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中田4三振、梨田監督緊急指導/練習試合
- 9回裏、この日4つ目の三振にガックリと肩を落とす中田(撮影・黒川智章)
<練習試合:日本ハム7-3ヤクルト>◇27日◇名護
怪物のバットから快音が消えた。日本ハム高校生ドラフト1巡目の中田翔内野手(18)が27日、ヤクルトとの練習試合に「6番一塁」で出場し、5打数で4三振を喫した。3回には守備で初のタイムリー失策を犯すなど、散々。試合後には梨田監督が付きっきりで居残り特打も行ったが、3月1日から始まるオープン戦、そして同20日の開幕戦(対ロッテ、札幌ドーム)へ不安が広がった。
簡単にはじき返していたボールに、当てることすらできなかった。屈辱の4三振…。中田は「余計なことを考えてしまっているのかもしれないっす。真っすぐで勝負してくる投手も少なくなって、ストレートを待ってると変化球に泳がされるから、変化球も待たなあかんなだとか」と頭の中は混乱していた。
苦悩が打席に形となって表れていた。2回の第1打席。カウント2-1と追い込まれるまで、すべての直球にバットは動かなかった。結果は見逃しの三振。「今までだったら(初球から)いってたけど、最近は手が出ないです」。3~5打席目もすべてファーストストライクを見逃してカウントを悪くした。特に3、5打席目はその後、高めのボール球に手を出しての空振り三振。ちぐはぐさが目立った。
守備でもミスを犯した。3回2死満塁の場面で、ガイエルの一、二塁間寄りの打球をグラブの土手に当ててはじいた。対外試合初失策はタイムリーエラー。マウンドにいたダルビッシュからは「ちょっかい気味に」ヤジられたが「簡単なミスを少なくしていきたい。1つのエラーから負けてしまうというのは高校のときからあったし、ましてやプロならなおさらだと思うので」と猛反省した。直後の打席でバットの先ながらも中前適時打を放ったのがせめてもの意地だったが、喜びはなかった。
梨田監督は試合後「1球をおろそかに気を抜かないようにしろ。タイミングを合わせられるようにしなさい」とアドバイス。居残り特打で「間の取り方」をマンツーマン指導した。約45分間の緊急“梨田塾”。145スイング中26本の柵越えを放った中田は「初めちょっとやりにくかったけど、『だまされた』と思ってやったら良くなった」と少しだけ明るい表情が戻っていた。
これで練習試合は全日程を終了。怪物に残された時間は11試合のオープン戦だけとなった。「目が慣れるということもあると思うし、どんどん慣らしていきたい。徐々につかんでいるものはある。追い込まれたらプロの世界では終わりだと思うし、1球目からきわどい(球)のでも打っていきたい」。開幕スタメンを狙う怪物に、迷っている暇はない。【本間翼】
[2008年2月28日9時17分 紙面から]
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