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パバロッティ氏すい臓がんで死去

 世界のオペラファンを魅了したイタリアのテノール歌手、ルチアーノ・パバロッティ氏が6日午前、同国北部モデナの自宅で死去した。71歳。昨年、すい臓がんが見つかり手術を受け療養中だった。世界3大テノールの中でも陽気な個性で人気を集め、張りのある高音で「キング・オブ・ハイC(高いドの王様)」とたたえられた。手術後も復帰への強い意思をみせていたという。

 イタリアのANSA通信によると、自宅で療養中だったパバロッティ氏は病状が悪化し、この数日の間に何度か意識不明に陥っていたという。葬儀は8日午後、モデナの大聖堂で行われ、プローディ首相も外交予定を変更して参列する。

 パン職人の1人息子として生まれ、オペラ好きな父の影響で声楽を始めた。教師を務める傍ら、61年、レッジョネレミリアの声楽コンクールで優勝。同市立歌劇場で「ボエーム」のロドルフォ役を歌ってデビューした。

 高音の輝きは群を抜き、2オクターブ以上の「C(ド)」の音を要求される難曲も歌いこなすことから「キング・オブ・ハイC(高いドの王様)」と呼ばれた。オペラ歌手デビューが20代後半と遅く、楽譜を読むのが苦手というハンディを乗り越え、練習を重ねた。

 プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスとともに世界3大テノールと呼ばれ、各地で開かれた3人によるコンサートは世界各国に中継された。イタリア人らしい気さくな性格とステージで人気も高く、演奏終了後は満面に笑みをたたえて両手を大きく広げるのがスタイルだった。

 プライベートでも話題満載の人だった。パスタとマカロニが大好物で、常にダイエットが注目された。東京公演の主催者は宿泊ホテルに巨漢を支える特注ベッドを用意した。03年には35年連れ添った妻と離婚し、34歳年下の恋人ニコレッタ・マントバーニさんと結婚。66歳でパパになった。米名門メトロポリタン歌劇場の舞台を2回連続でキャンセルして劇場から絶縁状をたたきつけられたり、脱税の罪で起訴(後に無罪)されたりと、注目を集めた。

 テレビや映画にも積極的に出演し、多彩な活動は「商業主義に過ぎる」と批判も呼んだが、クラシック音楽をなじみのない層に広めた功績は大きい。日本でも71年に初来日して以来、たびたびオペラ公演やコンサートに出演。東京・国立競技場で公演を実現したのは3大テノール(96年)とSMAPしかいない。

[2007年9月7日7時55分 紙面から]

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