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行定監督の新作はアンダーグラフの新曲
大ヒット映画「世界の中心で、愛をさけぶ」で知られる行定勲監督(37)が人気バンド、アンダーグラフの新曲「ユビサキから世界を」(6月21日発売)を題材にした映画を製作することが23日、分かった。吉永小百合(61)主演の大作「北の零年」と三島由紀夫原作の純愛映画「春の雪」を昨年公開後、次回作が注目されていた。純愛ブームの立役者でもある日本映画界のヒットメーカーが選んだ新作は音楽から生まれる。
映画「ユビサキから世界を」の撮影はオール山形ロケで始まっている。この日も山形市内の高校の教室を借りて行われた。スタッフは約30人と小規模で、高校生役の出演者もオーディションで選んだ新人ばかり。ここ数年手掛けた大作と比べれば、恵まれたと言えない環境でも、行定監督の心地よさそうな表情が印象的だ。ぎこちない新人の演出にも笑顔が絶えない。「自分に近くて得意なものを最近やっていなかったからね」。
アンダーグラフの関係者から映像作品の演出依頼を受けた時は、音楽に映像を重ねるミュージックビデオの延長程度と理解していた。ところが曲を聴いた途端、方針を転換した。「希望の光などないと言っておきながら、自分の指先から何か変えていけるかも知れないという。自分たちが今思っていることを切実に表現していると感じました」。強い衝撃と共感から映画化を決意した。虚無感と前向きな決意が交錯する歌詞を題材に一晩で脚本を書き上げた。曲に対する共感から、教科書を燃やした高校時代の体験も盛り込んだ。
同曲を作詞作曲したボーカル兼ギター真戸原直人(28)も「イマジネーションの鋭さに驚きました」。映画では、さまざまな思いを抱えながら、集団自殺を計画した女子高生4人の心の変化を描く。
もともと行定監督はインディーズ出身。演出力に加え、物語を淡々と描きながら登場人物の熱気を伝える映像表現が評価を受け、窪塚洋介主演の東映「GO」でメジャー進出した。その後、ベストセラーの映画化や大物俳優出演、大手映画会社の配給など、昨年までプレッシャーの大きい作品が続いた。アンダーグラフの新曲と出合ったのは、そうした日々が一段落した絶妙のタイミングでもあった。「日常と自分との接点を描くのが自分は得意。この曲は自分にそういう機会を与えてくれた」。
上映時間は約1時間を予定している。公開は新曲発売に合わせた今夏を予定。映画化が急きょ決まったこともあり、映画館以外のホールなどを使った上映を計画している。注目の新鋭監督が原点に戻り、地道に映画に取り組んでいる。
[2006年4月24日7時26分 紙面から]
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