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川嶋あい小学校教壇で「心の復興」

神戸の小学校で教壇に立つ川嶋あい(左)ら
神戸の小学校で教壇に立つ川嶋あい(左)ら

 シンガー・ソングライター川嶋あい(21)が来年1月17日、神戸市立真陽小学校の特別講師を務めることが9日、分かった。この日は阪神淡路大震災から14年目の日。3年前から神戸・長田区でフリーライブを行い、震災遺児たちを歌で励ましてきた経緯もあり、講師の白羽の矢が立った。3人組バンドかりゆし58とレゲエ歌手Metis(23)も加わり、神戸の子供たちに復興ときずなを訴える。

 路上ライブを続けている川嶋に05年、神戸市から路上ライブの依頼があった。川嶋のスタッフが被災者ということもあり、以来、長田区でライブを続け、その関係から今回、小学校の教壇に立つことになった。

 川嶋は、幼少から児童施設で育ち、養女に行った先では10歳で養父を、16歳で養母を亡くした。養母が亡くなったのは、川嶋がI WiSHとしてデビューしフジテレビ系「あいのり」の主題歌で大ヒット曲「明日への扉」が放送される直前だった。デビュー後、実母を探したが3歳の時に他界していたことが判明。実父の行方は分からない。それでも「心の復興」を遂げ、笑顔で歌い続けている。

 同じ境遇の震災遺児を、人ごととは思えなかった。震災遺児支援施設にCDをプレゼントしたこともある。川嶋は「私は天涯孤独の身だけど、ファンやスタッフがいる。実はすぐに立ち直ったわけではなく、時間の経過といろいろな人の助けでここまできた。人とともに生きていく大切さを伝えられれば」と話した。

 生徒は真陽小学校6年生28人。かりゆし58、レゲエ歌手Metisと一緒に60分の特別授業を行う。かりゆしのボーカル前川真悟(26)は、中学時代、私立校に通うも暴力事件で退学になった。故郷の沖縄に戻っても、ヤンチャとけんかの繰り返し。体に入れ墨を入れたときは、母親は泣き崩れた。しかし、夜遊び後に帰宅するといつも、食卓に夕飯が置いてあったという。高校卒業後、トラックの運転手をしていた時、自分と同じように不摂生を繰り返した同僚や先輩たちが、わずか3年間で病気や自殺で15人も死んでいった。

 前川は「その時、このままではいけないと気付いた」。好きな音楽の道に入ろうと決意、第1歩のギター購入資金を出してくれたのは母親だった。「22歳を超え、初めて母に『産んでくれてありがとう』と言えた。教師には一番向いてない経歴。でも生徒たちには、震災からあきらめずに復興に向かった両親たちに感謝することを話したい」。

 Metisも3歳で両親が離婚した。父は行方不明で、母に育てられた。母はMetisの歌手活動を二人三脚で支援していたが、4年前、肺がんで「余命2年」を宣告された。「私のデビューが決まって、私の歌が良かったからかな。母のがんが小さくなって、今はうまく病気と付き合っている状態です。学生時代、授業中にミシン針で鼻にピアスを開けたりしてまじめとはいえなかったけど、親孝行と命の大切さは伝えられると思う」。3組とも被災者ではないが、それぞれが持っている「立ち直った人生」を教科書にするつもりだ。

 講義後は長田の街で3組のライブも予定されている。川嶋は「先生と呼ばれると恥ずかしいかもしれない。でも、ライブでは、今までにない希望の光をともせたら」と話している。

[2007年12月10日8時50分 紙面から]

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