の故郷。昨年も札幌ドームでの登板をシーズン通して熱望していた。実現したのは９月２６日。相手は、球界を代表する投手となった、ダルビッシュとの投げ合いだったが、９回サヨナラ負けを喫した。それでも「あの試合は僕にとって大きいものでした」と、自身の成長につながる敗戦と振り返る。その北海道に気になる男が入ってきた。「抑えたい」という言葉は、自然に口をついた。

　来季については「２年目なので、スタートの不安はない。開幕からガンガンいけるように頑張る」と宣言した。年下ながら刺激を受ける相手の出現もエネルギーに変えて田中が２年目に挑む。新人王対怪物ルーキー。ファンを沸かせる新たな名勝負の予感がする。【金子航】

［2008年1月19日9時31分　紙面から］

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